「小説 名探偵コナン から紅の恋歌」 感想

この記事は

「小説 名探偵コナン から紅の恋歌」の感想記事です。
ネタバレを含みます。

はじめに

僕の中では、最高4度映画館に足を運んだ映画があります。
今年の「コナン から紅の恋歌」です。
今まで同一作品は3回が最高だったのですが、あっさりと上回ってくれました。
それ程嵌り込んだ映画の「脚本最終稿をノーカットで小説化」したと触込まれたら、そりゃ買うしかありません。
脚本を担当された大倉先生ご本人が小説化。
「サンデー」で発売を知ったので、早速購入して読みました。

今回のこの本の感想となります。
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感想

話の流れとか、アクション部分とか、色々と劇場版と違っていて、興味深かったです。
脚本から絵コンテにする際に、ただカットしただけではなく、描写をマルっと変更していることもあるんですね。

先ず大きかったのが2つのアクションシーンの変更。
前半の日売テレビからの脱出とクライマックスの皐月堂からの脱出。

前半も後半もより映像映えするように丸々と差し替えられていたようです。
個人的には、後半の皐月堂からの脱出は、劇場版の方が好みですね。
脚本(小説)では、平次の決め台詞も無かったですし、クライマックス感も薄かったですので。

日売テレビ爆破に関しては、好みの問題かな。
コナンのスーパーアクション感が強調された劇場版と、そこまで誇張されていない小説版では、好みが分かれそうです。
僕は、どうだろう。
どちらもOKかな。
劇場版の大脱出も迫力あって面白かったし、小説の地味ながらもコナンの活躍を抑えたアクションも好きだし。

この辺は、監督である静野監督の意向が大きく反映されていると思われて、非常に興味深かったです。

事件面は、2つ丸々カットされていた部分がありましたね。
紅葉邸での偽警官襲撃シーンが1つ目。
紅葉が平次をどれだけ好きなのかが分かる部分だったので、ちょっとカットは勿体ないなと思ったり。
でも、全体の構成を考えた時には、カット候補だとも分かるので、ちょっと複雑。

2つ目は、関根爆破事件に「続き」があったこと。
紅葉が狙われ、平次と海江田が戦いました。

この2つのカットは、クライマックスで紅葉が狙われることもあってのカットなのかなと感じましたね。

あとは、海江田爆死回りかな。
指輪がダイイングメッセージになっていたというのは、脚本段階のみの設定だったんですね。
特徴的な指輪を燃やさない事で、自分が海江田であるということを警察に分からせる為に、海江田は死の間際に指輪を燃えつきない様に外に放り込んだのかな。
この辺は、ダイイングメッセージという感じでは無かったけれど、劇場版では映像として落とし込められていた気がします。

クライマックスの謎解きシーンに関しては、これはもう劇場版派ですね。
やっぱり犯人の前で謎解きしなきゃ。
そういう意味でも良改変だったと思います。

最後に、カルタシーンについて。
競技カルタの部分は、「本筋」がぶれない程度に詳細に小説では描かれています。

色々と書きましたが、事件、競技カルタ、ラブコメ、アクションとバランス良く構成されていたなという感じです。
ここから静野孔文式解釈が入り、青山先生の監修で尺が整えられていって、劇場版になったのだと思うと感慨深いものがありますね。
「より魅せる」ように改変されている事が分かって、やはり読んでよかったと思える小説版でした。

終わりに

「から紅の恋歌」を面白いと感じたファンにとっては、必読と言えるんじゃないでしょうか。
コナン映画好きにもお勧めですね。

小説 名探偵コナン から紅の恋歌 (小学館文庫)

小説 名探偵コナン から紅の恋歌 (小学館文庫)

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