この記事は
「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation」の短い記事です。
ネタバレは特にありません。
はじめに
「ダンガンロンパ」が何を目指した作品なのか見えてこないんです。
単純な殺人ミステリとしてみても、設定が猟奇染みていて残酷ですし、じゃあ「バトル・ロワイアル」のような暴力的な作品とも思えない。
で、ゲームであるという点を重んじると、余計に終着点が分からなくなります。
この作品が目指すべきところが分からないのです。
ゲームとして見返す
この作品の最大の目玉は、学級裁判ですよね、間違いなく。
殺人を犯したクロが誰なのか、学級裁判というシステムを通して推理。
多数決で、クロを指摘し、当たっていればクロが処刑され、外れたらクロ以外の全員が処刑されてしまう。
ゲーム上では、クロを推理できなかった時点でゲームオーバーなのでしょうね。
そんなシステムだから、この作品は、2人以下になる事が出来ません。
2人になって、じゃあ、どっちかが片方を殺してしまえばクリアかといえば、これだと学級裁判の意味が無くなります。
「ゲームとして」成立しなくなる。
また、ゲームの難易度も、犠牲者が増える度に実質下がっていきます。
章が進むほど事件が複雑化し、トリックが難解になるのかもしれませんが、容疑者の数はドンドン減っていきますから。
実際、ここまで3つの事件は、どんどん難解になって行ってる気もします。
第1の事件は、非常に単純でした。
ダイイングメッセージは「金田一少年の事件簿」の墓場島殺人事件とか見てると、すぐに思いつく単純なものでしたし。
第2の事件、不二咲の性別は隠す気ゼロだった為、本当の殺害現場とかは分かりやすかったですが、だけれど犯人の正体までには辿り着けませんでした。
今回の3つ目の事件。死体(山田はまだ生きてましたが)を移動した理由も犯人も分からず。
ハンマーの数字がトリックに関連してるんかなくらいは思いつくけれど、そういう思い付きが2,3浮かぶ程度。
難しくなってる気がします。
実際に事件自体は難解に凝った物になってるのかもですが、容疑者数は減っているので、第2の事件よりかは相対的に易しそうな気もします。
ゲームとしてこの作品を見ると、このままの形がずっと続くとはどうしても思えない。
間違いなく何らかのどんでん返しが待っていますよね。
第6話から推測できる最終章
第6話にて、メンバーの過去に繋がりがあったかもしれないという事が描かれてました。
また、5話のCパート及びこの6話で”裏切り者”。
モノクマら黒幕と通じる者がメンバー内に居る事も示唆されています。
これらの事を考慮すると、ある程度の人数にまで絞られたら、「最後の学級裁判」が開かれるんではないかなと思うんです。
最後の裁判の議題は、殺人者であるクロを見つける事ではなく、内通者が誰か見つける事。
その内通者を見つける方法としては、過去に出会った事が無いメンバーを見つける事に等しいのではないかと。
1人を除いて、メンバーは全員過去に出会っていた。
出会うどころか、親密な間柄だったのかもしれません。
何故かそれを全員が忘れている事が、これまた物語に深く関わってくるんでしょうけれど、さておきまして、1人だけ「かつて出会った事のない人間」であり、それが「内通者」であり、「最後のクロ」。
この内通者が、メンバー全員に恨みを抱いていて、それが作品全体を貫くドラマ性にも繋がっている。
そうしたら、ゲームとしてもスッキリする気がします。
「最後の2人」になるまで、無暗に殺人劇を繰り返さなくても良いし、「学級裁判」をクライマックスに持って来れる。
動機次第では、この作品が描きたいテーマをも描きだせる。
今時点で、「作品が描きたい事」「やりたい事」が見えてこない理由にも合点がいく。
あ。僕の理解力不足で、既に明確にテーマは打ち出されているのかもしれませんけれども。
にゃんだろう。
第6話は一つの転換点だったのかもしれないなと感じました。
終わりに
正直、そろそろ視聴を辞めようかなと思ってました。
僕自身単純な殺人劇とか残酷なだけの作品って苦手なんですよね。
苦手と言うか、嫌いなんです。
5話までは、そういう僕にとって嫌いな感じなだけの作品だったのですけれど。
6話で提示されたのは、この無意味にも思える殺人連鎖にも意味合いがあるかもしれないという事。
もう暫く見てみたいと思える点でした。
ただの殺人ドラマで終わらない結末が、最後に待っていると信じて…。