この記事は
「DRAGON BALL超」の記事です。
ネタバレあります。
亀仙人より下なのが納得いかない
ヤムチャも歴戦の戦士です。
神様や界王様に修行を付けて貰い、完全に亀仙人の上を行っていたであろうヤムチャ。
既にベジータ襲来時には、ヤムチャの方が上であったと推測されます。
しかし、現在。
フリーザ再来時でも、力の大会でも亀仙人の方が上という扱い。
どういうことなのでしょうか。
ヤムチャの歴史
ここで簡単ではありますが、ヤムチャの半生を振り返ってみます。
AGE733 ヤムチャ生まれる。(0歳)
AGE749 悟空と出会う。(16歳)
AGE762 死亡。(29歳)
AGE763 生き返る(29歳)
AGE767 武道家引退(33歳)
AGE780 力の大会(46歳)
栽培マンと相打ちになって死亡していた1年間は歳を取らないとすると、こうなります。
因みに、ブルマ、天津飯とは同じ年に生まれており、死亡していた時期を考慮すると、ブルマが1つ上、天津飯と同い年ということになります。
引退してから13年間。
年も46歳。
修行してなかった悟飯の弱体化を見ると、修行しないと体が相当なまることは明白。
仙人であり、最近も修行をしていた亀仙人と力関係が逆転してもおかしく無い事が分かります。
大全集の記述をここで紹介しておきましょう。
【特】闘いではいつも真っ先にやられてしまう、ふびんなキャラである。
噛ませ犬的な扱いのヤムチャ
と、簡単にヤムチャが選ばれなかったワケは判明しちゃうのですが、「Z戦士」にワクワクしていた僕としては、ヤムチャのこの扱いはあんまりだなと。
そこでヤムチャをフォローしてみましょう。
噛ませ犬的な扱いのヤムチャ。
ですが、噛ませ犬って実力が伴っていて初めてなれる存在なのです。
ここからはこの記事を引用しています。
噛ませ犬ブルース〜噛ませ犬キャラの凄さの証明〜 – アニメな日々、漫画な月日
噛ませ犬の2つの意味
そもそも噛ませ犬って何じゃらほいという事で、ググってましたらニコニコ大百科がヒットしましたので、引用させて頂きます。
引用元:ニコニコ大百科 かませ犬とは
かませ犬とは、闘犬用語で若い闘犬に自信をつけさせるために噛ませる犬のことを指す。また、上記の闘犬用語から漫画やアニメなどで主役格や敵の強さを際立たせるためのやられ役、引き立て役のことを言う。
敵だったキャラクターが味方になると、新たに現れた敵のかませ犬役になることが多い。
此処からも分かる様に意味が2つありそうです。
1つは「やられ役」。
2つは「引き立て役」。
これらは混在する事もあるでしょうけれど、基本的にはそれぞれ独立して作用すると考えます。
ポイントは「強さを際立たせる」という一点。
これを念頭に置く事で、一括りに噛ませ犬と呼ばれるキャラ達を二分する事にします。
この作業は、「噛ませ犬の凄さを証明する」作業には大事になってきますので。
作品をピックアップしつつ、それぞれ持論を展開します。
「やられ役」の意味合いでの噛ませ犬
やられ役というのは読んで字の如く、ただ単にやられてしまうだけの役。
云わば「雑魚キャラ」ですね。
雑魚キャラは何処まで行っても雑魚キャラです。
何人寄ってたかろうと、誰の強さの引き立て役にもならないんですよね。
例外があるとすれば「ONE PIECE」魚人島編でのルフィVS魚人海賊団とかでしょうか。
覇王色の覇気で何万と居る雑魚を一蹴したルフィの描写は、「2年間で成長した(強くなった)ルフィ」を端的に表しておりました。
他にも例外はいくらでもあるでしょうけれど、基本的には「強さを際立たせる」事の無いキャラ。
赤末有人(「るろうに剣心」)、スーパースターマン(「とっても!ラッキーマン」)とかでしょうか。
スーパースターマンは「雑魚」と呼びたくはないですが、「弱い」ですからね。
実力で勝った事もありますが、特に初期は彼がやられてもギャグとしてしか作用せずに、敵宇宙人の強さを際立たせる事はありませんでした。
こっちの意味での噛ませ犬は、「誰でもなれるポジション」です。
「引き立て役」の意味合いでの噛ませ犬
「DRAGON BALL」のヤムチャを例に取って見ます。
もしもジャッキー・チュンの初戦の対戦相手がランファンだったら?
もしも天津飯に足を折られたのがパンプットだったら?
もしもシェン(神様)と戦ったのが無名の新キャラだったら?
物語的にも何の盛り上がりも無ければ、悟空のライバル達の強さも示せない。
なんの引き立て役にもならず、ただのやられ役で終わります。
1つ目の意味合いの噛ませ犬にしかなりません。
「主人公や敵の強さを際立たせる」のが噛ませ犬である。
そう考えるとこの時点での適任者はヤムチャしかいないんですよね。
物語を振り返ってみると、悟空に初めて強さを認められたのがヤムチャでした。(育ての親の悟飯は除く)
出会った順番で言えば亀仙人の方が先ですけれど、悟空が亀仙人の強さを認識したのはヤムチャに出会った後ですから。
(原作と「SD」ではこの順序が逆になってますね)
腹減っていたとはいえ悟空とほぼ互角の戦いを繰り広げた最初のライバル。
それだけに彼の強さは読者にも納得いくもので、かつ、「敵の強さを示すには具合のいいキャラ」なんですよね。
つまり、「引き立て役」としての噛ませ犬になるには、主人公に強さを認められている事が条件なんです。
半端な者では噛ませ犬にもなれない。
この意味合いでは、誰でもなれる訳じゃないポジションであると僕は考えます。
ヤムチャだったから…なんです。
彼が実力者である証であり、確かに第23回天下一武道会編までは彼は噛ませ犬としての役割を全うしておりました。
神様に本気を出させ、強さを認められた男。
ヤムチャは凄い男なんです。
物語後半、その噛ませ犬にすらなれなかったなんて言ってはいけません。
ヤムチャが悪いんじゃないんです。
強い敵を求め続けた僕等ファンが悪いんですw
他にもベジータ(「DRAGON BALL」)、クロコダイン(「ダイの大冒険」)、阿散井恋次と日番谷冬獅郎(「BLEACH」)、ジェノス(「ワンパンマン」)等はこの括りに入ります。
という訳で、噛ませ犬と言っても、こちらの意味合いでの彼らは決して馬鹿には出来ない存在だと言いたかったりします。
ベラミーの特異なところ
ところで、どちらにも入りそうもないキャラも居ます。
面白いのがニコニコ大百科のリストに挙げられているベラミー(「ONE PIECE」)ですね。
初登場時はただのやられ役だったんですよね。
モックタウンの酒場に居た海賊共には、ルフィの強さを引き立たせる存在として機能してましたが、僕等読者からしてみればただの雑魚海賊。
あそこは「ムカつくベラミーを一瞬で倒して、調子に乗った海賊たちを黙らせる」のが爽快でありカタルシスを感じるシーン。
本当にただの「やられ役としての噛ませ犬」でしかありませんでした。
ところが、ドレスローザ編でまさかの再登場を果たした彼は懸賞金も跳ね上がり、強くなっていました。
その額は1億9500万ベリー。(初登場時は3800万)
この漫画では懸賞金が強さの指標(の1つ)として使われている為、戦わずして彼がかなり強くなったのだという印象を読者に与えられる訳です。
そんな強くなったベラミーですが、コロシアムでまさかの惨敗。
バルトロメオの強さを際立たせる役目を担っていました。
2度の登場でどちらの役目も担ったベラミーは稀有な存在なのかもしれません。
最初はただの「やられ役」でも、後に力を付けて「誰かの強さを際立たせる役」になる。
結果としてはどちらにしても負けてしまう訳ですけれど、キャラの「格」としては昇格と言えるのではないでしょうか。
まとめ
再び引用してみます。
かませ犬とされるキャラクターは読者に「優越感」と「侮蔑・嘲笑」そして時々「同情」を提供する。
それだけではなく、「敬意」を払っても良いキャラ達でもあると思うんです。
「敵の強さを際立たせる」には、最低限張り合えるだけの強さが必須。
そして、作品に絶対に必要な存在でもあります。
「ワンパンマン」なんて分かりやすいですよね。
サイタマの強さを際立せてる敵って今のところいない。
ワンパンで倒されるだけの敵を強いと思えないのと一緒で、彼らとの戦いだけではサイタマの強さを描けない。
サイタマの強さを際立たせているのは、多くのヒーローが居るから。
彼らが敵わない敵を倒せるというクッションを挟む事で、ようやくサイタマの圧倒的な強さを演出出来る。
強さの見せ方なんて色々で、噛ませ犬を登場させなくても描ける事もあるでしょう。
けれど、彼らが居る事で強さを分かりやすく示せる事も出来る。
噛ませ犬キャラは敬意を払って然るべき凄い人たちなんです。