映像と音楽の印象が一致した時、その作品はいつまでも記憶に残る

はじめに

ふと耳に届く懐かしい音楽。
昔良く好んで聞いていた歌。

聞いているうちに、段々と当時の記憶が蘇ってくる…なんてことは誰にでもあるかと思います。
かくいう自分も同じ。
例えばですね、「DRAGON BALL 最強への道」絡みの記憶。
この映画のCMのバックで「FIELD OF VIEW」の歌が流れておりました。
FOVといえば、映画公開とほぼ同時期に始まった「DBGT」のOP曲「Dan Dan 心魅かれてく」を歌っていたグループ。
この映画の主題歌も同曲だった訳ですが、CMでは別の曲が使われていました。

でも、テロップも無く「良い歌なのに、タイトルが分からない」という事が長らく続いていたんです。

それから十年以上経ったある日。
ニコニコ動画で、勉強のBGMとしてFOVの曲をガンガン流していた折り、ふと聞こえてきたとある歌。
初めて聞いた曲なのに、どこかで聞いたことがあるという妙な懐かしさを覚え、集中して聞いてみて、思い当った。
もう速攻でググって、曲名から「最強への道」CMで使われていた曲と知り、CDを買いに走りました。

まあ、僕のどうでもいい思い出は置いといて。(FOVは最高なので、是非再結成して欲しいです)
音と記憶って思いのほか強く結びついているんですよね。

そこで、音と記憶に何か関係があるのかなと思って調べてみたら、次のような文献に当たりました。

「映像と音楽の相互作用における記憶促進要因」(pdfファイル)

この文献の序論で触れられていますけれど、「音と記憶には、密接な関係がある」という事が科学的にも証明されつつあるようです。
少しだけ序論を漸くさせて頂きますと
「映像と音楽の印象が一致した時、その逆(映像と音楽の印象が不一致となった場合)に比べて、強く記憶に残りやすい」
そうです。

ああ〜成程な〜と。
妙に納得してしまいました。
この記事では、音と記憶についてgdgdと綴ります。

映像作品での音の種類3つ

さて映像作品で音というと、何があるか。
一つは効果音(SE)。

僕の場合「DRAGON BALL Z」の効果音(と似た音)をよその番組で聞くと、すぐさま同番組を想起します。
かめはめ波等気功波系の技を放つ時に流れていた音や気が戦士の体を覆っている時の音など。
同じ東映アニメ―ション作品や「銀魂」等で似た音を聞く事が良くあります。

その時はどうしても「DBZ」が頭を過ります。

二つ目はテーマソングですね。
テーマソングという訳では無いですが、上に挙げた「DBGT」の例がそうかな。
特に昔のアニメ作品は「このアニメと言えばこの曲」と言えるようなテーマ曲が必ずありました。
今はタイアップが増えたことや放送期間が短い事等の理由で、こういった事が少なくなっていますけれど。

そうそう。
個人的には今放送中の「HUNTER×HUNTER」のOP曲に対する姿勢が好きだったりします。
NTVでは69話まで放送された同アニメは、1話からずっと同じ曲です。
2番にしたり、短縮バージョンにしたりしてますけれど。
ENDが現在3代目の中、頑なに曲を変えずに、映像だけで変化を付けています。

これ賛否はあるかと思います。
てか、否の方が多いかもしれません(汗
曲が気に入らないと早く変えて欲しいと望みますし、そうでは無くとも長く続けば、そろそろ変わって欲しいと思ってしまうものですし。

でも、僕はこの「今時なかなかやらない」今作の姿勢が好きですね。
「新HUNTER×HUNTER」といえば「departure!」と言えるから。
テーマソングの正しい意味を表現できているのかなって。

最後は三つ目。BGM。(挿入歌もここに区分け)
前書きが長くなりましたが、ここが本論です。

「ARIA」シリーズのBGMと映像のマッチ感が最高過ぎる

テーマソングよりもある意味、こっちの方が記憶に残る事って少なくない気がします。
映像作品で一番長い時間使われているから…かな。

だから、BGMを聞くだけで、作品そのものを思い出す事があります。
「踊る大捜査線」、「古畑任三郎」、「相棒」等TVドラマはこの傾向が個人的に強い。
アニメでは「名探偵コナン」もかな。
で、僕にとっては「ARIA」シリーズが、この代表作ですね。
音楽担当はChoro Club feat. Senooさん。

映像と音楽がマッチしているという意味では、最高峰に位置する作品であると思うのです。
優しくまったりとした映像(お話)を増幅させる、印象深い癒しの音楽の数々。
僕が初めて手に入れたサウンドトラックも、このアニメでした。

もう、名曲ばかり。
一曲一曲聞くだけで、脳裏にその曲が使われていたシーンが蘇ってきます。
序盤などで多く使われていた「AQUA」がありきたりと思われるかもですが、一番好きかな。
「ゴンドラの夢」とか「そして舟は行く」、「夏便り」等々名曲ばかりですが。

これは作品の監督を務められた佐藤順一監督の「演出」なんでしょうね。
wikipediaには

東映動画時代に社内方針で演出回において音響を兼ねていた経験から、フリー後は音響監督を担当することもある。
また音楽の使い方にこだわりを持ち、脚本・コンテの段階から選曲を決定し音楽に合わせて絵を作りこんでいる。

とあります。

作品によっては音響監督を務める佐藤監督ならではの素晴らしい「演出」。
(「ARIA」でも佐藤監督が音響監督を兼ねています)

最高のBGMが、いつまでも作品を記憶に残すという意味では、最高の演出効果なんではないでしょうか。
癒しが作品の売りとなっていた「ARIA」に、最高の癒しを与えてくれる音楽が付加されていた。
映像と音楽の親和性という事に掛けては、僕自身最高の作品だと思っています。

栗コーダーカルテットとアニメ

もう一つ、個人的に印象深かった音楽を。
栗コーダーカルテットさんですね。
「ARIA」が映像との一体感の最高峰ならば、こっちは「音楽の印象が滅茶苦茶強い」という感じ。

僕が最初に触れたのが「あずまんが大王」。
(「栗コーダーポップスオーケストラ」名義)

リコーダーの音って、もろに「学生時代の象徴」な所があると思っていて。
リコーダーというだけで妙に和む。平和だな〜とか思っちゃうw

「さぁ、始めよう」とか今聞いても良いと思いますもの。
アイキャッチの音楽とかも好きだったな〜。
「てってれーてててって、てってって」とかってやつ。(これで伝わる訳無いと分かりつつ…)

んで、最近脳内で何故か再生されるのが「つり球」のBGM。
何故脳内でリピートされるのか自分でもよく分からないけれど、何故か流れてくる。
で、やはり「つり球」の映像も同時に思い出す。
特に序盤のユキ達が楽しそうに釣りをしているシーンが。

音楽と記憶って本当に結びついてるんだな〜と。

終わりに

BGMって色々な場所で耳にします。
TVのバラエティ番組だったり、ニュース番組だったり。
ニュース系では「金田一」とか「犬夜叉」あたりが人気ですよね。同じ和田薫さんの音楽。
深夜アニメのBGMも耳にする事が最近では珍しくなくなってきました。

そういった時、ふと耳に入ってきた音楽から、その音楽が使われていたアニメを想い出す事。
もしそんな経験があったならば、その作品はその人にとって「映像と音楽の印象が一致した特別な作品」なのかもです。

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