「アオアシ」ヒロイン3人娘と「GIANT KILLING」の関係性に納得した話

この記事は

「アオアシ」の感想です。
ネタバレ含みます。

のろのろと読み続けている

亀の如き鈍さで、少しずつ読み続けている「アオアシ」。
今ようやっと25巻まで読み終わりました。

”アオアシ史上最大の戦い”と銘打たれて始まった青森青蘭戦。
ついにエスペリオンが先制点を挙げ、そこにガッツリと絡んだ葦人が司令塔として開眼したのかというところで26巻へ続く超絶熱い展開。

個人的にはサッカー漫画で一番好きですね。
わりと長期連載となってきましたが、未だ初期の熱さ衰えず。
葦人の成長譚としても、サッカーに青春を捧げる群像劇としても抜群に面白いです。

さて、23巻の巻末に「GIANT KILLING」のツジトモ先生との対談が収録されておりました。
この中で作者の小林先生が「ジャイキリ」の面白さについて熱く語られているのですが、読んでいて「なるほど~」と思ったのです。

今回は、「ジャイキリ」と「アオアシ」が誇る3人娘のお話。

「GIANT KILLING」の革命

講談社モーニングにて連載中の「GIANT KILLING」。
僕も夢中になって読み耽っていたこともありました。
サッカー漫画の面白さを教えてもらったのが「ジャイキリ」だったといっても過言ではない存在です。
だからこそ、興味深く対談を読んでいた訳ですけれど。

その中で最も惹かれた部分がありました。
以下、該当部分を引用します。

小林『GIANT KILLINGの凄いところは沢山ありますけど、一番は「カメラ」です。(中略)GIANT KILLINGのカメラってテレビカメラなんですよ。スタジアムで繰り広げられるあの最高のエンターティンメントを遠く離れた人たちに伝えるために、テレビ中継があるわけじゃないですか。つまり、最も多くの人がサッカーを楽しんでいる視点、それがテレビカメラなんです。ツジトモ先生(の持つカメラ)はフィールドを走らないし、ベンチにもいない。じゃあどこにいるかって言ったら、モニター室にいるんですよ。「はい1カメ!次2カメ!」みたいな。それこそ俺たちみんながサッカーに熱狂している視点なんですよ!』

プロのクリエイターって見る視点が違うなと驚いたところでした。
僕なんか単純に「監督が主人公って斬新」とか「弱いチームが強いチームを食っていくところが痛快」とかそういう点でしか見てなかったですから。

これに対してツジトモ先生は「SLAM DUNK」からこの「スポーツを描く方法論」を取り入れたと返していらっしゃいましたが、兎も角として、「アオアシ」は「GIANT KILLING」から「テレビカメラ視点で描くサッカー漫画」という方法論を学び、取り入れているんだという点。

これを知った時に、ふと僕の頭には3人娘の顔が浮かびました。
そして、あぁなるほどな~と1人勝手に納得しちゃいました。

ヒロイン3人娘の役割

というか、何の説明もなく「3人娘」連呼してますけれど、通じているでしょうか…。
これ僕が勝手にここで呼称しているだけで正式な呼び名で無いので、誰のことが書いておきますね。

1人目は、当然メインヒロインである一条花。
福田監督の義妹の金髪美少女。かわいい。
スポーツ外科医を志しているけれど、サッカーの知識は殆ど無い「素人」。
葦人の「最初のファン」。


2人目は、海堂杏里。
前髪ぱっつんジト目美少女。かわいい。
エスペリオンの親会社の社長令嬢で、将来サッカーの監督になるべく日々勉強中。
先だっては冨樫から試合の解説をしてもらっていた。


3人目は、橘 都。
橘の双子の姉ちゃんで、自身もサッカーチームに所属する色黒スポーツ少女。
プレーヤーとしての視点で、弟やエスペリオンの試合を応援している。

…圧倒的に画像が少ない。


この記事では、以上3名を指しています。

さて、簡単に紹介文にも書きましたように、この3人の「サッカーへの関わり方」は三者三葉。
杏里が戦術や選手の動きに対して「監督を志す者」ならではの視点で解説を入れれば、それを受けて都が「プレイヤーとしての凄さ」について付けたす。
自身もサッカーをやっているからこそ、選手のプレイの凄みや技術力の高さを丁寧に説明してくれるのです。
この2人と比べて、やや出番が少ないのが花。
それもそのはずで、サッカーに関してはずぶの素人。
杏里のような知識も無ければ、都のような経験もない。
けれど、「サポーター歴」は長い。それこそ幼児の頃から義兄のプレイに目を奪われていたほど。
素人ならではの、観戦歴の長さ故のひらめきのような気づきを時折投げかけたりします。

3人はたまに「関係者」としてフィールドに降りてきたりしますけれど、基本的には「スタジアムからフィールド全体を俯瞰した視点でサッカーを見て」います。
つまり、「テレビカメラ」なんですよね。
(ちなみにフィールドからの視点として金子葵というサッカー雑誌の記者も配置して、その点抜かりなしw)

ヒロイン3人娘は、作品に花を添えるという意味もあるのでしょうけれど、試合をテレビカメラで描写するという大事な役割も与えられているのですね。
この事に気づくというか、勝手にそう解釈して、対談の内容がすとんと腑に落ちたのでした。

終わりに

天真爛漫な花が可愛い。
そこもまた「アオアシ」の魅力だよなぁ。

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