「映画 ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」感想

この記事は

「映画 ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

どうしても第2作の「のび太の宇宙開拓史」とごっちゃになっちゃうな…。
コロナによって1年間の延期となっていた「のび太の宇宙小戦争」のリメイク作品です。
鑑賞してまいりましたので感想です。

スネ夫大活躍

わさび版になってからリメイクされてきた作品は、今回で7本目。
僕はその中で「新・のび太の大魔境  〜ペコと5人の探検隊〜」と「新・のび太の日本誕生」と本作のたったの3本しか鑑賞していません。
なので、あくまでもこの3作の中での共通項としてなのですけれど、原作よりもメインキャラの心情にスポットを当てているなという思いを持っています。
過去2作が、主人公であるのび太の活躍や心の機微をより強くしていたのに対して、今作はスネ夫がその役割を担っていたんじゃないでしょうか。

元々スネ夫の活躍が目立っていた原作とオリジナル映画。
とはいえ、僕も原作を読んだのは小学生時代なので、かなりあやふやなのですけれど、それでも原作以上に活躍している感じを受けました。
「活躍」というか、彼の心の葛藤をより強く押し出していた感じですね。

どう考えたところで、やっぱり怖いよ。
大人だって怖いさ。
のほほんと平和な日常を送っていて、喧嘩だって偶にしかしないような生活の中で、ぽんと「戦争」に放り出されたらさ。
それも相手はSF映画でしかお目に掛けないような宇宙船(バリバリ攻撃してくるタイプ)やらバンバン使ってくる宇宙人。
のび太やジャイアンが異常なのであって、スネ夫のように怖がって塞ぎこむのが普通。

そりゃ大きさと言うハンデがあれば別だったけれどね。
スネ夫も最初は大きさの違いを理由に強がってましたもの。

それがひょんなことから、同じサイズになったら、もう優位性はいっきに失われて。
残るのは恐怖心のみ。

いつもは従ってるジャイアンに怒鳴ってまでも、怖くて堪らないという正直な気持ちを吐露したシーンは、誰もが納得できるし、感情移入できると思うの。
それほどまでに怯えていたのも無理からぬことってね。
そんな状態のスネ夫を勇気づけたのが、キーパーソンであるパピなのが本作のオリジナルシーン。

原作では、しずかと引き換えに連行されてっちゃいましたからね。
ピリカ星付近までドラ達とパピが一緒に行くように原作を改変したのは、全てこのシーンの為だったのではと想像しています。

パピについて、面白いなと思ったのが、人質となったしずか解放を巡るドラコルルとの交渉シーン。
「ドラコルルは約束を守ったことは無いが、自分は嘘を言ったことなどない」。
要約ですが、こんな感じのやりとりをして、ドラコルルが信じちゃうんですよ。
一般論(?)からすると交渉にすらならないですよ、これ。
「僕は嘘をついたことが無いから、約束を違わず人質を解放すれば逃げずに投降する」って言われて、はいそうですかと応じることは無いよね。普通。
副官(彼もオリジナルキャラ)は疑うも、あっさりとドラコルルは信じちゃう。
交渉の「異常さ」を強調する為に、副官は配置されたのではと信じたくなるようなドラコルルと副官のやりとりでしたよ。

何が言いたいのかと言えば、敵が認める程にパピは正直だという事。
しずかを取り戻した直後のやり取りを見てれば、パピの「噓は言わない」信条をスネ夫は理解してただろうから、パピの言葉に素直に勇気づけられるのも納得できちゃう。

それでも、いざ出撃するとなると1人「行きたくない」というリアクションを取り、敵が攻め込んでくれば恐怖で逃げ出す。
こういうところ含めて、非常に人間臭いというか、等身大の少年らしいリアクションだったと思う。
しずかも勇敢すぎたよねw

 

誰もが怖いという感情を持っている。
パピもそうだし、ガクブル震えてたのび太もそうだし。
しずかもそう。
ジャイアンは今作に於いては例外かなw
それでも彼らが「動いた」のは、それぞれ怖さを上回る感情を持っていたから。
スネ夫も同じでしたね。
あそこでしずかが一緒に震えていたら、彼はそのままだったのでしょう。

結局のところ、怖くない人間なんていない。
怖くないから立ち向かえるのではなくて、怖さよりも大切な感情があるから立ち向かえている。
「友達だから助けるのは当たり前」という単純な動機よりも、こういったスネ夫(しずかもそうだね)ならではの動機の方が、「戦争」に立ち向かう少年の心の機微として自然に思えました。

終わりに

来年はオリジナルかな???
「雲の王国」のリメイクかなとも思ったのですけれど、飛行船は関係ないし…。
分からなかったですが、来年も行こうかな。

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