アニメビジネスの変遷がTVアニメの主流を変えるのではないかという考察

アニメのBDが売れなくなってきた。

アニメのディスクが売れなくなってきました。

www38.atwiki.jp
各年、上位1万本以上作品数

○2016年TVアニメ 上位作品ランキング
(秋) 62,673 ユーリ!!! on ICE (1巻/6巻)
(夏) 52,166 ラブライブ!サンシャイン!! (4巻/7巻)
(秋) 22,003 刀剣乱舞-花丸- (1巻/6巻)
(秋) 11,546 ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 (1巻/5巻)
(秋) 10,818 DRIFTERS
(冬) 10,448 この素晴らしい世界に祝福を!
(夏) 10,033 B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~ (5巻/6巻)
(春) 10,024 Re:ゼロから始める異世界生活 (7巻/9巻)

○2011年TVアニメ 上位作品ランキング
(冬) 71,056 魔法少女まどか☆マギカ
(秋) 52,133 Fate/Zero
(春) 44,544 ウサビッチ シーズン4
(冬) 33,813 IS<インフィニット・ストラトス>
(春) 31,524 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
(秋) 31,019 Persona 4 the ANIMATION
(春) 30,347 TIGER & BUNNY
(秋) 21,814 境界線上のホライゾン
(夏) 17,868 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%
(春) 16,151 Steins;Gate
(秋) 12,611 WORKING’!!
(春) 12,575 銀魂’
(春) 12,477 青の祓魔師
(秋) 11,111 僕は友達が少ない
(春) 10,923 ファイアボール チャーミング
(夏) 10,223 夏目友人帳 参

○2009年TVアニメ 上位作品ランキング
(夏) 78,671 化物語
(春) 43,883 けいおん!
(秋) 24,495 とある科学の超電磁砲
(春) 19,602 涼宮ハルヒの憂鬱(新アニメーション)
(春) 12,721 銀魂 シーズン其ノ四
(春) 12,326 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
(秋) 12,152 DARKER THAN BLACK 流星の双子
(春) 10,338 クイーンズブレイド 流浪の戦士
(冬) 10,316 続 夏目友人帳

○2006年TVアニメ 上位作品ランキング
(冬) 100,458 The World of GOLDEN EGGS SEASON 2
(秋) *61,633 ウサビッチ
(秋) *45,367 コードギアス 反逆のルルーシュ
(春) *42,525 涼宮ハルヒの憂鬱
(冬) *26,047 Fate/stay night
(秋) *18,170 Kanon
(春) *15,448 銀魂
(秋) *15,021 DEATH NOTE

こうやって数年おきに上位タイトルだけに絞ってみると、然程落ちてない様に見受けられますが、全体でみると売れなくなってきているようです。
yusaani.com

●ジャンル別に見ると「アニメ」は前年同期比で89.3%となる345.4億円とやや低迷。
『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』や『ベイマックス』といったヒット作を擁したが、前年上半期の『風立ちぬ』や『機動戦士ガンダムUC』と、ブランド力と作品力が際立つ作品が揃った前年実績に追いつくことは難しかったとみられる。

背景には、動画配信の躍進があるのでしょう。

例えばNTTドコモが展開している「dアニメストア」は、月額400円という小学生でもなんとかなりそうな低料金で、約1900作品を見放題です。
月額制とはいえ、手元にBDを置いておくのとさしたる差は無く、好きなアニメを好きな時に見れる為、BDを買う必要性が無くなる訳です。

そこで、最近はディスクの売上で制作費をペイする方式から、海外配信で稼ぐ方法にシフトしていると聞きました。
フジテレビ清水氏「アニメ暗殺教室は、中国を中心とする海外配信のみでほぼ制作費回収ができた」 | やらおん!

「シフトしている」と書くと語弊がありそうですが、そういう作品が増えつつあるっぽい現状は見えてきます。

海外市場をも見込んだアニメ作りが見込まれる。
すると、アニメ本編だけでは回収せずに、大きなプロジェクトを立てた方がより儲かりやすい気がするのですね。

そこで、声優さんの出番ですよ。

声優さんの顔出しが増えてきた。

00年代に入ったあたりから、声優さんの顔出しが増えてきました。
中にはドル売りに近い出し方をされている方も。

平野綾さんとか水樹奈々さんとかが00年代では「走り」になるのかな。

90年代以前も声優さんによる顔出し仕事はありましたが、より多くなったんですよね。

主な仕事としては、舞台に立たせてイベント稼働させている。
アニメの主題歌も声優さん達で回して、ライブイベントを開催する。

ただこれは、アニメの放送期間終了で、ほぼほぼ終わってしまうんです。
開催できるイベントも限りがある。

例えば、「けいおん!」は続けたかったコンテンツだったと思うのですよね。
アニメ本編のディスクが売れて、原作が売れて、声優さん達によるユニット「放課後ティータイム」の顔出し仕事も盛況。
2回に亘って行われたライブイベントも大好評。
ただ、コンテンツのコアである原作の終了と共に、終わらざるを得なくなった。

ということで、終わらないコンテンツビジネスの模索に入る。
そのハシリが「THE IDOLM@STER」。
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ゲームを基盤に置くこのコンテンツは、「終わらないコンテンツ」になっています。
終わらないと言っても、声優さんは人間なので歳を取ります。
いつまでも続けられる訳ではありません。
歌に踊りに大変でしょうからね。
この声優さん達の年齢問題さえもクリアしている。
「シンデレラガールズ」や「ミリオンライブ」などで若手にシフトしつつも、765プロメンバーも現役バリバリで活躍しています。

ゲームで新作を出し続ける限りは、終わる事の無いビジネスモデルで、これが今後のアニメ業界のメインになってくるんじゃないかなと。

「ラブライブ!」や「BanG Dream!」が続く

この流れにまず「ラブライブ!」シリーズが続きました。
「ラブライブ!」の特徴は、声優さんを最前面に立たせたことでしょうか。
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声優さんによる歌と踊りのライブが前提としてあり、リアルと二次元両方で同時展開。
CDにアニメ版プロモを付けて、声優さんに同じダンスを覚えて貰ってライブで集客する。

声優さんの年齢問題も、スッパリと次世代である「サンシャイン!!」に切り替える事で解決。
μ’sでまだまだ稼げそうなくらい勢いがあったのに、ここはスッパリと終わらせてきたのは意外でした。
アニメは、この流れの延長線上にあるだけで、アニメの終了関係なく続けられるコンテンツになっています。
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そっくりそのままを「アイドル」から「バンド形式」にしたのが「BanG Dream!」。
「けいおん!」の発展系モデルとも言えそうです。

ユニット「Poppin’Party」を結成。
実際に声優さんが楽器演奏をするという物凄くレベルの高いことに挑戦し、唖然とするくらいの高レベルの演奏を披露してくれています。
ここ2週に亘ってライブ映像がテレビで流れてましたが、ビックリしました。
本当に演奏しているのかと訝しんだ位。
凄いなと本当に想います。
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この度、アニメが始まりますが、これまたアニメの終了関係無しにコンテンツは続いていくのでしょう。

ゲームアプリのアニメ化

終わらないという訳ではないですが、ゲームアプリのアニメ化も似たようなコンテンツに出来そうではあります。
最近増えてきたスマホゲームのアニメ化。

アニメ自体がこけても、ゲーム本体で回収できればOKとなる…のか?
なりそうな気はします。

声優ユニットを組んでも、コアコンテンツのゲームが続く限りはイベントを続けられますしね。

まとめ

アニメや漫画や小説など「終わりのある原作コンテンツ」をコアとしたコンテンツでは、声優ユニットを作ってイベント稼働させても、活動は期間限定的なモノとなります。
コアコンテンツの終了と共に、自然と解消を余儀なくされるからです。

今や声優さんの顔出しは当たり前で、限定ユニットも無数にある時代。

そうやって終わらせていかないと、声優さん自身が持たない・足りないとなるので、寧ろそれで良かったとも思える。

ただ、今後は「ラブライブ!」やBanG Dream!」のような形式が増えていくんじゃないでしょうか。
アニメだけで稼ぐのでなく、大きなプロジェクト全体で利益を出していく方式に。

つまりは、今後もっと声優さんという職業はアニメ界にとって大切な存在になっていくのかなと。
もっと声優さんが大切に扱われると良いな。

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