【名探偵コナン】安室透がウケた訳を担当声優から迫ってみる

「ゼロの日常」が爆売れしてる

最早本家「コナン」を凌ぐ勢いなんじゃなかろうか…。
それはそれで複雑なのですが、「ゼロの日常」の発行部数が60万部を超えたそうです。
スピンオフとしては異例の売れ行きですね。

僕は当初安室人気は赤井ありきだと思い込んでおりました。
赤井の人気が先行していて、そのカップリング相手(?)として安室がおり、転じて、2人1組のような感じで人気があるのかなと。
ようは、安室単体ではそこまでの人気は無いという認識でした。

が、「ゼロの執行人」で僕のこの考えは間違いであると気付かされたのです。
今「コナン」でキャラ人気投票行ったら、ぶっちぎりで1位取るんじゃないかな。
全”アニメ”での人気投票でもトップ争いしそうな勢いを感じます。

彼が何故そこまで受けたのだろうか。
理由は様々でしょうけれど、1つ確実にあるのはアニメ効果ですね。
そう。
声優・古谷徹さんの力があるでしょう。

声って男女問わず「好きになる」のに重要な要素ですからね。
男の僕の場合、声が可愛いだけで、キャラを好きになる事もありますし、それは女性にとっても同じなのでしょう。
イケボならば、耳が幸せになるはずです。

そこで、古谷さんに焦点を当てて、安室人気を考えてみます。
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当たり役の良し悪し

当たり役、代表作、はまり役。
言い方は色々ですが、役者ならば誰しもがそういう役に巡り合うことを渇望していると思うのです。

良い面がいっぱいあるからですね。
やはり大きいのは、演技力が認められたということでしょうか。
拙い演技だと「キャラクター」ではなく「役者本人」として見られてしまいます。
「役になりきる」ということが不十分として捉えられてしまい、視聴者が作品の世界観に没入できない原因の1つになってしまいます。
反面演技が達者だと、「役者の顔」が見えないんですよ。
視聴者はちゃんとキャラクターを認識し、”キャラクターを見る”ことが出来ます。
故に、はまり役、当たり役という言葉が自然と使われるのでしょう。

けれど、役者にとっては良い面ばかりでもないのが当たり役なのです。
イメージが定着してしまうというのは、役者にとっては良し悪しですね。
様々なキャラクターを演じ分ける役者にとって、どの役をしても「当たり役のキャラ」のイメージを持たれてしまうことはマイナスでしかありません。
これを嫌って当たり役を降板する役者さんもいます。

例を挙げれば「相棒」亀山薫役を長年演じられた寺脇康文さん。
「相棒」の相棒降板に関しては、毎回必ず「水谷さんに嫌われた」説が流れて、本当にうんざりします。
寺脇さんの件も、さも事実かのように週刊誌のウラも取れてないような記事を真にうけたまとめ記事がトップに表示されて、溜息が出ますが…。
それはそれとして、寺脇さんの降板理由には「亀山薫のイメージの定着を拭う為」というのがありました。
降板までする要因として挙げるほど、役者にとって当たり役が必ずしも良い面ばかりではないという証左になっているんじゃないでしょうか。

声優さんも同じ役者です。
やはり、当たり役に対する考え方も同様にしてる人がいても不思議じゃありませんし、なにより視聴者がそう認識しています。
声の演技だけでも、当たり役がある声優さんだと、そのキャラを常に意識しちゃう事ってありますよね。
僕個人の認識という訳では無く、広く一般的な考えであると思っています。

古谷さんの当たり役

さて、大御所である古谷さん。
当然多くの当たり役がありました。

僕が当たり役だと思っている役を挙げてみましょう。

先ずは1968年「巨人の星」の星飛雄馬。
当時中学生だった古谷さん、2本目の主演作。
作品自体が超が付くメジャーどころということもあって、古谷さんの代表作の中でも筆頭格でありますね。

続いて1979年「機動戦士ガンダム」アムロ・レイ。
本放送当時は、多分誰もが古谷さんの代表作になるとは思ってなかったでしょう。
今では信じられませんが、人気低迷で打ち切られた番組ですからね。
放送終了後火が着き、再放送でいっきに国民的番組に。
アムロ・レイといえば古谷さんという感じで、代表作になりました。

1986年は「ジャンプ」作品で代表作を連発。
「聖闘士星矢」のペガサス星矢。
「DRAGON BALL」シリーズのヤムチャ。
1992年には「美少女戦士セーラームーン」シリーズのタキシード仮面を好演。
この辺りになると、ようやく僕も生まれてアニメを見始めていましたので、古谷さんの持ちキャラというと、この3つのイメージが強いです。
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以降、個人的な当たり役というとありません。
この辺、人によって変わってくるはずです。
自分が好きな作品の好きなキャラに古谷さんが声を当てていたら、それはもうその人にとって「古谷さんの当たり役」ですから。
昭和の頃だって、出演作はごまんとあります。
当たり役の定義は人それぞれ。

という訳で、以降、この記事では上記5つを古谷さんの当たり役という認識で進めさせて頂くことをご了承下さい。

当たり役から離れていた時代。

1996年に「ドラゴンボールZ」が、翌97年に「美少女戦士セーラームーン セーラースターズ」が次々に終了。
長年勤めていたキャラから相次いで”卒業”されました。
(「ドラゴンボールGT」には殆ど出番なかったので割愛)

以降、当たり役とは縁が無かった時代が続いていた印象です。
2005年に「闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜」のナレーターで一部ネットで反響がありましたが、僕の記憶の中ではその位でした。

この古谷さんに「当たり役の無かった期間」が、僕は安室がヒットした一因にあると見ているのです。
安室が初登場したのが、2012年9月1日放送の第667話「ウェディングイブ(前編)」。
97年から数えると、間に15年もの長い年月があります。

15年もあれば視聴者が入れ替わるんですよね。
要するに、「古谷さんの声に対するイメージがまっさらな世代」が登場します。
アムロやヤムチャの声を聞く機会はあるでしょうけれど、それ以外の代表作に親しむ機会があまり無かった世代です。

そういう層に対して安室透というキャラクターを古谷さんの声で突きつけたとしましょう。
安室というキャラクターが本来持つ魅力は十分あります。
その下地に、古谷さんの声が・演技力が命を吹き込んだ。
古谷さんの声のイメージが安室透だけになっても不思議じゃありません。
安室の声を聞いても、他のキャラクターの顔がチラつかない。
これは思いのほか大きいですよね。

まとめ的な

劇場版の窓口調査によると、「劇場版コナン」の主だった観客は20代の女性です。
これは以前からずっとそう。
安室ファンの多くもこの世代なのでしょう。

今の20代であれば、「セーラームーン」も幼少期に見てたかどうか曖昧な世代。
見てても、まだ声にまで意識が向かない頃合いかな。
若しかしたら、この世代にとってはタキシード仮面の声は野島健児さんかもしれませんしね。
とすれば、余計に古谷さんの声は安室の声で定着しやすかったのかもしれません。

安室人気の一翼を担う古谷徹さん。
演技力があって、若い世代に声のイメージが付いてなかったこと。
これが良い効果を発揮したのかもなという妄想でした。

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