「ぼくたちは勉強ができない」 そして[x]は分岐点を特定する【本誌ネタバレ考察】

この記事は

「ぼく勉」の考察。
ネタバレあります。

うるか派の僕、発狂する

発狂は流石に誇張ですけれど。
第150話センターカラーにて、うるかエンドが終わりました。

まさかのマルチエンドに結構ガッカリしてしまいました。
どんな結末であろうと、作者が決めたエンディングは受け止めるという覚悟でラブコメを読んでいる身としては、全ての読者におもねるような方針は取って欲しくなかったなと。
最低でも、「この子のルートが本筋で、他の子はIfの世界線です」と明言してくれれば良かったのですが、それすらも「読者にお任せ」。
マルチエンドを選択した時点で、本筋も読者任せはある意味必然の成り行きだとは思うのですけれど、頭では納得しても心では承服できませんでした。

なにより水希エンドが無いのが、もう気にくわんです!!
理珠、文乃、うるか3人と比べて、ヒロイン度で一線を画す描写をされていた真冬とあすみルートを用意するのならば、水希を加えても良いと思うのですよ。
少年誌で実妹エンドは無理とか言うなし。
そこは攻めていって、伝説を作ろうよ。

おっと。
発狂してる。

とまぁ、納得いかないのは確かなのですけれど、決まってしまった以上は受け入れるとして。
では、このルートの分岐点はどこだったのでしょうか。

分岐点はノート

本編では、文化祭編の伝説がその分岐点であるかのような描写がありました。
一ノ瀬学園の後夜祭の伝説には、「1発目の花火が打ちあがった瞬間に触れあっていた男女は必ず結ばれる」とありました。
シルエットでぼかされていたその人物が、各ルートのヒロインだったという設定だそうです。

ただ、これって69話なのですよ。
毎回毎回文化祭終了時点からリスタートを切ってたら、各ルート2年近く費やすことに。
(全ヒロイン同じ話数を使うという前提での仮定)
そんな訳は無いだろうということで、実際の分岐点はもっと後であると推定します。

筒井先生的にも、担当者的にも、この時には既に全ヒロインルート構想があったとは見受けられるんです。
この時の担当編集者の煽り文が「そして、いつかきっと思い出す。この遠い日の花火の意味を。」ですから。
ラストまで語り終わった時に、このシーンが重大な意味を持つことを宣言されています。

とはいえですよ、では、各ルートの分岐地点がここでは無いこともまた明白。
各ヒロインにとって重要なエピソードが、この後にあるからです。

先ず文乃の「最愛の星に[x]の名を」編。
85話から89話でした。
次に真冬の「黄昏に氷の華は[x]と舞う」編。
100話から103話。
3人目はあすみの「砂上の妖精は[x]に明日を描く」編。
107話から110話の4話構成。
理珠は114話から117話で展開された「機械仕掛けの蛍は[x]の淡雪に焦がれる」編。

そして、最後はうるか。
「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ」編。
最終回直前までの8話構成でした。

あれ?
こうやって並べると、うるかがやっぱりメインルートなのではと勘繰ってしまいますね。

それはさておき、少なくとも117話までは全ルート共通と見做すべきです。
この後は、暫く通常のお当番回が続いて、重要なエピソードは136話にありました。

文乃が成幸への恋心を自覚しました。
このエピソードは、大事です。
今まで「姉」を演じてきた彼女が、漸く自分の気持ちに気づいたのですから。
ここを外すと文乃ルートには入れないので、このエピソードも全ルート共通と見做してよいでしょう。

問題は137話からの「乙女の甘い思いは時に[x]に連なるものである」編をどう見做すか。
うるかが自分を5年間も想い続けてくれているかもしれないと成幸が初めて感づく重要なエピソード。
ここからうるかルートに入ったとも見えるし、共通ルートとして処理しても良い。
正直この判断は着きませんでした。

さて、物語はいよいよクライマックスに入ってます。
139話では、成幸が5人の出来ない子たちに向けて、1冊のノートを送ります。
1人1人にあてた真摯なメッセージが詰まったノート。

このノートへの想いを、ヒロインが語っているところが各ルートのスタート地点なのではないでしょうか。

「問140. そして[x]の時」。
受験本番。
うるかはキラキラお目目の面接官から「学園生活において青春とはどんなものだったか」訊かれます。
思いもしない質問に混乱するうるか。
その時、成幸から貰ったノートの存在に気付いたうるかは、自分にとっての青春を語り始めます。

真冬を除く他のヒロインも、それぞれノートを通してこの1年を回顧するのですが、うるか中心で描かれていくのです。

今振り返ってみると、このシーンがうるかルートに入っているというなによりの証左に見えてくるんですよね。
だからこそ、僕はここが分岐点であると確信しました。

受験本番。
各ヒロインが成幸の作ったノートへの想いをしっかりと語るところから、それぞれの物語に入っていくのでしょう。

終わりに

各ヒロインの掘り下げ。
つまりは、成幸のことをどれだけ想っているのかは、共通ルートで散々語っているので、メインルートではそこは省かれます。
問題は成幸の気持ちですね。

成幸がヒロインへの想いを自覚するまでの物語が、これから順に語られていくのでしょう。
うるかへの気持ちを自覚するまでに8話使ったので、今後も長くても1人8話程度なのかなと。

あと半年程度は続くものと予測されます。

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