コミックスが兎に角黒い
「結界師」が好きだったのとヒロインの容姿がどストライクだったので、「BIRDMEN」第1巻を購入しちゃいました。
兎に角黒いですね。中身の話では無くて、コミックスの装丁の話ですけれど。
「結界師」の頃も黒を基調としていましたけれど、あっちは白も同様な扱いだったので、あんまり黒々ってイメージばかりでは無かったんですが。
今作は黒一色。表紙には赤も添えられていましたけれど、黒の方が圧倒的に強い印象を持ちました。
真っ黒な奥付とか初めて見ましたよw
カバーを外しても真っ黒ですし、これってキャッチコピーの「青春」とは真逆にあるイメージな気がします。
主人公の烏丸君は「反抗期の象徴」的な斜に構えた性格(思考)の持ち主で、将来に希望を抱いてたり、楽しく学生生活を謳歌してたりという様な、多くの人がイメージする太陽の様に明るく眩しい「青春像」とは対岸にいる子。
だから、黒いのかもしれませんし、この後の展開を示唆しているのかもですし。
なにより「鳥男」のイメージカラーなのでしょうね。
そんな訳で、この漫画について感じたことを書いていきます。
顔を描かない意味を逆手に取られた感じ
それにしても、事故後に烏丸君に対して教室で最初に語りかけてきた少年が「鳥男」だったとは。
これには「やられたー!!」と思わず膝を打ちたくなりました。
僕が勝手な決めつけをして読んでいたからかもしれません。
でも、なんとなく全て田辺先生の掌の上だった気がするのです。
僕が思うに第1話の序盤から細工が施されていたと勘繰っています。
最近見たアニメからしか例を挙げられないんですけれど、「THE IDOLM@STER」、「ささみさん@がんばらない」とかとか。
あとは、そうですね、少し古いですが「みなみけ〜おかわり〜」。
顔を見せないキャラクターが出て来る作品達です。
意図は色々で、作品毎に違うんでしょうけれども、ほぼ共通して「そのキャラクターに焦点を当てない」という意思表示の一種ではないかと解釈しております。
「キャラの掘り下げを行わない」とか「話の中軸に絡ませない」等々の意味合いも含めて、要するにメインキャラとして展開させる気はありませんよという制作側の意図が形となって現れているんじゃなかろうかなと。
この漫画でも、そういう意図を以て描かれていると考えちゃったんです。
烏丸君のお母さん。
目が描かれていない=顔が描かれていない人物。
物語には深く関わって来ないんだろうなと認識しました。
烏丸君たちの学校の生徒。
やはり皆が皆、顔が描かれていない。
ああ、モブキャラなんだな〜と。
鴨田君に絡んできた不良高校生諸君。
描き込まれた目元も、真っ黒に塗りつぶされていて、やっぱり顔が無い。
この場限りのキャラなんだろうなとパッと見で判断出来ます。
鴨田君が告った女子高生。
わざわざ目線が入れられていて、顔が分からない様な演出に。
徹底してるな…とw
その直後に出て来た鷺沢君とつばめちゃん(やっぱりカワイイと思うw)はきちんと顔が描かれており、ここでハッキリと意識させられたんです。
メインを張るキャラクターのみ、ちゃんと顔が描き込まれて、そうじゃないキャラは顔無しの漫画なんだな…と。
事故に遭って、烏丸君の初登校日。
皆から注目を浴びて、女子たちとキャッキャウフフな会話を交わせるんではと期待に胸を膨らませていた彼に話しかけてきたのは、顔が描かれていない髪を逆立てた男子だけでした。
(もう1人チャラ男君がいたらしいですけれど)
確かに、「鳥男」も髪逆立ってましたけれども。
プロローグで屋上に居たという「サボリ魔」も髪を逆立ててるように見えるし、色々と布石は打たれていましたけれども。
顔が描かれて無い時点でその他大勢のモブキャラの1人だと脳が自動的に処理しちゃったんですよね。
彼が「鳥男」だと判明した瞬間は、本当にやられた〜と感じました。
謎多いストーリーに惹かれる
そんな訳で「鳥男」こと鷹山君。
まだまだ謎が多過ぎですね。
それはこの作品全体の謎にも繋がっている点。
最も大きな謎として、「鳥男」って何?という根本的な事。
彼自身良く分かって無さそうなのも、他に「オリジナルの鳥男」が居るんではないかという事も窺わせます。
「鳥男」の能力?は血を飲ませる事で、他者に分け与える事が出来そうですし、鷹山君自身烏丸君達と同様「助けられた側」なんじゃないでしょうかね。
鷹山君が言う所の「ブラックアウト」も気になりますね。
あの怪物は何なんでしょう。
「鳥男」に引き寄せられて現れてる感じですし、この怪物と戦う事がメインになっていくんでしょうか?
それだと掲げたキャッチコピーに背くような気もしますし、どうなるのか。
本当に「なんなんだよ、これ!?」とつい呟きたくなるような展開の連続。
「SF×青春ジュブナイル」を掲げた本作。
バトル方向はそこそこに、今までにない新しい物語を紡いで見せて下さるんじゃないかという期待の持てる1巻でした。
前作同様派手さは無いけれど、じっくりと堪能できる作品になる予感をひしひしと感じました。
僕はつばめちゃんの活躍を見たいので、これからも買っていきます!!
- 作者: 田辺イエロウ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/10/18
- メディア: コミック
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