2018年年間アニメトップ10

この記事は

2018年全視聴アニメの総括です。
ネタバレあります。

はじめに

2018年総括アニメ編。
毎年恒例の振り返り記事です。
去年は色々と素晴らしい作品に出会えました。
中でも好きだった作品10本をセレクトして、短評で纏めてみます。

視聴した作品は以下の通りです。

あそびあそばせ

美少女とギャグって実は相性が非常に悪い組み合わせです。
可愛い以外の感想を視聴者（読者）に抱かせる事を嫌う「美少女」という個性の特質性に起因しているからです。
会話の面白味で笑いを生むならばコメディの領分だし、ギャグは会話以外で笑わせないとならない。
この水と油のような相性最悪の組み合わせを「声優」という乳化剤を投入する事で、見事に調和させているのがまさに奇跡。

主演3人の女性声優さんの声は、間違いなく萌え声です。
声の可愛さだけで飯を食っていけるレベルの可愛さで、それがキャラの見た目の可愛さを引き立たせています。
ゆるぎない美少女を声で演出してるんですよね。
そこに投入される容赦ないギャグの応酬。
普通ならば美少女性を破壊し尽くす暴力的なまでのギャグに、しかし、美少女性を保ちながら、視聴者の腹筋だけをピンポイントで殺していくという矛盾した行為を易々と行っている。
アニメノチカラを遺憾なく発揮した素晴らしいアニメ。
世界よ、これがアニメだ。

宇宙よりも遠い場所

作品に抱いた暗そうな事前のイメージを吹き飛ばすキャラの明るさで以て、過酷な旅路を克明に描き出した傑作アニメ。
南極の殺風景さは恐怖の象徴であり、あまりにも便利すぎる日本に暮らす僕らにとっては想像以上に過酷な場所に違いありません。
そんな旅路の大変さの一端をしっかりと描き切っていて、だからこそ、4人の女子高生たちの確かな絆を認識できるとともに、彼女達の物語に浸れる。
劣悪な舞台環境をキャラの深みに還元しているので、いつまで経ってもキャラの輝きが色褪せないんですよね。
2018年のオリジナルアニメでは、頭1つも2つも抜きん出ていました。
今まで見て来た全アニメの中でも上位に間違いなく入ってくるほど、お気に入りの1作。

SSSS.GRIDMAN

原作を視聴していないと、少し物語を咀嚼するのに難しさがあったのかなと未視聴の方の感想を読んでいて思いました。
その感想に非常に納得出来る部分が多かったので、僕の評価もやや下方修正しちゃいましたが。
それでも年間TOP10には食い込んでくるほど良かったのは確かです。

例え怪獣から生み出された「作られた存在」であっても、生きてきた中で培った記憶と気持ちは本物なんだよってことなのかな。
だから六花は揺らがなかった。
少し真似できそうもない強さではありますし、それほどの関係をアカネと築けていたと確証を持っては言えないのも確か。
作中の描写だけでは不十分にも思えますけれど、大して仲が良い訳でも無かったクラスメイトの「死」に感情的になれるくらいには六花は優しい子なのでしょう。
自分の事はさておいて「幼馴染を救いたい」という衝動に駆られるのも彼女らしいと言えば、彼女らしい気がします。
うん。お前唐突に何を語ってんだって感じですよね。

閑話休題。
ひたすらにグリッドマンの戦闘シーンが格好良かった。
もうこれだけで涙ちょちょ切れるほど感動しちゃいました。

こみっくがーるず

美少女萌えコメディとしては、ただ単に「萌えた～」って感想だけに留まらない非常に高いドラマ性を孕んでいました。
正直「けいおん!」以来かもしれない、こんなにこのジャンルの作品でドラマに感銘を受けたのは。
1話完結の日常萌えコメディをこなしつつも、しっかりと4人の若き漫画家の物語をも描き切っていた。
原作未読ですので、どこまで原作準拠なのかは分かりませんが、凄く綺麗に纏まっていたし、ちゃんと終われていた。
キャラもメッチャ可愛くて、特に小夢が好きでしたね。
ちょいぽちゃ百合ッ子、メッチャ可愛い。（声が本渡さんなのも高ポイントの理由）
2期期待したいな。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

咲太役の石川さんの演技が抜群に良かった。
女の子達の思春期特有の悩みを克明にしつつ、彼女たちのドラマを濃厚に描きだす作品なので、「美少女萌え～」的な方向性である事は間違いない。
けど、それは咲太が輝いてこそなんですよね。
ヒーローになれない普通の男子高校生の咲太が東奔西走するのが醍醐味なんだけれど、その良さを殺すどころかほぼ理想的な形で表現して下さっていたから、ヒロイン達もより輝いていた。
アニメ界最高のブタ野郎の称号を進呈したいです。

シナリオも良かった。
ちゃんとヒロインの魅力を深掘り出来るように原作を圧縮してあって、とっても満足感が高かったです。

ヒナまつり

ヤクザが悪役以外で出てくるのが苦手になりました。
なんで反社会的勢力の方々を良い奴風味に取り上げるのか理解できなくなってきて。
だからリアルタイムの時はスルーしてたんですが、見てみたら面白いのなんのって。
抱腹絶倒…まではいかなかったですが、腹が捩れるくらいには笑った。
あとね、アンズが良い子過ぎて泣けてくる。

プラネットウィズ

水上悟志先生の「惑星のさみだれ」が大好きなんですよ。
だから先生のオリジナルプロットのアニメ化だと知って「絶対面白いから、必ず見よう」と堅く誓ったものです。
その期待に多いに応えて下さった傑作SFロボアニメ。
オリジナルならではの「この先どうなっちゃうんだろう」という展開が序盤から畳みかけてきて、見事なまでの大団円を迎えるプロットの凄みよ。
水上先生ならではの壮大なSF絵巻をアニメで堪能できたことが、とっても嬉しい。

三ツ星カラーズ

原作既読のくせに全く期待して無かったんですよ。
小学生女児がわちゃわちゃしてるだけの、本当にそれだけの漫画なので。
個人的には萌えないし、クスリともできない。
けど、ほっこり出来るので読んじゃう。
そういう類の漫画で、アニメになったからどうだっていうんだろう…みたいな。

自分の中のハードルがメッチャ低かったからという訳では断じてないんですが、見てみたらこれがもう面白くて仕方なかった。
萌えれるし、くっそ笑える。
演出も良かったんでしょうけれど、なによりも声優陣が良かった。
ホント、声優さんの力って偉大だわ。

ある意味原作を超えたアニメだったと思います。

りゅうおうのおしごと!

シリーズ構成について色々と考えさせられた作品。
もう１、2話あったら完璧だったとは思うの。
けれどスタッフが魅せたい物語に焦点を絞って、それ以外を削減している意図が見えたので、これはこれでアリだったなと。
というか、毎週毎週楽しくて仕方なかったです。

キャラデザは可愛かったんだけれど、もう少ししらび先生の画風に寄せてくれてたら…。
というのは贅沢すぎますよね。

ルパン三世　PART5

PART4からの「ルパン」は、これまでの全てを正史と見做した世界観で、ルパンは「時代を超えた大泥棒」として捉える事が出来ます。
PART5ではよりその設定を強調していて、今まで着てきた色違いのジャケットをルパンに着せていました。
そうやって下地を作りつつ、物語のテーマに「時代遅れの大泥棒vs最先端テクノロジー」を掲げて、見事なまでに描き切った快作。

個人的お気に入りは第17話「探偵 ジム・バーネット三世の挨拶」。
大倉崇裕先生が脚本を担当された本格推理回。
ルパンの頭の切れと”アニメルパン”らしい人情味を楽しめるお話で、見応えがありました。

終わりに

10本選ぶのがなかなか難儀しました。
原作アニメとオリジナルアニメ、どちらも傑作が多かった印象です。

今年はどんなアニメに出会えるのか。
1本でも多くの作品を視聴して、アニメライフを楽しんで行きます。