この記事は
「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」第52話の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
「To LOVEる-とらぶる-ダークネス」第52話「Mission date〜ドタバタデート〜」 感想
いつだったかの宣言通り、ここのところは連続して各ヒロインにスポットを当てたメインシナリオを離れたラブコメ回をやっている感じですね。
今回の主役は凛。
彼女を中心に、沙姫とリト、それぞれの「想いの掛け方」の違いが描かれていました。
リトと沙姫の対比が魅せる凛の気持ち
他人を慮って、他人の為に尽くす時。
大雑把に分ければ2通りの人種に分けられます。
1つは、あくまでもその人を気遣って、その人の気持ちを第一にして行動出来るタイプ。
尽くしたい人を立てて、その人が気持ちよく過ごせるように立ち振る舞える。
もう1つは、自分の趣味嗜好や流行にばかり頭がいってしまい、あまり尽くしたい人を考えられないタイプ。
ここに悪意が入ると最悪ですが、基本は「尽くしたい人の為」を考えているから悪気が無い。
良かれと思ってやっているけれども、人によってははた迷惑になりえてしまう行動になってしまう人。
前者がリトで後者が沙姫だったのかなと。
順に追っていきますと、最初はファッション。
凛はパンツスタイルが主で、スカートは制服位しか着ていなかった印象があります。
12話の時も今回と全く同じ服装ですから、これが普段着なんでしょうね。
性格的にもひらひらとした、女の子女の子した服を好まなそうですし、実際今回沙姫のコーディネートに不満顔。
「デートに相応しい、沙姫から見た凜に似合う服装」という沙姫の基本的思考は、確かに凛を想っての事。
けれども、凛にとっては勘弁して下さいと言う裏目の結果になっていて。
個人的な趣味で言えば、正直なところメッチャ似合っていたと思います。
沙姫の選んだ服も髪型も凛を輝かせていた。
けれど、本人がそれを受け入れてないので、やっぱりダメなんでしょう。
リトはちゃんとそこを理解して、「恥ずかしそうだから、元の服装の方が良いんじゃないか」的な方向にやんわりと持って行こうとしていました。
そんな凛への想いは果たせずに、沙姫の迫力に押し切られちゃうのが、リトらしいっちゃらしいんですがw
映画も同じですね。
冒頭で凛の映画の趣味についての話題がありました。
頭をからっぽにして見れるB級映画が好きだと。
わざわざ「恋愛ものや感動系よりも」と特定のジャンルを否定させて、沙姫はどうやらその会話が聞こえているという描写がなされている。
つまりは、沙姫は凛が「恋愛ものや感動系の映画を好まない」と聞いた上で、それでも彼女達に「涙なしには見られない真実の愛」なんてキャッチフレーズが付いた映画を見せていたと(汗
その手の映画がデートムービーとして巷で重宝されている…なんていうのは、わざわざ触れることでも無い程「定番のシチュエーション」ではあります。
沙姫にとっては凛を想っての選択だったんでしょうけれども、凛は全然楽しめてない表情。
もしもリトが見る映画の選定をしていたなら、恐らく凛の好むB級映画を選んだんじゃないかな。
リト自身凛と趣味が合うようなので、尚更。
観覧車の件は事情を知らなかったらしいので致し方ないとはいえ、沙姫とリトの違いが明確に出ていた一連の流れでした。
では、なんでこんな対比を描いていたのかといえば、きっと「凛がリトをどう想っているのか」を強調する為だったんじゃないかなって。
沙姫のプロデュースしたデートは、凛からすれば「楽しかった」とは言えないものだったに違いありません。
趣味でない服を着せられ、好きではない映画を見せられ、ボートに乗ったら事故り、高所恐怖症なのに観覧車に載せられる。
ボート事故は沙姫に非は無いですが、それでも凛にとっては何一つ楽しいと言える出来事は無かったでしょうし、そういう「楽しくない表情」ばかり描かれていて。
終いには、リトの想い人である春菜に遭遇。
これまた沙姫の策ではなく偶然だったけれど、折角のデートに水を差された恰好となり、普通に考えれば面白くありませんよね。
リトに気遣って自分から幕を引いたとはいえ、「ふんだりけったり」なんて言葉で締めくくってもおかしくないデートです。
それでも、凛は満更でも無いという表情。
総合的に振り返って、デートは楽しかったという気持ちになっていたようです。
沙姫の立てたプランは凛にとっては「悪かった」。
これは疑いようのない事実。
とすれば、それでも「楽しかった」となれたのは、間違いなく相手がリトだったから。
リトの「相手を想い、相手を立てる行為」があったからこそ、凛は満足したのでしょうし、それ程リトを想っているという事なのかなと。
短いお話の中で、リトと沙姫を敢えて対比させる事で、綺麗に凛の気持ちが浮き彫りになっていたと思いました。
終わりに
モモはいつから尾けていたのでしょうかねw
本当に抜け目ない子です。