この記事は
「勇気爆発バーンブレイバーン」の感想です。
ネタバレあります。
令和入って一番笑った
タイトルとティザービジュアルに強烈な違和感がありました。
これはアニメファン皆そうだったと思う。
どう考えても「勇者シリーズ」系のスーパーロボットアニメが出てくるタイトル。
それなのにティザービジュアルに映っているのは、リアルロボット。
僕自身ロボットアニメに強い関心がある訳でも無いし、子供の頃に「勇者シリーズ」や「エルドランシリーズ」を見ていた程度。
(「エルドランシリーズ」は大人になってから円盤買ってクソほど嵌ったけど)
それでも、リアルロボットアニメよりスーパーロボットアニメを同作には期待してしまったし、そうじゃないと分かって酷く落胆しました。
この時点で「何か裏がある」とは微塵も思ってなかったんですよね。悔しいことに。
リアルロボットアニメだと信じ込んでました。
なので、致命的に出遅れた。
1話の放送が終わって、流石に旧Twitterで祭になり、そこでようやく自身の過ちに気づいたわけです。
タイトル通りちゃんとスーパーロボットが出てきたのだと。
興味が復活。
現在3話まで放送が終わり(一部地域ではこれからか?)、昨日ようやくdアニメストアで2話まで視聴しました。
いや~笑った。笑い転げた。
ロボットアニメの感想じゃないだろと見たこと無い人は思われるだろう。
その通りだと思う。
まさかこんなに笑うことになるとは思わなかった。
笑いの99.9%は他でもない。
公式側からギリギリまでその存在を隠されていた主人公(?)ブレイバーンが原因だ。
スーパーロボットなのである。
突如宇宙から飛来した謎の所属不明機からの大規模な強襲。
ティザービジュアルでも登場したロボット(ティタノストライドというらしい)の抵抗空しく駆逐されていく人類。
自衛隊所属のティタノストライド(TC)パイロットのイサミ・アオは、凄腕であるが、実戦は初めてなのか…。
震えて何も出来ずにいて。
そんなイサミの前に宇宙から光が落ちてきて、その光の中から現れたのがブレイバーン。
そしてイサミにこう言うのだ。
「イサミ、さぁ迷わず私に!
私の中に早く乗るんだ!!
私は一刻も早くイサミと体を重ね合わせたいんだ!!!」
嘘である。
でもね、概ね間違ってはいないと思うの。
このスーパーロボット、どうやら意志を持った存在らしい。
2話で判明したけれど、兎に角人の話を聞かずにグイグイと言いたい事を云う。
物凄い食い気味に。
相手に最後まで喋らせずに。
自分の想いの丈を語る。
イサミへの重すぎる愛を語りまくる。
何か衝撃的な過去があったという訳でも無く、1話で初めて会い、一目惚れだったようで。
誰も聞いちゃいないのに兎に角喋る喋る。
何故こうもブレイバーンはイサミを欲するのか?
ストーカー気質な粘着ロボットに何故してしまったのか?
この設定必要だったの?
真剣に考えてみました。
ブレイバーンがイサミを愛する設定は必要なのか?
この疑問に答えるには、先ず今作の世界観について整理が必要だ。
大事なのは、TCは何もスーパーロボットアニメであることをカムフラージュする為だけにある訳では無いという事。
作中世界は、現実より少しだけ技術が進歩している。
人が搭乗し、操作することの出来る「人型装甲兵器」が開発され、実戦配備も進められているようだ。
本当に僅かばかり、現実が負けてるのは悔しいよね。
世界最先端ロボットは、残る課題は人が搭乗できるかどうかだけですから。
人が乗れるようになれば、「バーンブレイバーン」の世界にも並べるのだが。
話が逸れました。
「バーンブレイバーン」の世界では、TCが開発され、TCが技術の最先端である。
これが重要。
さて、話を「ロボットアニメ」について転じます。
冒頭から当たり前のように「スーパーロボットアニメ」とか「リアルロボットアニメ」という単語を使ってますが、そもそもこの2つはどういった定義づけがされているのでしょうか。
wikipediaに頼ってみます。
すると、「スーパーロボット」のページにこうありました。
スーパーロボット (Super robot)とは、アニメ・特撮・ゲームなどに登場する、架空のロボットの分類のひとつで、ヒーロー的なロボットの総称。超科学的な巨大人型ロボット。
スーパーロボット大戦シリーズのプロデューサーである寺田貴信はスーパーロボットとリアルロボットの境目を「説明できるエネルギーで動いているか」であると語ったことがある。
出典:wikipedia - スーパーロボット より
どこにも説明が無いので想像でしかないけれど、TSはマシンガンなどの従来の兵器を搭載し、ガソリンや電気など現実にも存在するエネルギーを動力に起動しているはずです。
メカニックにしても、実現可否は置いておいて、それらしい仕組みが設定として存在していることも多い。
実際今作でも、TSのメカニックの一部が明かされています。
プラズマリフト
ティタノストライド(TS)の後部に搭載された電磁気揚力翼。
最新の磁気流体力学を応用し、翼周囲の空気を電離させプラズマ化させることで揚力と推進力を発生させている。
これにより自立の安定性と機動力が大幅に上昇し、TSの兵器としての有用性が認められ世界各国で採用されるようになった。出典:「勇気爆発バーンブレイバーン」公式 - KEYWORD より
一方、ブレイバーンは、公式サイトでメカニックのページではなく、キャラクターのページで紹介されている。
つまり、そういうことだ。
ロボットなのにメカ扱いされない超常的存在であることが示唆されている。
世界観の事に話を戻そう。
地球に存在する鉱物(金属)で造られ、人類が研究開発した機構で動くTSしか存在しない世界に、突如コミックから飛び出したような喋る巨大ロボットが出てきたら。
イサミが拷問されるのも無理からぬことよね。
パニックにならないだけ冷静だと思いますわ。
警戒し、怪しみながらもブレイバーンと会議開いてますしね。
くっそ怪しいよね。
恐怖ですらある。
突如侵攻してきたデスドライヴズの仲間と捉えるのが普通である。
人類にとって理解の埒外の存在であるという意味でブレイバーンもデスドライヴズも同一的存在なのです。
信じろという方が無理だ。
いくらブレイバーンがデスドライヴズから地球を守っているように見えても、それすらも作戦の裡ではないかと考えるのが一般的な人類の思考でしょう。
ならそんな地球人とブレイバーンが利害関係を持つにはどうすればよいのか。
簡単だ。
愛だ。
愛。
それは有機物を有機物たらしめる感情。
人が誰かを守りたいと願う動機の1つでもある。
愛を語れること、それ即ち心があるという証左である。
ブレイバーンのイサミへの愛は本物である。
呆れこそしていたけれど、ブレイバーンのイサミ愛語りがあったからこそ、人類はブレイバーンを信じたのだろう。
僕はそう考えている。
ブレイバーンには心がある。
人を愛する心を持っている。
そんな彼が、問答無用に自分たちを蹂躙する存在と同等の存在な訳が無い。
彼を信じるに足る理由は、それだけで十分だ。
結論を述べよう。
ブレイバーンがイサミを愛するという設定は必要であったのか。
YESである。
ブレイバーンが他者を愛する心を確かに持っていると理解したからこそ、地球人と彼は手を結べたのである。
多少鬱陶しくても構わないじゃあないか。
それも個性だ。
人類は、そうして理解を深め、ブレイバーンを受け入れたのだろう。
終わりに
Q:ブレイバーンはどうしてヒビキやミウなど魅力的な女性キャラを好きにならなかったの?
A:それじゃつまらないから。