はじめに
うめてんてーが新作を始めていた事を全く知りませんでした。
2巻までをゲット。
読みましたので感想を。
直耶に感情移入できる
「ひだまりスケッチ」とはまた別方向に舵を切って来ましたね。
あちらは女の子同士ののほほんとした日常に主眼を置いていて、こちらは恋愛を意識したストーリー漫画。
高校二年生の亜麻音と直耶は、それぞれの親が再婚し、ある日突然同じ屋根の下に住む事に。
微妙な関係ですよね。
誕生日がわずか3日違いで、唐突に姉弟になったんですから。
それも多感な時期です。
ただでさえ難しい関係性に思春期ならではの感情が入り混じります。
もっと幼ければ意外とすんなりと打ち解けるのかもしれません。
もう少し大人になってれば、程良い距離感を保って上手に付き合えるのかもしれません。
少なくとも恋愛にも似た感情を素直に抱くことは無いかもです。
物語は主に直耶目線で描かれます。
故に、彼の懊悩がしっかりと描かれているので、同じ男として彼にすっと感情移入できるんです。
彼は女の子とのお付き合いを経験してません。
高校生らしく妄想が滾ります。
年上のお姉さんが好きな直耶は、母から「今度お姉さんが出来るわよ」と聞かされ、豊満なワガママボディの優しいお姉さんを想像します。
しかし実際は、童顔同い年のちっちゃな女の子。
話と違うと憤りますが…。
少しずつ、少しずつ、亜麻音を1人の女の子として意識しちゃいます。
出会ってすぐに同じ家に住むんですもの。
部屋が隣同士ですもの。
顔を真っ赤にして、「直くん」なんて呼んでくるんですもの。
色々と事情があった後の、名前呼びですよ。
そりゃ仕方ないっすわ。
男の子ですもの。
いきなり姉として扱えっていっても無理がありますよ。
好みとは違うとはいえ、ちょっと可愛く思えてきちゃうのは道理です。
可愛い女の子に「直くん」なんて呼ばれちゃ、腰砕けですよ。
いたって普通の感情なんですけれど、そこは家族になっちゃった手前、理性が感情にブレーキをかけます。
もどかしくも悩ましい。
まさに微熱な想い。
直耶の気持ちは痛いほど理解出来るんです。
亜麻音と弟と親友と
亜麻音が可愛いんですよね。
直耶目線だからより可愛く見えるというのもありますが、その子供っぽさが良いんです。
父からは「弟が出来る」と聞かされ、ワクワクしてました。
可愛い年下の弟に懐かれる。
ちょっと子供っぽい自分を無意識下で理解してるからでしょうか。
「お姉ちゃん」と見られることに憧れがある感じです。
しかし、実際は同い年の男子だった。
お姉ちゃんと呼ばれない。
彼女はむくれます。
可愛いです。
見た目通り子供っぽいところが可愛い。
しかし、彼女の可愛さは留まるところをしりません。
たったの3日自分が早く生まれたからと言って、直耶に「お姉ちゃん」と呼ぶ事を強要するのです。
意地でもお姉ちゃんでいたがるところ、可愛いです。
お姉ちゃんだから、弟を呼び捨てにしようとして、恥ずかしくて失敗したり。
いつまでも「赤瀬川くん」呼び(直耶の名字。再婚の際、名字を一緒にしなかった)は紛らわしいからと、「直くん」と呼ぶ事に決めたり。
背伸びしてお姉ちゃんを振る舞います。
元々うめてんてーの描く女の子は可愛いです。
それは「ひだまりスケッチ」で如何なく発揮されています。
亜麻音もそんな美少女系譜を受け継いでいるので、大変可愛いです。
ピュアピュアで背伸びした女の子を愛でることが出来ます。
さて、出来たばかりの同い年の弟との微熱な関係を続ける中、彼女と親友との関係もまた新たな局面を迎えます。
亜麻音の高校からの親友・郁乃。
黒髪ロングのお姉さん系美少女。
大切な親友の亜麻音に悪い虫(直耶)がついてしまったと知った彼女は、急ぎ直耶を見定めに向かいます。
弟というより男だった。
直耶をそう認識した郁乃は、対抗心から直耶に見せつけるように亜麻音の頬にキスをします。
親友だから。
親友…だから…?
気付いてしまった自分の本心。
抗えない性の壁。
言えないまま募る想い。
抑え込まないといけない気持ち。
ここにもまた微熱な関係が出来上がりました。
これは良いです。
萌えます。
うめてんてーの可愛い女の子同士がイチャラブするかもしれない。
こちらの関係にも要注目ですね。
すばらしかった
読んでいて、たまりません。
亜麻音と直耶2人のピュアピュアな関係性にゾクゾクしちゃいます。
亜麻音と郁乃の背徳的な関係性の発展を期待しちゃいます。
亜麻音を中心とした三角形。
微熱な関係。
甘酸っぱい世界にとっぷりと浸れました。