「金田一37歳の事件簿」 第2巻感想 破られたシリーズのタブーと高遠の変心に関する考察

この記事は

「金田一37歳の事件簿」第2巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

「37歳」1巻の感想の時に小説版「金田一くんの冒険」2巻を読めてないって書きましたが、あれから読み切りました。
「金田一くん」1巻よりもミステリしてて良かったのですが、今度はこれの感想をいつ書こう。
3巻出た時に纏めて書こうかしら。
完全に時期を逸した感があります。どうでもいいね。
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はい。
第2巻の感想です。
ネタバレ注意!!

ミステリがおそまつさん

ちょっと辛辣な感想から入ります。
「歌島リゾート殺人事件」はミステリ的には、シリーズ史上でも下から数えた方が早い位のレベルだったと思います。
ちょっと残念でした。
掘り下げて感想を書いてみます。

トリックの感想

印象としては、小手先の小さなトリックの寄せ集めって感じだったので、「これは!!」というのは無かったです。
唯一良かったと感じたのは、シャンデリアでの殺害方法ですね。
LED電球を使ってシャンデリアに見做していたというのは予想通りだったのですが、殺害方法については全く予想外でした。

僕は
シャンデリアを落として殺害⇒その後に、LED電球をシャンデリアと見做して落とした
のかと思ってたのです。
なんだかこれでもいけそうですが、きっと「どの時間帯に落としたとしても、シャンデリア落下時の音は誰かに聞かれていた」想定なのでしょうね。
背負い投げで被害者の方を落としたというのは、確かに逆転の発想で愉快でした。

犯人絞り込みのロジック

珍しくというか、初めてですね。
読者が論理的に犯人を特定することは不可能だったでしょう。

トリックは誰にでもできることだし、問題編に証拠も出て来てない。
「看護師の感覚」というのは、あまりにも杜撰な絞り込み方です。

せめて2話でサービスシーンに紛れ込ませた胸の黒子という個人を特定出来る決定的なカットを出したのです。
整形前の犯人の写真を問題編で出して欲しかった。
とても安易な伏線にはなってしまってますが、無いよりマシです。

ミステリ部分総括

正直に言えば、トリックも犯人特定のロジックも今までになく練り込みが甘すぎるように感じました。
連載誌が移籍した事で、編集者が変わってしまったのでしょうか。
にしても、うううん。
必殺スケジューラー・T丸さんが担当を離れたのはやっぱり痛手だった気がしますね。
(都〇さんが昇進したのはかなり前ですけれど)
天樹先生にダメだし出来る人がいなくなっちゃったんじゃないかな?
分かりませんが。

正直このレベルが続くようであれば、厳しいと言わざるを得ないです。
僕としてはファンを辞めたくないので、どうなっても最後まで買い続けますが、ミステリファンからはそっぽ向かれそう。
あ。
ミステリファンであればあるほど、「異人館村」に端を発した理由で、この漫画が嫌われてるというのは今は見ない方向で(汗

兎も角、タワマン編からは持ち直してくれることを期待です。

高遠来た!!

ミステリについては、まぁ、こんな感じでしたが、犯人像は非常に新鮮。
なにより「禁忌」を破ってきた事が驚きでした。

天樹先生は常々動機を大切にしてる事を謳ってました。
作品には、愉快犯や殺人狂を出さない・出したくないとまで言っていたんです。

それがどうでしょう。
動機なんて無し。
ただ邪魔だから殺してきたという、最悪の犯罪者でした。

どうもタワマン編の犯人達も、今のところ背後に深い動機がありそうもないです。
これが何を意味してるのでしょうか。
ハジメが持つ「性善説」を否定して来てるのか?

「金田一少年」起ち上げ時から天樹先生が持っていた主義を曲げてまで、大きな変化を見せたのです。
「37歳」全体を貫くなんらかの意図があるのでしょう。

その意図に関係してきそうなのが、高遠ですね。
なんと20年前に決着していたとは。
これについては今後「金田一少年」の方で語られそうですね。

なので、決着の物語自体も気になるっちゃなるんですが、そこは置いといて、やっぱり一番気になるのは、彼が大人しく捕まり続けてる理由ですね。
ホントは20年前に捕まった高遠が、現在27歳の麻生にいつ出会ったのかが一番の謎なのですが^_^;
そこはツッコんじゃダメなポイントなのかなと(笑

かつて何度も脱走を繰り返してきた高遠が、何故今回に限って逃げないのか。
そして、麻生のような計画性の無い迂闊な人間を弟子としたのは何故なのか。

高遠は「不出来な人形」を嫌います。
ぼろを出した人形は躊躇なく制裁を下すクセがあるので、今回麻生の殺害を命じたこと自体は納得なのです。

ただ、一通り調べてる筈なのですよ。
人形候補の事は。
「自分の授けた不可能犯罪を最後まで完遂できる能力がある」とある程度見込んできた上で、計画を授けて来た節が今まではありました。
ところが、麻生は自分でも云う位、当時から爪の甘い犯罪者だった。
高遠は、そんな麻生のどこを見込んだのか?

となると、性格しか浮かばないんですよね。
何らかの理由があって、敢えて「動機の無い犯罪者(予備軍)」を探していたのかなと。

何のためなのかが想像出来ないので、妄想の域を全く出ないのですけれどね。

なんにせよ、高遠が変わったことは確かです。
同じく変わってしまったハジメとどのような戦いを繰り広げるのか。
ここはシリーズ最大の注目点になりそうです。

美雪と…

以前僕は美雪が死んでるのではというとんでも記事を書きました。
nuruta.hatenablog.com
意外とアクセス数が多くて驚いてます。
皆今の美雪の行方が気になってるようですね。
今回も美雪について少しだけ推論を書いてみます。

先に結論から言うと、美雪は生きてる可能性が高くなったということ。
上の記事にあるような妄想は無さそうです。
ただ、2人の間は冷え切ってるのかなと。

事件解決したタイミングで美雪から送られてきた1通のライソ。
そこにはこう記されていました。

大変だったねはじめちゃん
でも事件が解決して良かった
ちょっとだけ一緒に
いたかったかも…
なんて♡

なにこのワケアリメッセージ。

多分殆どの人がある点が気になったと思います。
僕が気になったのも同じところ。
赤字部分。

特に「なんて♡」。
おちゃめな感じが出てますけれど、これはオカシイです。
通常、この単語は、「直前の文章の否定」の意味で用いられます。

つまり、「ちょっとだけ一緒にいたかったかも」の部分を否定してる訳です。
「一緒に居たかった」のは嘘。
「ちょっとだけ」とか「かも」というのも、どちらもこの嘘を強調していますね。

未だにメッセージアプリで繋がってる割には、美雪はハジメに会いたくないという意志が見て取れるんです。
あれだけ幼馴染として、好きな男子として側に居たハジメを遠ざけている。
一体何があったのか????

その「何」が、ハジメが謎を解きたくない理由になってそうですね。
で、15話読んでいて脳内に浮かんだのが「玲香何してんだろ」ってこと。

てか、確実に彼女の身に何かあったでしょ?

「金田一君…助けて」って…。

ポッと出のキャラの可能性も無くは無い。
けど、主人公の秘密のキーになるほどのキャラです。
物語的に盛り上がるのは、それなりに知られているキャラですよね。

ハジメのことを「金田一君」呼びするキャラって、メインどころだと玲香しかいないんですよ。
美雪は「はじめちゃん」だし。
フミは「はじめ」。
剣持、いつき、草太は呼び捨て。
佐木2号は「先輩」。

明智?
いや。健在だし。
というか明智がハジメに助けてなんて死んでも言わんでしょ。
そんな明智見たくない。

玲香何してんだろ…。
不幸すぎる彼女の身に、今までにない不幸が降りかかったのでしょうかね。
だとしたら、可哀相すぎる。

なんだか、玲香のことを考えると、まりんが玲香ポジションに被って見えてきました。
今までは美雪ポジかと考えてたんですが、違うのかも。
そりゃ「幼馴染で好きな女の子」ポジなんて、易々と変わりはききませんからね。
「ハジメのことを好きだけれど、報われない女の子」ポジションの方が近い。

もし玲香に変わるポジションとしてまりんが出て来たのだとしたら…。
玲香の命が心配。

終わりに

次は3月か。長いでござるな。

取り敢えずタワマン編はミステリに期待ですね。
汚名(は言い過ぎか)返上して~。

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