はじめに
炎上記事の僕なりのけじめです。
けじめをつけよう
炎上したこの記事。
nuruta.hatenablog.com
色々と反省しました。
その上で、改めて記事にして、けじめにしたいと思います。
僕の考えは、やはり「紙のコミックスは最後まで出して欲しい」です。
何故「紙のコミックス」なのか
これは、僕個人の好みです。
電子書籍より紙の本が好き。
ただそれだけです。
非常に個人的な嗜好です。
では、本題に入ります。
前回の反省をし今回は、作者、出版社、書店、新古書店、それぞれの観点からこの問題をみていきます。
作者側から見た
結局僕は電子書籍を利用しているものの、作者側のメリットを考えると、どうなんだろうと思うことがあるんですよ。
たまに1巻無料とかやってるじゃあないですか。
無料で配っていて、その分の印税は、ではどうなってんの?と。
ちゃんと支払われてるんでしょうか?
セールやってるけれど、その時はどうなの?
作者にとっては、電子書籍より紙の本の方がメリット大きいのですよね。
何度か書いてますが、印税には2種類あります。
刷り部数契約 — 刷った部数(発行した部数)だけ印税が支払われる契約。売れなくても刷った部数だけは保証されるので著者に有利と言える。
実売契約 — 実際に売れた部数を一定期間(3ヶ月、6ヶ月、1年)で集計して印税を支払う契約。著者は売れた分しか印税収入を得られない。
※初版保証 — 実売契約と併用され、実売だけだと著者がかわいそうなので、初版発行時については一定部数(初版の40%から70%)の印税を支払うというオプション。
紙の本の場合、売れなくても一定の収入が約束されている訳です。
一方の電子書籍は調べたところ、ダウンロードした分のみ。
紙の本で言う実売契約のみってことですね。
作者側から考えると、紙の本の方が良いんですよね。
勿論何も出ないよりかは、電子書籍で出た方が良いのですが。
コメントによれば、秋田書店も電子書籍の販売を始めたようですから、作者側からしたら多少は改善したと言えるのでしょう。
ですが、続刊を出すか出さないかは、結局紙の本の売上によるそうです。
続刊ラインの目安は結局、現物の本。
電書である程度売れても二巻の紙の本が書店でたくさん出る見込みに繋がらないなら企画にゴーサインが出ないものです。電書で安売りとかして3ヶ月かけて1000冊売れるよりも、書店で最初の一週間に400冊多く売れた方が有利。— ラノベ作家事務所T澤 (@editors_plus) 2017年1月9日
電子書籍の方が安いから。
持ちやすいから。
そういう理由で安易に電子書籍で購入しても、作者的には「紙で買って」となるのは道理ですね。
出版権も出版社側に握られており、どこまでも作者は搾取される存在であることが分かります。
出版社側から見た
さて、ローゼンカバリーさん(@kabakabakaba)から教えて頂いた「漫画ならず道」を読んでみました。
売れない作品は、やっぱりコミックスにしたくないようです。
印刷代、紙代、倉庫代等々嵩みます。
尚、倉庫代どうこうというコメントもありましたが、コミックス1巻数千~数万部の為に倉庫代が変わってくるなんてことは絶対にありません。
コミックスを打ち切る編集部は割と本気で解散して欲しい – アニメな日々、漫画な月日
- [漫画]
- [出版]
じゃ、お前に在庫のための倉庫代が出せるのか? 複数買いしてるのか? Twitter他で漫画家や出版社のキャンペーンを拡散してるのか? という話である。しててなおかつなら好きにしろ。
b.hatena.ne.jp
「ONE PIECE」レベルが数作品いっぺんに刊行となると、契約してる倉庫だけで賄えなくなるとかあるかもですが、そうでもない限りは既存の在庫で置けますし、在庫を預ける分で倉庫代が決まってくるなんて契約普通はしないです。
閑話休題。
出版不況もあって、売れないコミックスを売るだけの余裕が無い…と。
紙の本を刷ると、その時点で作者に印税を支払わないといけないことが多いですしね。
その分電子書籍は良いです。
電子データさえあれば、価格も自由に設定できるようですし、売れた分しか作者に払わないで済む。
売れないと返本される事も無いですしね。
メリットしかありません。
本屋側から見た
「漫画ならず道」でメインで描かれていたのが、この本屋側の目線。
この回の「漫画ならず道」はこちらで詳しく紹介されています。
kindou.info
驚いたのが、万引きの被害額。
200億円。
これが出版社にも本屋にも被害を齎しており、余計に売れないコミックスが出せない理由の一助になっているそうです。
万引きを理由に閉店なんて本屋の話はよく耳にしますが、この額には驚きでした。
結局万引きの罪が軽すぎるのが問題なんでしょう。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
万引きのような軽微な窃盗罪であれば、相当な額でない限り懲役になることはまれです。ほとんどの場合は50万円以下の
罰金です。これは、警察に引き渡したあとに、略式命令として下されることになるでしょう。この場合、当然窃盗の前科も付きます。もちろん、警察に引き渡さず示談で終わることの方が多いです(主にスーパーやコンビニといった、小額商品を多く扱う店)。
本屋側の万引き対策にも限界があります。
結局刑罰をグッと重くしない限り、この額が下がる事は無いのでしょう。
新古書店側から見た
万引き犯が何故万引きするか。
殆どが売る為です。
売る際には、必ず身分証明書が必要となり、免許証など番号を控えられます。
これは何故か。
https://tristanhunt.com/kakunin.htmltristanhunt.com
なぜ身分証明書の確認を求められるのかと言うと、これは犯罪防止と言った要素が絡んできているためで、古本屋側が独自に設けている決まりではなく、古物営業法で決まっているものです。
古本買取を申し込む人の中に、盗難した書籍を持って来る人が混じっている可能性がありますから、身分の証明をきちんと行った上で取引をして、犯罪防止に役立てるわけです。
他にも、同じ本を複数冊持ち込んだ場合、買い取らないなどの対策をしてます。
新古書店自身も万引きの被害にあってたりしますから、その対策もしっかりとしているところはしていますね。
買取書物のデータベース
夢の話をしましょう。
結局のところ、課題が多過ぎるんです。
先ず、万引きの罪を重くする。
どんなに軽微でも、等しく罰する。
当然少年法の見直しも必要になってきます。
近年は老人の方が多くなっているというデータもありますが、未成年もまだまだ多いようですからね。
そして、古書店側での買取をデータベース化する。
誰が何を売ったのか。
ISBNコードを読み込んで、何の本が買い取られたのかをデータにするわけです。
警察が中心となって、全国の新古書店、および、出版社の協力が必要になりそうです。
最近の講談社系のコミックスは、ISBNコードが本のカバーに印字されていませんからね。
こういったデータベースが出来ると、万引き犯が「同一の本を複数の店舗に売った」場合、万引きの疑いの証拠になります。
現行犯だけでなく、ここから万引き犯を検挙できるようにもなれば万引きは確実に減ると思われます。
もう少し現実的に
所詮夢物語。
無理でしょう。
なので、出版社が売りたくないコミックスに関しては、作者側に選択肢を設けて貰いたいのです。
1つ。出版権の譲渡。
出版権が作者側に渡れば、作者が自費出版なり、同人誌なり、電子書籍なりで出せますから。
2つ。広告の挿入。
漫画雑誌も「マンガボックス」などの電子書籍も広告収入で成り立っている部分があります。
コンビニで売ってる廉価版もそうですよね。
これを正規の紙のコミックスにも導入する。
勿論広告主がいないと成り立ちませんが、上の夢物語に比べれば現実的ではないでしょうか。
終わりに
勘違いされている方もいらっしゃったようですが、漫画の打ち切りを無くしたい訳ではないです。
コミックスの打ち切りを無くして欲しい。
難しいのでしょうけれど、出来れば紙の本で。