この記事は
「劇場版 名探偵コナン」の妄想記事です。
一部ネタバレありますのでご注意下さいませ。
追悼・古内一成様
「劇場版 名探偵コナン」の殆どの脚本を担当されていた古内一成さんが2016年7月18日、膵臓癌により逝去されました。
まだ60歳とお若く、まだまだ活躍して欲しい方でしたので、非常にショックを受けました。
古内さんの脚本は、細かな伏線の張り方と拾い方が絶妙で、大好きでした。
当時「うわぁ、すげぇ」と感動したのが「水平線上の陰謀」。
ざっくりですが、流れを書いてみます。
- 博士と灰原が少年探偵団に「他人を思いやる心」の大切さを説く。
- 受け入れた探偵団は、蘭の空手の関東大会のお祝いに貝殻で作ったブレスレットを作って蘭の服のポケットに忍ばせる。
- かくれんぼをするコナン達。
- 小学生時代の新一と蘭の思い出。
- 蘭の中でサッカーをする新一と「バレーボール」でサッカーをするコナンがダブる。
- かくれんぼ終了。蘭がコナンに「サッカーボール蹴ってたの知ってるんだから」と告げる。
- いっこうにブレスレットに気づかない蘭にやきもきした探偵団。プレゼントした事を蘭に教える。
- 船の爆破。逃げないといけない中、上着のポケットを探すも見つからないブレスレット。
- 探偵団の気持ちを大切にしたい蘭は、「死んじゃうかもしれない」事態になっても、ブレスレットを探しに船内に戻る。
- かくれんぼの時隠れていた場所でブレスレットを見つけるも、不意な揺れで頭を打って気絶する蘭。
- 事件解決するも、蘭が避難してない事に気づくコナン。
- 蘭の「サッカーボール蹴ってたの~」から、見ていたのではなく、聞いていたのではないかと推理するコナン。
- 蘭を発見。救助ヘリで救出されるコナン、蘭、小五郎。
- アクシデントで、レスキュー隊員が気絶。落ちそうになるコナン。
- 小五郎の救助の手は届かず、ギリギリで蘭が手を出し、コナン助かる。
- しかし、再度落ちそうになるコナン。
- 蘭の腕からブレスレットがズレオチ、それに捕まれたことで九死に一生を得るコナン。
- コナンもまた、探偵団の「他人を思いやる心」に救われたと述懐してfin
蘭の行動は、非常時に於いて、軽率だったかもしれません。
けれど、そうした状況だからこそ、探偵団の気持ちを汲む蘭もまた、心から他人を思いやれる女の子だと示せてます。
最後はそれがコナンを助けることにもなり、博士・灰原の説いた言葉のバトンが最後まで受け継がれていくという綺麗な流れになっています。
これを見た時、「やっぱり劇場版コナンは面白いな」と改めて確信しました。
映画のコナンと言えば古内さん。
安心感が半端無かった。
そんな古内さんが亡くなられてしまい、これからどうなっていくのか…。
脚本家については、不安が大きいのです。
そこで…という訳ではありませんが、劇場版コナンに関わって頂きたい作家さんを考えてみました。
於地紘仁さん
テレビアニメ4代目監督の於地さんは、脚本家としても凄い方でした。
担当された脚本回は
- 第021話 「TVドラマロケ殺人事件」
- 第088話 「ドラキュラ荘殺人事件 前編」
- 第089話 「ドラキュラ荘殺人事件 後編」
- 第184話 「呪いの仮面は冷たく笑う」(1時間スペシャル)
- 第596話 「転落のアリバイ」
- 第603話 「降霊会W密室事件 第一の密室」
- 第604話 「降霊会W密室事件 第二の密室」
- 第605話 「降霊会W密室事件 密室解放」
- 第665話 「疑惑のイニシャルK」
名作ばかり。
特に好きなのは、「ドラキュラ荘殺人事件」、「呪いの仮面は冷たく笑う」、「降霊会W密室事件」。
全て緻密な密室トリックがウリのアニメオリジナル作品です。
この3本は未だに鮮明に覚えてますね。
「トリックの質」・「本格ミステリとしての腕前」で言えば、「コナン」に関わった全脚本家の中でも一番だと思っています。
監督・演出家としても、脚本家としても帰って来ていただきたい方であります。
一度でいいので於地さんの書いた本の劇場版を見てみたいんですよね。
今までのどの映画よりも本格志向の映画になると思うの。
(それが興行的に良いか悪いかは別にして。個人的には大歓迎)
宮部みゆきさん
「我らが隣人の犯罪」を読んだ時に、凄く感動したので。
ミステリとしての面白さと読後感の爽やかさが同居した素晴らしい短編。
コメディとしての側面を持たせつつも、しっかりとした謎と伏線を散りばめて、あっと驚く結末に持って行く手腕。
「コナン」にピッタリと嵌ると感じるのです。
我孫子武丸さん
最早好きな作家さんを上げるだけになってきてる。
人形シリーズのノリって、合ってると思うのですよ、「コナン」に。
ラブコメ×ミステリなので。
「探偵映画」みたいなのも良いな。
天樹征丸さん
「コナ金」が無理なら、こういうコラボだっていいじゃないみたいな。
1回限りになりそうですが。
「金田一」というより「探偵学園Q」のノリで書いて下さると、「コナン」にもフィットするんじゃないかな。
「金田一少年の事件簿」、「サイコメトラーEIJI」、「探偵学園Q」。
ミステリはお手の物。
「金田一」は「コナン」の先輩ですしね。
「Get Backers-奪還屋-」などでアクションも書かれてますしね。
というか、一回マジで「コナン&金田一」やってくれないですかね。
青山先生がシナリオ原案作って、トリックを天樹先生が考えて、青山先生とさとう先生でキャラクター原案を担当して…。
あーやま先生が過労死してしまう…。
終わりに
恩田陸さんとかも上げたかったのですが、「ドミノ」しか読んだことの無い自分が上げるべきではないと思ったので、やめにしました。
ミステリ・アクション・ラブコメの3本柱を書ける方。
一番はやっぱり於地監督かな。
「コナン」を知り尽くしているので、安心して見られそうですし。
なにより過去に携われた本が面白すぎるので。
来年はどなたが書かれるのか。
脚本家に注目しつつ発表を待ちたいですね。