「悪役王子は恋ができない」 第1巻感想

この記事は

「悪役王子は恋ができない」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

完全に表紙買いでした。
5月下旬は、表紙買いばかりしちゃったんですよね。
「お従兄さんの引越しの片づけが進まない」(感想:5月31日更新済み)、「椿様は咲き誇れない」(感想:6月8日更新予定)に続いて、今作。
運が良い事に外れを引いてません!!
これはラッキーです!!

では、簡単に感想を書いていきます。
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こんなラブコメだよ

今作は、ラブコメディです。
家が大富豪で、それなりに顔が良く、頭も切れる帝が主人公。
高級車で登校し、女子生徒はおろか女教師にまでキザなセリフを吐く高校1年生。
周りの人間をモブと見下し、自分は主人公だと豪語します。

そんな彼が目を付けているのが、「メインヒロイン級女子高生」若菜。
元子役で母は有名女優。
美しい容姿にクールな性格で周囲の生徒からも一目置かれている美少女。
帝は若菜を呼び出して、告白をしますが…。

ラブコメの面白さの要因は、軽妙な台詞まわし、喜劇的なシチュエーション、そして主人公・ヒロインのキャラクター性でしょうか。
今作は、1巻を読んだ印象では、主人公、ヒロインのキャラ性で読ませていく作品に思えました。

若菜はクール系ヒロインじゃない

先ずはヒロイン若菜を見てみます。
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一見クールな振る舞いを見せる若菜ですが、実像はクールさとはかけ離れた性格をしています。
子供の頃から芸能界に居たからなのか、友達が少ない感じの彼女。
幼馴染のロリッ娘先輩と純朴な同級生男子以外に友達がいません。(多分)

友達が欲しいのでしょう。
告白してきた男子にまで「友達になりましょう」と言っちゃいます。
若菜は純真に友達が欲しいからの言葉なのですが、男子側としたら振られちゃったと感じますよね。
定番のお断りセリフなので。
泣いて走り去るのですが、若菜は男子の気持ちに気付きません。
「お友達になりたかったのに、逃げられちゃった」と気落ちします。

基本口下手な彼女は、言葉が足りない。
その上、天然です。
悲しいかな。天然に中途半端な愛の告白は届きませんw

それは帝相手でも同じで。
どういう訳か若菜は、帝が自分の幼馴染と友達になりたくて、自分に声をかけて来たと解釈。
2人の中を取り持とうとします。
帝としてはまさにどうしてこうなった状態。

それでもめげない帝は、若菜の勘違いを逆手にとって、彼女に近づこうとしますが…。
更に帝を驚かす一面を若菜は見せます。

少しずつ若菜の本当の姿が明かされていくので、読み進めるごとに彼女のことを気に入っていけると思います。
まだまだ秘密のベールに隠されている感じもあり、2巻以降も更に魅力的に映る可能性があります。
ヒロイン良いです!!

帝はキザ男子じゃない

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男目線のラブコメですので、読者としては帝に感情移入して見ていく形になります。
だけれど彼の第一印象は決して良くありません。

彼女はいないけれど、イケメン、金持ち、キザ。
とてもじゃないけれど彼を気にいるには難しい個性が並びます。
その上、他の人間をモブと下に見ている。

1話の序盤、数ページ読めば、それは「無理をしているキャラクター性」だということは分かります。
本音では自分の言動を恥ずかしがっている少年。
中学時代は冴えない容姿のガリ勉少年だと描かれているんです。

でもまだまだ足りません。
好感度が足らない。
この程度のフォローでは、他者をモブだと嘲るマイナス面を補えてません。

結論から言うと、しっかりとマイナス面が補えてました。
この漫画のセリフを借りるのであれば、帝の父親と2人の兄貴が「圧倒的主人公」だった。

経済界はおろか、政界にまで顔を利かせる厳格な父。
父の後を継ぐ長兄は、26歳という若さで副社長に納まる器。
次兄は大学生(東大医学部)ながら数々の革新的な手術法を開発する天才。

帝だって決して他者と比べて劣っている訳ではありません。
学業では優秀な成績を収めてますし、私生活に於いても父の教えを守っている。
だが、父が、兄達が優秀すぎただけ。
あからさまな態度で彼は身内から見下されています。
愚弟なんて呼ばれ方普通されませんよ。

若菜の趣味を理解しようと、とあるモノ(僕らが大好きな本だよ。ネタバレになるから伏せるね)をスマホで買ったら、あっという間にばれて罵られる。
嘲られる。

同情しちゃう。
血の繋がった肉親がこんなんじゃ多少考えが捻くれてても理解出来ちゃう。
自分自身がモブ扱いされてきた反動が出ても仕方ないのかなと。

1巻読み終わった時点で、彼に感情移入できました。
ともかくモブで終わりたくないのでしょう。
主人公に強い憧れを抱いている。
そういう願望を強く抱くドラマをシリアスに描いています。

シリアスに主人公への憧れを持つのに、彼は悪役と見做されてしまいます。
そのギャップがコメディとして際立っていました。

終わりに

兄達に婚約者がいるように、帝にもいるようです。
父が勝手に決めた婚約者。
一体どのような女性なのでしょうか。

1巻ラストに出て来た女性なのか?

そこに若菜はどう絡んでくるのか。
そもそも帝は天然若菜を落とせるのか!?

2巻も買い続けていきます。

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