この記事は
「BURN THE WITCH」の感想のつもりでしたが、「BLEACH」批判になってしまいました。
ネタバレあります。
キャラクターが最大の魅力
読切掲載から2年。
久保先生の新作「BURN THE WITCH」が短期集中連載で帰ってきました。
全4話のうち2話まで終わりましたが、流石の面白さです。
久保先生の漫画の魅力が溢れ出てますね。
個人的に先生の漫画の魅力は「キャラクター」にあると思っています。
100を超えるキャラクターを生み出した「BLEACH」では、メインキャラから敵キャラ、端役に至るまで個性的なメンツを登場させてくれました。
皆キャラが立っていて、誰一人として被りを見せていなかったのは驚きでしたね。
そんなキャラクター達が最も映えるのが、コメディシーンだと僕は思っているのですよ。
ウイットに富んだセリフの応酬は、非常に楽しく、ゲラゲラと笑えるものでした。
「BURN THE WITCH」。
僕が一番好きになったのはバルゴ・パークス。
こういう欲望に忠実なキャラは、読んでいて本当に面白いですね。
啓吾とコンビを組んで、水色に冷たくあしらわれて欲しい(笑
それは兎も角、コメディとしての面白さの核となっているキャラなので、彼を好きになると、より作品を面白く読めると思っています。
読切なんて彼が話の中心にいましたからね。
パンツが見たいという下劣な想いを蓄えたドラゴンとの戦い。
彼がドラゴンだった親友に見せた漢気と優しさ。
オチを含めて、キーキャラクターの彼が一番気に入ったのですよね。
相変わらずキャラクターに魅力があって、彼らの会話が楽しい。
これを軸に、お話は纏まったものとなっていました。
「BLEACH」初期を思わせる作りが、作品の良さに繋がっているのです。
連載版も全4話という構成上、キャラクターを中心に置いた短くも纏まったストーリーが展開されることと思われます。
で、あるならば「BLEACH」で露呈した先生の欠点が出ないのかなと踏んでいます。
風呂敷の畳み方の拙さという欠点
先生の欠点などと偉そうな書き方してしまいましたが、これはあくまでも僕個人の評価です。
リアルタイムで「BLEACH」を1話から最終回まで読んでましたし、40巻くらいまではコミックスも買っていました。
途中までは僕自身好んで読んでいたのですけれど、途中で本誌の連載を追うだけになったのは、話の畳み方に不満を持ってしまったからでした。
兎に角、大風呂敷を広げるんですよね。
「尸魂界篇」までは、それでも綺麗に畳めていましたが、「破面篇」から「綻び」が見え始めました。
キャラクターに魅力があることは認めるところですが、キャラを「出し過ぎる」のも「BLEACH」の特徴の1つ。
特にスケール感を大きくするためか、敵がやたらと多い。
しっかりとバトルで見せ場を作って、1人1人大切に扱うのなら問題ないのですが、扱いきれてない感が凄いんですよ。
大物感を漂わせて登場する割に、簡単に倒されていく敵幹部達。
(所詮隊長たちの噛ませにしかなってない)
当時一番笑ったのがNo.3ハリベルが「用なし」として藍染に斬られた時。
敵ボスが部下を粛正することは別段珍しくないのですが、決戦時に「部下の中でもトップクラスの強さのモノ」を簡単に手に掛けちゃう展開には唖然としました。
結局「千年血戦篇」でも同様の展開があって、物語はいっきに巻かれていくのです。
風呂敷ばかり大きく広げていくのですが、畳み方が性急で雑な部分が目立っていました。
各シリーズのラスボスも「圧倒的な強さ」の割には、割と呆気なく倒されていくことも、この畳み方の稚拙さに拍車をかけていました。
「死神代行篇」のような1話完結、もしくは、「死神代行消失篇」のような中編は、しっかりと纏まった物語になっていましたので、長編は苦手なんじゃないかと勝手に分析しています。
終わりに
好き勝手書きましたが、「BURN THE WITCH」は、4話という構成上、風呂敷を広げることはせずに、しっかりと纏まった物語を見せてくださると信じております。
先生の欠点が出ずに、魅力だけを抽出した作品になるんじゃないかな。
唐突に戦術隊の隊長たちとか出て来ない限りは(笑