「こみっくがーるず」があまりにも僕の中で覇権過ぎた

はじめに

数年前までは萌えアニメ大好きで、欠かさず見ていました。
特にきらら系列のアニメは萌えの宝庫。
「ひだまりスケッチ」、「けいおん!」、「ご注文はうさぎですか?」、「城下町のダンデライオン」等々。
大好きな作品にいくつも出会って来れました。

それがいつからか見るのを意識的に避けるようになったのです。
理由は自分でも分かりません。
そんな中で久々に視聴したきららアニメ。
「こみっくがーるず」は、個人的に大ヒットでした。

ただキャラ萌えだけに留まらない魅力があったのです。

キャラ萌え

メインの女の子が4人。
それぞれ魅力的でした。

どこか抜けてるお姉さんタイプの色川琉姫。
ティーンズラブ漫画を描いてるとは思えない程恥ずかしがり屋。
しっかりしてるようで抜けてる面が萌えます。

勝木翼はボーイッシュ萌え。
中二的な言動の影で、お嬢様として育てられたという「萌えポイント」を持ち合わせた女の子。
ギャップ萌えってやつですね。

恋塚・エンジェル・小夢。
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食いしん坊で翼に恋する(?)女の子。
ちょっとぽちゃってるところ、明るくて社交的でマイペースな性格。
ともかく可愛い。
第5話「編沢さんコスプレするんですか?」の小夢が特にヤヴァイ。
永久保存版の可愛さ。

あばばばば。
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あばば。
あばばばば。

あば、あばば、あばばば。
あば。
あばば。

と、このように4人共に可愛かった。
個人的には、小夢とあばばの2強でしたが、琉姫、翼がいてこその可愛い面もあったので4人とも欠かせませんね。

他にも虹野美晴先生が良かった。
女子高生服姿をお披露目した8話!!
8話「わんにゃんにゃんわんまつり」ですよ!!
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この8話が素晴らしかった!!

かおすの成長物語

萌えだけのアニメに留まらなかったのは、しっかりと全体の構成が練られていたからです。
1話、8話、そして12話。
大きな山場が描かれた大切な話でした。
かおすの成長に軸足を置いて、それぞれ個別に見ていきます。

第1話「アンケート ビリですか!?」

先ず第1話。
冒頭から大事なシーンが始まります。
かおすが編沢さんからの電話を受けているシーン。

編沢さん容赦ないなと正直思いました。
読者からのダメ出しをそのまんまかおすに教えちゃってるんです。

「面白くない理由」は、クリエイターにとってとっても大事な意見です。
自分自身では中々気付かないんですよ。
基本的に「面白い」と考えて描いてるんですから、客観的な視点を持ちにくいものです。
「何故面白くないのか」に気づき、そこを改善し次回作に活かすという作業は、個人ではしにくいからこそ、他人のダメ出しは大事になって来ます。

だから、かおすに客観的な意見を伝えることは間違っちゃいません。
けど、ストレート過ぎませんかという話です。

かおすは特に豆腐メンタルを持った繊細な女の子。
簡単にあばばしちゃうので、直球投げても凹ませるだけで終わりかねません。
編沢さんも編集者としてその辺把握してるのに、何故なんだろうと。
厳しすぎるな~というのが、この時の感想でした。

メンタルを危惧した編沢さん。
かおすを漫画家としても人としても成長させる為に漫画家寮入寮を促します。

第8話「わんにゃんにゃんわんまつり」

珍しく自信たっぷりのかおす。
寮での生活で変わりつつあることがこれだけでも伝わってきます。
渾身のネームを提出するも、しかし、編沢さんはやはりストレートのダメだしをします。

あぁ相変わらず容赦ない。

何故そうも容赦なくダメ出しをするのか。
不思議で仕方ありませんでしたが、Bパートでようやくその謎が氷解します。

簡単に纏めれば、お母さんなんですよね。
編沢さんはかおすにとっての「お母さん」。
かおすの将来性を買ってるからこその「お母さん」。

編沢さんは、自分が漫画家になれなかったからこそ、かおすに同じようになって欲しくないと願ってるんじゃないでしょうか。
ウチの母がそうなのですが、「自分と同じようになって欲しくない」という気持ちが、厳しく「教育」する要因になっているタイプ。
こういうタイプはやりすぎになってしまうのが偶に瑕ですが、編沢さんは上手にセーブ出来ていますね。

かおすはメンタル豆腐と評しましたが、これは本質を正しく理解してない評価なのですね。
どんなに叩いても、挫けずにめげずに挑んでくる。
確かに中々真似できない根性を持っています。
こういったかおすの本質をしっかりと理解してるからこそ厳しく接せているのだと分かりました。

また、編沢さんがかおすが漫画家を辞めないか心配してますが、それを寮母の花園莉々香がフォローします。
莉々香は、寮でのお母さんです。
漫画家としての萌田薫子を一番間近で見守ってきた大人。
彼女が「かおすを支える仲間がいるから大丈夫」というならば、誰よりも説得力があります。

寮での日々が、かおすを漫画家として成長させていることが窺えるのです。

第12話「いってらっしゃいませ 立派な漫画家さまたち」

遂に読切掲載を達成したかおす。
しかしそれは仲間たちの力でした。
力といっても精神的な意味合いでは無く、文字通り、仲間の力。

やはり編沢さんがその点を浮き彫りにしてくれるんです。
背景が上手い。
モブ可愛い。
的確にかおすが関わってない点を褒めて来る(笑
編沢さんも読者も辛辣すぎるw
タッチが全然違うんだから、そこは察してあげて。

11話で「ネームが通った。掲載が決まった」というのは、かおす1人の成長を示すことにはならないんですよね。
ネーム自体はかおすの実力です。成長です。
寮での女の子達のキャッキャウフフが血となり肉となった証左ではある。
けれど、ネーム描くだけなら「漫画家」とは言えないんですよ。

ネームって一番時間が掛かって難しい作業だと言われてます。
プロの漫画家さん達が言うのだから、実際そうなのでしょう。
ネームを切れるのは、漫画家として重要な要素ですが、しかし、全てでは無いですよね。

やはり原稿を描けてこそ…です。

ネームは「絵が描けなくても作れる」ものですので。
原作と作画が分担されている場合、原作者がネームを切ることも珍しくありません。

原作者と作画担当者の関係は、僕が知る限り以下のようなケースが存在するようです。

  1. 原作者がネームを切って、それをほぼ忠実に作画担当者が完成原稿にする
  2. 原作者がネームを切って、作画担当者が改稿のち完成原稿にする
  3. 原作者はシナリオを書き、それを基に作画担当者がネームを切ってペン入れする

うんと、まぁ、兎も角読切前後編の前編では、かおすは「ネームは良かった」のみの漫画家という評価なのでしょう。
ペン入れはまだまだという状態。

更にいえば、精神状態もまだ未熟でした。
皆が居たからこそ、原稿を上げることが出来た。
仲間が居なくなると、出来ていたペン入れすら出来なくなってしまう。
あばばばしちゃう。

12話のAパートは、そういうかおすの現状を克明にしていました。

さて、Bパート。
彼女が真の成長を見せてくれます。

仲間がいなくても原稿を完成させる事が出来た。
これは8話や12話Aパートで評された「仲間がいるから大丈夫」状態からの成長を表現できています。
「仲間がいなくても大丈夫」。
精神的な自立ですよね。

その上で、技術的な成長も確かに見られます。
編沢さんが言うのです。

「凄く良い漫画でしたよ。今までより絵が上手で話が面白い。
かおす先生らしさが出ていて、今までで一番良い原稿になったと思います。」

いつも厳しく、嘘偽り無く評価してきた編沢さんだからこそ、この言葉が本音であると分かります。
ネームを切って、ペン入れして、ようやく漫画となる。
その両方を「今までで一番」と評してくれた。
これを成長と云わずになんというのでしょうか。

成長物語がしっかりと軸になっていた

萌え萌えな日常は、かおすの活力源でした。
女の子のキャッキャウフフを見るのが好きなかおすは、それを自身の漫画に活かしました。
「リアルな女子高生が描けてない」という欠点を払拭。

小夢、琉姫、翼に支えられ、精神的な成長も果たしました。

寮での生活は、漫画家としての成長を確実にかおすに齎したのです。

全12話全てを使って、かおすの成長の足跡を残したという点で、とてもとても面白いと思ったのでした。

終わりに

12話終盤でオープニングテーマが流れた瞬間、泣きそうになりました。
最終回の盛り上げ方も最高でしたね。
解散からの再結集まで描けていて、終わりも爽やか。

始まりから最後まで、本当に素晴らしかったです。

追伸。
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高校生にもなって軽々と抱えあげられちゃうかおす萌え

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