劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」感想 OP史上最高の激燃えバトル映画だった

この記事は

劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の感想です。
ネタバレあります。

期待してなかった

実のところ、僕は全然期待していませんでした。
僕の中で「FILM Z」、「GOLD」と「STRONG WORLD」を超えてこなかったからです。

「ワンピ」の魅力はいくつもありますが、その1つにドラマがあると思っています。
ただ単にド突きあいで終わらずに、そこに至るまでの過程に沢山のドラマが込められていて。
張り巡らされた伏線を拾いつつ、ドラマを丹念に描いて、バトルのカタルシスに繋げることを得意としている漫画です。

しかし、東映アニメーションが中心になって作っていた「STRONG WORLD」以前は、ドラマ性が希薄でした。
上映時間の短かった「東映アニメフェア」時代はまだしも、長編として独立してからもバトルアニメ映画のテンプレに乗っけた映画が多く、それが「ワンピ」らしさを失わせていた要因だったのかなと。

新しい敵と新しい悪魔の実。
そこにばかり注力されたシナリオは、やはり一本調子になりがちでした。

「STRONG WORLD」がヒットしたのは、尾田先生の参加やゼロ巻も然ることながら、しっかりとドラマ性を盛り込んだことが大きかったのだと思います。
僕にとってはそうで、「STRONG WORLD」こそが「ワンピらしいワンピ映画」だと今でも評価しています。
ナミを中心に置いたドラマ。
仲間を取り戻すためのバトル。
そのバランスが程よく、原作を読んでいるような感覚に浸れる映画だったのです。

しかし、その路線は続きませんでした。
厳密にいえば、「敵のドラマ性」に比重が置かれてしまったのです。
「FILM Z」は、どこか重たい雰囲気を纏った映画。
これも魅力の一面なのかもしれませんけれど、僕はあまり望んでなかった方向性だったのです。

一転、「GOLD」は敵のドラマを詳細に設定しつつも、最低限しか見せないことで「ワンピらしいエンタメ作品」になった作品。
見ていてただただ楽しかったのは確かなのですけれど、もう1つなにか物足りなさがあったのですよね。
もう1枚の壁を越えて欲しい「何か」があったんです。

「楽しい」だけで「記憶には残りにくい」映画だったんです。

今回も楽しいのは確かでも、何か記憶に残る様な映画にはならないんだろうな…。
そう考えていたので、期待してませんでした。

だがしかし、違った。
全然違った。
予想を遥かに凌ぐ映画だった。
これは楽しいだけではない、興奮を覚える記憶に残る映画だ。

バトルバトルバトル

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©2019「ONE PIECE」製作委員会

ここまでバトルに全振りした映画は、それこそ「東映アニメフェア」時代に戻ったと言えるのかもしれません。
けれど、何分スケールが段違い。

20周年記念作品ということもあるのでしょう。
作画の気合の入り方が半端じゃありませんでした。
CGも「本当に低予算で有名な東映アニメーションなのだろうか?」という位、今までにないレベルの高さ。
絵が激熱で力が入ってるからというのも、見ていて熱く興奮できた理由の1つなのかもしれません。

ただただ凄すぎるバトルで、それは今回の敵であるダグラス・バレットの強さを魅力的に描いていたから。
あまりにも豪華すぎる「噛ませ犬」達を一蹴させるという緒戦が大きかったのかなと。

噛ませ犬キャラってよく下に見られがちですけれど、そう簡単に作れるキャラじゃないんですよ。
同じことを僕は何度かこのブログで書いてきましたが、また繰り返しますと、噛ませ犬もしっかりと強いということを視聴者が知ってないといけないのです。

そうじゃないと「あいつが負けたんだから、今回の敵は相当強いんだな」って考えられないじゃないですか。
「そりゃ、あのキャラには余裕で勝てるでしょう」なんて思われちゃ、噛ませ犬失格です。

強いという認識が視聴者が一様に持てていないと成り立たない。

となると、あまりにも豪華なメンツ。
今回の噛ませ犬さんたちは、最悪の世代の船長達。
四皇の幹部もいれば、元七武海もいる。
しかも、この中にはルフィまで含まれているのですから、史上最強の噛ませ犬と言えるのかもしれません。

一部では四皇と並んで「5人目の皇帝」とまで呼ばれるようになったルフィと同等の扱いを受けている最悪の世代。
ローを除く9人の最悪の世代が総がかりで挑んでも大したダメージを与えられなかったダグラス・バレット。

さらにバレットはガシャガシャの実の能力を使って、自分の船と「合体」。
一層手が付けられない怪物になってしまったのだから、その強さの表現はかつてない程だったんじゃないかな。
分かりやすかったし、なにより「今までの映画の敵が束になっても敵わなそうな迫力」を感じました。

ドラマなんて全く感じさせないほどバトルに特化した映画の敵に相応しい強さに思えたのです。

周年記念作品にありがちなオールスターをしっかりとやりつつ、「オールスターにせざるを得なかった事情」をシナリオに落とし込んでいた点も見事。
海軍の中将以上を含む主力や海賊、七武海に革命軍。
あらゆる戦力が集結し、彼らの強さをも「バレットの強さを引き立たせる為」に徹底的に利用。
そこまでしても倒せない敵をさぁ、どうやって打ち負かすのか。

終盤に向けての盛り上げの役目を果たしているんですよね。
最高の噛ませ犬たちがいてこそのバレットの強さの説得力。
映画らしい豪華な仕掛けでした。

ウソップ最高だぁぁぁ

ロー、サボ、ハンコック、スモーカー、クロコダイル、ルッチ。
あとついでにバギー。
絶対に共闘することのないメンツを集めて、ガリガリとバレットを削りつつ、ルフィが見たことも無いほど空気を溜め込んだ特大の拳で穿つ。
装甲を砕いたら、「最弱」にして「弱さの象徴」であるウソップがバレットの最後の鎧を剥ぐ。

もうね、最高だよね。
強さだけじゃない強さを描いてくれるのが「ワンピ」。
今回のウソップは最高に格好良かった。
影の主役と言ってもいいくらい。

一度は倒されながらも、起き上がってたった1人でバレットに向かっていっただけでも最高に熱いのにさ。
ズタボロの身体に鞭打ってまでルフィを救って、で、ある意味トドメでしたよ、あれは。

バレットが唾棄したウソップがいたからこその勝利。
そこが最高にカタルシスを感じるよね。

ドラマ性を放棄してるんだけれど、バトルの中でしっかりと「ワンピらしいドラマ」を埋め込んでくれる。
シリーズ史上屈指のカタルシスを感じたトドメでした。

終わりに

バランスの良さでもあって、No.1は「STRONG WORLD」なのは今でもそう。
ただ、今作は「STRONG WORLD」に限りなく肉薄した大傑作でした。

バトルの迫力は、日本のアニメ史上でも屈指と言うのは言い過ぎでしょうか。
いやいや、個人的には5本の指には入れたいくらいのバトルでした。
その点で間違いなく記憶に残るし、残っていくはず。

大満足の映画でした。
ただ、唯一失敗したのは、通常の上映回にしたことですかね。
間違いなく4DXとかMX4D向きの映画。
初見は絶対に4DXかMX4Dを選ぶべき映画ですね。

2回目になるけれど、行きたいな。
給料入ったら、近くの劇場で探して見に行こう。

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