2021年春アニメ総括

この記事は

2021年視聴した春アニメの総括です。
ネタバレあります。

はじめに

毎度毎度遅れ気味で、今回も夏アニメがぼちぼちで始まっている中、ようやく春アニメの視聴を終えました。
今回も僕が視聴したアニメの総括をさせてもらいます。

イジらないで、長瀞さん

1話の感想の時に、同じことの繰り返しなので原作の購読を止めたと書きました。
もう少し具体的に理由を言えば、「両片思い」だったからです。
元々1話完結の漫画だけれど、キャラクターの関係性が硬直してしまって、物語の新鮮味がどんどんと薄れていっちゃうんですよね。
つまらなくなったわけでも無いんだけれど、ふと買わなくなったら、そのままって感じでフェードアウトした次第。
だけれど、アニメ見てたら再び購入したくなってきた。

声優さんの嵌り具合も作画もシナリオも演出も最後まで高水準をキープしていて、思っていた以上に楽しめました。

長瀞とヨッシー可愛かったなぁ。

86ーエイティシックスー

分割2クールの1期目。
通常なら2クール目を視聴終えてから感想を書くところなのですけれど、一先ず書きます。

キャラの感情に無理がある。
人として扱われなくなった86の子供達。
死が定められた中で、遊んで、笑って、恋をして。
そして、死にたくないと泣きながら逝く。

どんな精神状態であれば、こんなことになるのか…。
死が目の前にあるからこそ、今を精一杯全力で謳歌する。
けれど、実際に死ぬとなると怖くなる。
そういうものでしょと言われれば、そんな状況になったことのない自分からすれば「そういうものなのかも」とある程度の納得はあるのですけれど。
仲間が毎日のように死んでいく戦地で、このような心境になるのかな?
明るく振舞うなんて、どうしても出来っこないと思えちゃいました。

原作では、恐らくこの辺の心理描写があるんじゃないかな?
分からんけれど。
心理描写のカットは、ラノベからアニメになる際の弊害というか課題だよなぁ。

物語も一向に進んだ気配が無く、ラストではシンまで首を刎ねられたかのような描写で終幕。
流石に主人公(だよね?)は死なないと思ってるけれど、ちょっと続きを見てみようとは思えない終わり方でした。

幼なじみが絶対に負けないラブコメ

原作8巻あとがきによれば

「原作は二子玉川辺りをイメージして書いてたけれど、アニメスタッフ側から作画負担軽減のために埼玉県飯能市を舞台としていいか打診され、ラブコメアニメは作画が命なので、作画が少しでも良くなるのではと思い了承した」

とありました。
作者さんの想いが見事打ち砕かれた感じ。

どうした動画工房と言いたくなるくらい、このスタジオにしては、やたらと作画が悪かった。
考えたくないけれど、今作は代替え企画だったのかな?
本命としていた作品がポシャって、急遽今作のアニメ化が決まり、スタッフスライドで製作が始まったけれど時間が圧倒的に足りませんでした的な。
そういうの実際にあるって「妹さえ」で言ってた。

邪推は良くないね。

ただ、本当に作画が酷かった。
丸ちゃんダンスとか唖然としました。
あれの何が格好良いのか、全く理解が出来なかった。

脚本にしても、今作はアニメ向きでは無いなと痛感した。
キャラそれぞれの心理描写がしっかりとあってこその物語であって、上辺だけを汲み取っただけでは、あまりにも突拍子もない物語に映ってしまった。
ヒロインの行動が飛び道具過ぎて、何故そうしたんだと理解が及ばない作劇になってしまっていた。

救いは水瀬さんの演技。黒羽の声は、彼女の演じてきたキャラクターの中でもトップクラスに好きになれました。
あと、紫苑ちゃん最高だった。原作からアホの子で好きだけれど、アニメも最高でした。

スーパーカブ

第1話視聴時の時点では今期No.1だったんだけれど。
細かな芝居でのめり込んだものの、慣れてしまうと、本当に何もないシナリオになるんだよね。
ただそれ以上にきつかったのが、小熊のことがちっとも好きになれなかった点。

何を考えているのか分からないというか、理解できないというか。
あまりにも感情の起伏が少なくて、面白味が無い子にしか映りませんでした。
スーパーカブに造詣があれば、あるいはもっと彼女に寄り添って見れたのかもですけれど。

それでも最終回の女子3人旅は、情緒があって楽しかった。
1話と最終回が良くて、他がいまいち。
総じて普通というところに落ち着いてしまいました。

戦闘員、派遣します!

悪行がみみっちいんだよね。
小学生レベルのいたずらをして、悪行ポイントが加算されましたってなるから、ゲス度が足りない。
圧倒的に足りなさすぎる。

キャラの面白さ・笑いをそこに求めているくせに、ゲスっぽさをあまり感じないから笑えない。

個人的には「このすば」には遠く及ばない作品でした。

SSSS.DYNAZENON

「グリッドマン」とは異なり、ギャグにテイストを振ったからなのかな。
どこか静謐さを感じる空気感の中に、確かな笑いがあって、個人的には「グリッドマン」以上に嵌ってしまった。
キャラ1人1人の物語としては、全作の方が丁寧に掬い上げられていて、その点は及ばなかったけれども、キャラの好感度は断然こっちの方が上。
ガウマさん筆頭にダイナゼノンメンバー全員好きになった。

特にガウマさん。
第一印象のガサツさを裏切って、情に厚く仲間想いで、礼節も弁えた面白いキャラだった。

ユニバース第3弾で「グリッドマン」との共演が見られるっぽいので、楽しみに待ちたいと思います。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

沙優の物語って、どちからといえばリアリティ寄りなんですよね。
娘に愛情を持たない母親。
唯一の親友は、自分と友達になったせいで苛めの対象となり、耐えられなくなって彼女の目の前で自殺。
あまりにも酷い母からの言葉で心が折れ、あてどなく家を出て、男の家を体を売りつつ転々と渡り歩く。

現実であってもおかしくない物語なんです。
唯一、体を捧げた男達が、全員それだけで満足していた点。
もっと悲惨な目に遭っている方があり得そうなので、この辺だけはフィクションと言えなくもない。

そんなノンフィクション的な物語に、吉田という一滴のフィクションを混ぜ込んだ物語が本作であると認識しています。

そう考えると、「フィクション」(吉田)が唯一付き合ったことのある先輩が、アニメから存在そのものを消されたのも止む無しかもしれないw
非現実世界の住人である吉田が女の味を知っているという設定なんて不要という意味でw
(あの先輩は、居ても居なくても沙優の物語に微塵も影響ないからというのが、アニメに出てこなかった本当の理由なんだろうけれど)

蒼先輩(吉田の元カノ)が出てこなかった本当の理由は知りませんけれど、出てこなかったことで、僕の考える今作の構造がより鮮明になったような気がしました。
吉田がどういう人間なのか敢えて描写を省くことで、沙優の再生の物語がよりフューチャーされていたというか。
しっかりと原作最終回まで描いていた点含めて、満足度は高めでした。

美少年探偵団

西尾先生とシャフトの組み合わせで、本来なら食傷気味なんだけれど、見始めちゃうとやっぱり面白いから悔しい。
期待していた方向性のミステリでは無かったのだけれども、それでもしっかりと提示される謎には毎回興味を惹かれ、気づいたら最後まで見てしまいました。

個人的ベストは「屋根裏の美少年」。
前編のコミカルな2Dキャラを使った推理シーンとか絵的にも趣向が凝らしてあって、見ているだけで楽しかったし、謎自体も徐々に壮大になっていって、それに見合った解決編だったので、アニメとしてもミステリとしても楽しかった。

続きがあるような終わり方でしたが、2期始まったらまた視聴したいです。

憂国のモリアーティ(第2クール)

おぉ綺麗に締めた。
素晴らしい~!!!!!!
作画が高クオリティで、キャストもピッタリ。
なにより物語が最高だった。

原典の「シャーロック・ホームズ」の本歌取りをしつつ、「悪を演じた憂国の紳士」の物語を描き切った腕前は凄すぎるの一言。
こういった作品は、ややもすれば本来の主人公(ホームズ)を下げてしまうのですけれど、しっかりとホームズを道化とせず名探偵のまま活かし切っていたところが最高でした。
「007」や切り裂きジャックを絡めるなど遊び心も満載で、滅茶苦茶面白かった。

原作はまだまだ続いているので、時が満ちた時に続きを見たいな。

ワンダーエッグ・プライオリティ

冬アニメだけれど、最終回となる特別編がこのほど放送されたので、感想を書きます。

11話までの壮大な前振りを思えば、最終回はあまりにも拍子抜けだった。
謎を謎のまま放置し、終わったような・何一つ終わってないようなもやもや感を残した中での終わり。
作中で一から百まで語ることを敢えてせずに、視聴者に行間を読ませて、想像させるという手法で、これはこれで作劇としてはメジャーなのだけれど…。
もやもや感は残るよね。
2周目、3周目と繰り返し、しっかりと視聴すれば、見える景色がガラッと変わるのだろうけれどね。

しっかりと締めてくれる作品の方が好みなので、終わり方は非常に残念でした。

ワンダーエッグ・プライオリティ特別編 感想・考察・解説!小糸はパラレルワールドの人物?【ワンエグ】

twitterでも呟きましたが、ここにも載っけておきます。
「そういうことだったのかぁ」と何から何までしっくりと来た考察記事です。

終わりに

「SSSS.DYNAZENON」を筆頭に楽しめたクールでした。
夏は期待作がいくつかあるので、今から楽しみです。

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