この記事は
2018年夏アニメ第1話の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
本当におっさんになると光陰矢のごとしですね。
恒例にしていきたいクール総括。
夏アニメを見終わりましたので、纏めます。
あそびあそばせ
物語性で興味関心を引っ張っていくタイプの作品ではないと、案外簡単に飽きが来ちゃうものです。
ギャグアニメ。「表紙詐欺」という特徴。
笑いのパターン、くせに慣れると笑えなくなるし、声優さんの怪演にも抗体が出来てきます。
しかしながら最後まで笑えて楽しんで視聴出来たのは、笑いに対して常にチャレンジングな姿勢があったからな気がします。
最初の衝撃は、顔芸以外でキャラをぶっ壊しにかかってきた第3話。
いくら変顔が出来るからとはいえ、そこは美少女です。
普通にしてれば美少女。声までくそ可愛い。
最高じゃないですか。
だから、顔芸だけでは、笑いに飽きが来るのは早い。
そこを自らぶっ壊してきたのが、オリヴィアのワキガ。
美少女にあるまじき属性です。
勿論人間は動物。
基本的には臭いんです。
誰だって臭い。
けど、その臭さを忌み嫌って来たのが人間の歴史。
臭いを取るために風呂に入り、臭いを誤魔化すために香水が生まれた。(多分)
故に、臭いというだけで幻滅しちゃいますよね。
仕方ないと分かってはいても、大きなマイナスポイントになっちゃう。
「美少女」というキャラをぶっ壊した、ギャグに突っ走った姿勢。
こういう点が随所に見られたから、最後の最後まで笑えました。
そういえば、ヨーロッパの人って、シャワーは2~3日に1回。それを誤魔化すために香水を日常使用してるんですって。
彼女の両親がどこ出身かは不明ですが、若しかしたら、彼女の家もまたそういうシャワー習慣があるのかもですね。
その上で香水を付けるべきなのかもですが、学校の規則か、はたまた、そこまで洒落っ気が無いのか。
彼女は付けてない。
だから余計ににおってる…。
音楽少女
最後まで視聴しましたが、1話のイメージを覆せなかった。
僕にはやはり合わなかったようです。
ちょいちょい面白いかなという回もありましたが、全体を通してみるとキャラ理解が出来ませんでした。
最終回になってもはなこ以外の名前を覚えられませんでした。
まぁ、これについては僕の視聴態度がいけなかったのでしょう。
最終回については、色々とツッコみたいこともありましたが…。
野暮な事は止します。
京都寺町三条のホームズ
恋に決着着かないんか~い。
期待を寄せていた作品でしたが、アニメとしてもミステリとしても恋愛ドラマとしても「平凡」という感じでした。
なんだか00年代初頭の低予算深夜アニメを見てる気分。
緊迫感・緩急の無い演出。
目立つ作画崩れ。
ミステリとしては、専門知識を有するものか、ライトミステリとも言えないような日常系。
せめて恋愛面でもと思ってましたが、想いを告げる事無く終わり。
石川さんの美声だけが救いでした。
辛辣な感想になってしまいました。すみません。
STEINS;GATE 0
前作はまさにシナリオが神掛かった作品でした。
やや退屈な前半に撒き散らされた伏線を拾い上げ、予想も出来ない方向へと急転舵を取る中盤。
絶望の中に絶望を見出し、もがけばもがくほど悪化する事態。
ここで投げ出すのは簡単であるが、一縷の望みを探し出し、グッと引き寄せる圧倒的な逆転劇を可能とした終盤。
ただのハッピーエンドに終わらない至極の結末。
話数が進めば進むほど愛おしくなるキャラクター達の魅力にも惹きこまれ、かじりついて視聴した2クール(と映画)でした。
今作は、そんな神作と比較してしまうと、どうしても見劣りする作品。
蛇足という言葉で評価されても致し方ないのかなという部分は合ったように思います。
しかし、キャラ愛に溢れた蛇足。
「2人のヒロイン、それぞれが恵まれる終わりが欲しい。その為の世界線でしょ」って派には、万感胸に迫る作品になったはずです。
まゆりエンドの為の作品。
最終回最終カットまでそのことに気づかなかった愚かな僕w
光の中現れた凶真(岡部倫太郎では無い)の姿には流石に涙腺に来ました。
纏め方や終盤の展開が良かったので、評価としては良い方なのですが、ただ2クールはやや冗長感ありました。
倫太郎の絶望や葛藤に比重を置くほど、まゆりの行動原理やラストの感動に繋がるのは分かるのですが、もう少しコンパクトにして欲しかったかな。
とはいえ1クールじゃちと物足りなさを覚えそうですので、現行の放送フォーマットでは如何ともし難いですが。
少女☆歌劇 レヴュースタァライト
幾原監督の演出は、とても難解です。
意図の読み難い演出なので、人を選びます。
嵌ればとても癖になるし、そうではないとただただ首を傾げるだけで終わってしまう。
古川監督は、幾原フォロワーなのかな。
「ピンドラ」(各話演出)や「ユリ熊嵐」(副監督)でご一緒されてますし、今作の全体的な演出・絵作りがそうとしか言えない感じでしたから。
さて、僕は「ピンドラ」に嵌って、「ユリ熊嵐」に嵌れなかったクチ。
では、今作は…。
どっちかというと嵌れなかった方かな。
9人の少女達の成長する様子はしっかりと伝わって来たし、彼女達のドラマも分かり易かった。
この辺りは「分かり易さ」を優先して作られていたように思います。
それでも、最も肝要な「レビューでは何故戦ってるのか」が理解出来ませんでした。
「いや、それ位分かれよw」
「本当に見てたの?」
と誹られても仕方ないことですけれど、僕の悪い頭では理解出来ませんでした。
戦闘シーンは迫力もアリ、今作の長所でもある「綺麗な作画」が存分に活かされてはいました。
それでも根底にある疑問が残ったままだったので、肯定的な目で見られなかったのです。
もしも「演技勝負という点数化が難しい争いに分かりやすい勝ち負けのシステムを導入したかった」のならば、それは逃げではないでしょうか。
確かに演技にシロクロ付けるのは難しいです。
素人とプロの勝負じゃないんですから、しっかりとレッスンを積んだ者同士の拮抗した演技力に差をつけて、(視聴者もキャラ達も)納得出来る判定を下す事は容易じゃありません。
しかし、「舞台少女の物語」を標榜する以上は、そこにしっかりと納得感を持った判定法を導入すべきだったのでは?
確かに戦えば、舞台映えはするでしょう。
分かりやすくもある。
作品の個性も出せます。
メリットは分かるけども、何故が頭から離れませんでした。
ここは暈さずにしっかりと明瞭な説明がほしかったですね。
はねバド!
主人公の綾乃を理解出来るかどうかがこの作品の評価の分かれ道の1つになると思います。
原作では、僕は途中から全く理解出来なくなり離脱。
闇が深すぎて不気味で何を考えているのか分からない女の子という印象が強すぎました。
一応コミックスを追ってるような状態です。
この辺アニメではどう処理されるのかなという目線で視聴してきました。
キャラの立ち位置やストーリーまでアニメ用に再構築して、綾乃となぎさの対比色を強めていました。
結果として、(やや)分かりやすく纏まっていたような気がします。
自信が無いので、言い切れないんですけどね。
ま、なぎさの方が分かりやすいですよね。
強さを求めて暴走して、仲間に正されて会心。成長してライバルを討ち果たす。
王道熱血スポ根主人公を地で行くキャラです。
対して綾乃は、母親に捨てられて闇落ちするのは理解出来るんですが、周囲に対する態度が傲慢すぎて…。
性格は初期から変わってないとのことですが、やはり変わって見えちゃいますね。
「何を考えているか分からない」状態は上手く避けていたような気がするので、その分噛み砕いて描写されていたのかもです。
(調べたところ、綾乃の内面描写については原作を分かりやすく整理・再構成されていたとのこと。)
試合シーンにスタッフの並々ならぬ熱意が込められていて惹かれた一方、デフォルト時と試合時のキャラデザインに差がありすぎて「もう少しギャップを埋められなかったかな」という疑問も。
原作4巻以降のデザインを基本線にデフォ状態も作られていたら、それ程違和を覚えなかったかもです。
はるかなレシーブ
2人っきりの競技だから、パートナー選びは何よりも大切である。
最終回で遥が最後のナレーションで伝えるほど大事な点だったのだと捉えます。
すると、なるほど、エクレアペアとの決勝戦での締めは納得ですね。
作中で最高のコンビっていうと、僕はエクレアペアだったと思うのですね。
互いの考えてる事まで分かるとまで言われる双子。
トーマス姉妹がそういう第六感的な能力を持ち合わせてるという言及はありませんが、仲の良さから見るにそれに近いものがあるんだと想像します。
幼少時からコンビを組んで、ビーチバレーに打ち込んできたという経験もそこに加わるのでしょう。
試合中には、常に姉(妹)の考えを読んで、フォローし合える仲。
ビーチバレーの実力的にも全国2位という折り紙つき。
相性から言っても、実績・実力からしても、最高のペア。
そんな2人を破ったのですから、遥とかなたのペアがお互いにとって「掛け替えのないパートナー」である証左になったんじゃないでしょうか。
なったんだと僕は感じたのです。
試合のシーンもしっかりと気合が入っていて、アニメーションとしても面白かったですし、着地点が綺麗だった為シナリオの印象も良かったです。
プラネットウィズ
流石の水上先生。
1話の段階では想像すらさせなかった、これ以上無い綺麗な大団円に見事に着地させる手腕は本当に流石です。
竜と竜造寺隆の関係性を明言を避けつつも、しっかりと理解させる展開。(声で気付いたというのは無しで)
精神感応攻撃(?)がキャラの掘り下げになっているというギミック。
入り乱れた敵・味方の関係図を1つに纏める構成。
可愛すぎる銀子の存在にゃー(=^ω^=)
全てが最高。
間違いなく夏アニメNo.1。
僕のヒーローアカデミア SEASON3
日テレ系列に移動して2年目となる「ヒロアカ」。
今回は合宿でのヴィラン強襲編から始まり死穢八斎會編の直前までを映像化。
相変わらずのクオリティ。
作画・演出・脚本全てにおいて抜かりなしの面白さ。
ジャンプアニメでは、「銀魂」・「ハイキュー!!」と今作がクオリティ面では1つも2つも抜きん出てるなぁ。
2クール放送⇒半年休んだ後に⇒2クール放送というサイクルも良い感じに嵌ってる気がする。
ただそろそろ原作に追いつきつつあるので、4th後半は長めのアニオリが欲しいかな。
劇場版のあのレベルのシナリオを作れるんだから、きっとこのスタッフなら可能なはず。
さて、恐らく来年4月から始まる第4期。
シリーズ史上最大の激戦「死穢八斎會編」がどう映像化されるのか。
期待の更に向こうを行くだろうバトルシーンにワクワクしておきます。
ゆらぎ荘の幽奈さん
1話の印象こそそこまででは無かったですが、安定の頭空っぽにして見れるアニメは貴重ですね。
全体的に作画が安定してませんでしたが、僕は竹谷今日子さんのキャラデザ好きでした。
千紗希の可愛さが圧倒的でしたね。
ところで最終回。
「狭霧がお盆で帰省する」⇒(原作では)偶々誅魔の里でバイトしてたコガラシと雲雀(狭霧の従姉妹)と出会う⇒なんやかんやで雲雀がゆらぎ荘へ
という流れなので、「これは雲雀ワンチャンあるんじゃ!?」「一言くらい台詞こい!!」って願いながら視聴。
結果⇒狭霧「コガラシがたまたまバイトに来ててうんぬん」。以上。
ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
雲雀に出番を!!
雲雀をアニメに出したげて~~~。
ルパン三世 PART5
4期もそうでしたが、過去の全てのシリーズを「歴史」とした世界観がたまらなく好きなのですが、5期ではそれを逆手に取ったテーマが抜群に輝いてました。
「SNSの発達した現代に於いて、”過去の”大泥棒が通じるのか否か」。
年齢とかそういうちっぽけな概念に囚われちゃいけません。
そういうのを無視すれば、ルパンは47年間も泥棒を続けている事になります。
作中の年代が現実とリンクしてる訳ではありませんが、1971年に放送された第1期は、1971年当時のテクノロジーを相手取っていた訳です。
あの時は、通じていたルパンの盗みの技術。
しかし、セキュリティは機密になり、防護システムは堅牢に、SNSが「監視カメラ」となった現代で、彼らの技術は通用するのだろうか。
EPIDODE1から徐々に核心に踏み込んできたこのテーマは、遂にEPIDODE4で最強の敵として立ちはだかりました。
アミがこの最後の章でルパンに加担できない状況に置かれたのは、あくまでもルパン一味だけの力で、このテーマを打ち破る様を見せたかったからなのでしょう。
ヒトログに匹敵するシステムを構築した訳ではない。
エンゾ・ブロン率いる「SHAKEHANZ」を超越するテクノロジーを用いた訳でもない。
これまで通りのやり方と古い仲間たちの力で以て、見事に破ってみせた。
昭和の頃から泥棒をしているという暗黙の設定が活きているからこそのテーマの昇華。
あまりにも見事過ぎて、ついつい次のシリーズに期待しちゃいます。
終わりに
良かったものと合わなかったものの差が激しいクールだった気がします。
兎も角「プラネットウィズ」が最高でしたね。