「名探偵コナン」第95巻&「ゼロの日常」第2巻 ダブル感想

待ちくたびれた

95巻やっと出たぁぁぁぁぁぁ。
遂に物語は最終コーナーを周った感じがしてきましたね!!
同日発売のスピンオフ「ゼロの日常」2巻と共に感想を書きます。
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名探偵コナン 第95巻

File.290「紅の修学旅行」

問題編が大がかりだった割には、解答編がシンプルというか唐突かつ1話で収めて来たのは意外というか。
事件そのものよりも恋物語や組織編の方が重要だからでしょうか。

さて、事件の真相。
「コナン」の暗号って基本こねくり回し過ぎてる感があって、読者には解けないようになってますので、トリックとして好きな部類では無いのですけれど。
今回のはこねくり回し過ぎて、1周周ってそもそも暗号として成立してない気が…。
京都の町名に当てるというのは、漢字の読み方を絞るという意味では正しい道筋なのでしょうけれど、それ以上の意味を成してないんですよね。
「漢字の読みの1字目を繫げて読む」という法則が分かれば、町名とか無視して適当に繫げて行けば答えに辿り着いちゃう。
あの記号だけで京都の町名に結び付けるのも無理がありますし、この暗号に関しては珍しくダメトリックに思えました。

それ以外のは1つの小ネタを使いまわして、色々な見せ方をしてるという点で、実に「コナン」っぽかったです。
それにしても金と労力の掛かるトリックですね(汗
清水寺のやつは、準備段階で住職とか観光客にばれて、通報されててもおかしくないのに、見つからない様細心の注意を払って行ったんでしょうね。
ご苦労様ですw

スケール感にしては、少々こじんまりした印象の強い事件面でしたが、このエピソードのメインは最初からラブコメの方だったのでしょう。
遂に蘭から返事が!!
分かりきってたけど、返事が。
苦節22年、遂にカップル誕生です(笑

わりかしさらっと付き合い始めることになってますが、シリーズ全体から見れば滅茶苦茶大きな出来事ですよね。
いや、確かに両想いだったのは、なんなら連載2話から分かりきってたこと。
正式に付き合い始めたからという感慨は然程湧かないかもですが、それでも、蘭にとってはでっかいこと。
読者視点、コナン(新一)視点では両想いだったけれど、蘭にとってはロンドン編で初めて分かっての今ですからね。
「コナン」で最も重要な2人が正式にカップルになった件を見ても、今作がいよいよ終幕に近づいていることが窺えます。

あと、刃出てきたのは笑ったw(火星から戻ってきたのかな)
沖田、諸羽のこと好きになってたのかw

File.291「たどり着いた正体」

探偵団の軽い謎解きと超重要な謎が判明するというエピソード。
前者はこういうノリは良いよね。
小学1年生の女の子が解けたことが解せないっちゃ解せないけどw

さておき、遂に遂に黒の組織のボスが判明!!!
タメとか前振りとか一切なくて唐突にさらっと明かされたので、これ絶対もう1枚2枚どんでん返しあるでしょ。

烏丸蓮耶。
「コナン」にどっぷりつかった人でない限り、覚えてないor覚えがないキャラかもしれません。
30巻に収録されている名探偵が集められたエピソード。
悟空が犯人のやつね。
このエピソードで「20年前に死んだ大富豪」として名前だけ登場。
ファンの間ではあの方の正体として候補に挙げられていた人物なので、ある意味有名なキャラではありましたが。

そっか。
既に死んで無いとおかしい人物ですからね。
それがボスとして現在も生きているってことは、きっと若い姿で既に登場しているのでしょう。

これでなんとなく組織の目的も分かって来たかな…。
烏丸蓮耶もベルモットも、本人の意志とは無関係に「不老不死にさせられた」存在なんじゃないかな?
彼らは死にたがってるのに、死ねない体を持ってしまった。
アポトキシンは、若返りの薬などでは無くて、文字通り死ぬための毒。
自分が死ぬための研究を行わせているのだとしたら、これまでの伏線にも説明がつく気がします?
しますか?

File.292「黒ウサギ亭には近づくな」

よぉく見ると、犯行時犯人がスーツの内ポケットに手を入れてますね。
この時、2台目のスマホを取りだしたのかな?
なかなかに大胆な犯行だ…。
解決編では指摘されて無かったですが、うっかりと「左手のカフス」って発言しちゃったのは失言ですよね、きっと。
「目の見えない状態」で、右手なのか左手なのか特定するのは……………流石にそれ位見えるか???
ちょっと断定するには曖昧ですかね…。解決編で触れてないのはその為なのかな…。

今回、宮野夫妻の話も出て来てましたね。
これでエレーナ(灰原母)の姉がメアリーで確定かな。
興味深いのは、夫妻の会話の中に「烏丸グループ」という単語が出て来てる事。
そして、この会話を現在の安室が覚えている事ですよ。
聡明な彼の事です。
既にボスが烏丸蓮耶だと分かっている可能性が高まりましたね。

分かっていて、尚、組織に潜入し続けている理由は何なのでしょうか。
現在の烏丸蓮耶が誰なのか分かってないからなのか?
ここが気になりました。

File.293「狙われた女性警察官」

苗子可愛い。
「コナン」の女性キャラで一番好きかも。
そんな苗子がメインの長編シリーズ。
やったね。

なのだけれど、これはかなり重い。
出て来て台詞も無しに殺されちゃう身内ではなくて、そこそこ会話があってからの死。
殺され方もエグイし、苗子としてはトラウマレベルの事件になってもおかしくない気がする。
まぁ、ラブコメ殺人なので、尾を引くことは無いのでしょうけれど。

トリックとかはなさ気なので、千葉と苗子のラブコメの行く末を楽しめれば良いな。

ゼロの日常 第2巻

トリプルフェイスといいつつ、今作ではバーボンとしての顔ってあんまり描けないんですよね。
どうしたってシリアスになりがちなので。
また、そちらの顔は本編でしっかりと描かれていくのでしょうから、今作は、本編ではなかなか見る事の出来ない「ポアロ店員・安室透」としての顔と「公安刑事・降谷零」としての顔が堪能できる仕様。
うん。
日常漫画としての今作の立ち位置が把握出来つつあるので、1巻よりも楽しめました。

顔は使い分けていても、根っこのところは「スマートな紳士」な性格をそのまんま見せているので、そこが人気の秘訣でもあるのかもですね。
いや、顔を使い分けるって割と誰でもしてるけれど、場合によっては良い印象って持たれないじゃないですか。
「相手によって態度を使い分けてる」と取られちゃうとさ。
その点、安室は誰相手でも一貫した態度を取ってます。

キャメルに対する態度から、そのことを改めて感じたのですよね。
「日本を守る仕事」に誇りを持っているからこそ、降谷零としてFBIを嫌う彼。
決して、キャメル個人を嫌ってるからでは無いんですよね。
キャメルからしたら、「最悪な店員」という印象を持っちゃうのは仕方ないんですけどもw
「キャメル個人を嫌ってる訳じゃない、けど、1人の公安警察官としてFBI捜査官は気に入らない」という複雑な事情を抱えてると思うのです。
だからこそ、表面上は嫌な店員として当たりつつも、彼を慮って行動したのかなと。
結果として、車をなんなく出せたことは、キャメルの思い過ごしなのでは無くて、間違いなく安室の良心からの行動であったのでしょう。
年上の部下・風見に対する接し方からも、そんな安室の素顔が見えていて、作品としても彼のキャラが一貫してるなと感じました。

総括としてはこんな感じですが、細かく見ていくと、一番のお気に入りはやはり「…だったよな」ですかね。
2話構成の種明しとしても、また、バイクアクションとしても見応え十分なお話でした。
ギャグとして可笑しかったゲームエピソードと迷いましたが、こちらを2巻のベストに選ばせてもらいます。

終わりに

案外100巻で完結というのも、現実味を帯びて来た気もします。
畳む時は、かなりアップテンポで畳んできますからね。
よくファンの間で「伏線回収だけで数年かかる」って言われてますけれど、青山先生の構成力なら数巻あれば充分な気がします。

さて、苗子編の続きから始まる96巻ですが、いつになるのでしょうか。
来年の4月、映画公開直前には出て欲しいですね。

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