実写版「暗殺教室‐卒業編‐」 感想

この記事は

実写映画「暗殺教室‐卒業編‐」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

冒頭こそ前作同様ダイジェスト感ある展開でしたが、茅野が本性晒してからは的を絞っていた分落ち着いて見れました。
間違いなく前作以上の出来でありました!!
感想です。
原作のネタバレもありますので、コミックス派の方は回れ右でお願いします。

感想

前作で伏線(まんま触手を出しちゃってたから、全く隠れてはいませんでしたがw)を出してたので、唐突感はあったもののすんなりと茅野編から始まった今回。
殺せんせーが死神から今の姿になるまでの過去篇を経て、3E分裂篇、最終章とタイトル通り卒業に焦点を絞った物語。
原作がしっかりと映画の尺に落とし込まれていた素晴らしい構成。

殺せんせーと雪村姉妹に絞っていたのが良かったですね。
その分渚らの印象が薄くなってしまっていましたが、過去から現在に続く姉妹の命を繋ぐ触手という部分がとてもクリアになっていました。

全体的に駆け足気味だった前作に比べて、グッと脚本面で良いなと思えたのです。
以上のようにエピソードを絞った点が全体的なテーマをすっきりさせていたのかなと言うのと、もう1つ。
忘れてはならないのが、卒業に纏わる最後のシークエンスです。

クライマックスに於ける切なくも「3Eの生徒達の手で殺してあげるのが最善」と思わせるストーリーは本当に秀逸。
原作を読んだ時も感じたのですが、それを実写でも遜色なく感じられたのが全てですね。
この一連のシーンの中で少々引っかかったのが「出席確認」がカットされていた事。
生徒に触手を抑え込まれ、渚がナイフを突き刺そうとする直前。
殺せんせーが最後に時間を貰って、生徒1人1人の名前を点呼するという名シーン。
あそこが感動ポイントなのに〜とも思ったのですが、よくよく考えれば無い方がずっと良いですね。

原作では、丁寧に時間を掛けて生徒1人1人を丹念に掘り下げていました。
名前と顔だけでは無く、どういった生徒なのかが読者に植え付けられていたんです。
だから、1人1人殺せんせーが名前を呼んで、それに応える生徒達の表情から色々な感情が読み取れて、すんげー良いシーンに昇華されていたんです。

実写版では、尺の都合上全員を掘り下げるには至りませんでした。
主要キャラ数名に絞っていた。
彼らですらまだまだ掘り下げが足りないと感じる程でしたので、殆どセリフすら無かった生徒達は、名前すら覚えられていないと思うのですね。
そのような状態で、出席確認のシーンが始まったらどうなるか。
意外と長いものです。全員の名前を呼ぶのですから。
「この生徒、誰?」という疑問が高まった感情を徐々に削いでいってしまうことでしょう。
実写版のみで「暗殺教室」という作品に触れている観客にとっては、マイナス面の大きいシーンになっていた気がするのです。
故に無い方が良かった。
感動シーンだからという安易な理由で取り上げる事無く、実写版のストーリーを踏まえた上で取捨選択が行われていたという何よりの証左なんじゃないかなと。

原作の良さを殺すことなく、しっかりと実写ならではの構成に落とし込んだ脚本がまずは以て素晴らしいものでした。

少しだけ演者について

そんな脚本を活かしたのは、やっぱり演者の力量なのでしょうね。
二宮さん×桐谷さんコンビの過去篇が本当に本当に良すぎた。

やはり重要なシーンですからね。
殺せんせーの過去に感情移入出来ないと、その後の3Eの対立も茅野自身についても感情がついていけないし、柳沢への怒りも湧きにくくなる。

しっかりと時間を使って、作品にとっても重要な過去篇を描写し、それに応える演技を見せてくれたお2人。
凄かったですね。

そして、特筆すべきはなんといっても殺せんせーでしょうね。
映画を見ていて、殺せんせーに違和感を抱くようじゃ、入り込めませんものね。
本当に現実に存在してるかのようなCG技術は、これまた最高の演技と言っても良いと思うのです。

最後に成宮さん。

悪役やり過ぎ^_^;
ここんところ立て続けに彼の悪役ばかり見て来たので、「またか〜〜」と(汗
たまには好青年のまま最後まで駆け抜けてくれる役をやって欲しいぞい。

終わりに

3部作くらいにして、じっくりと時間を掛けてみても面白かったんじゃないかな。
それをやれるだけのパワーはあった気がしますし。

実写を見終わって、もっと見たかったと感じれる。
これというのは、漫画原作の実写ものとしては僕にとっては最高級の賛辞。

非常に満足感の高い完結篇でありました。

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