はじめに
先ずは10巻、vs真音の行方が気になりますね。
どう決着するのか。
楽しみに待ちたいです。
9巻の感想で僕はこう締めくくりました。
ラスボス・真音。
さぁ、さぁ、どう景太は挑むのか!?
シリーズ最大にして最強の真音とのシリアスな決闘の行方は!?
心躍りながら本を掴む僕。
はやる気持ちが、裏表紙のあらすじに目を向かせます。
ではここで、そのあらすじを見てみましょう。
バレンタイン。ぼっちとは完全に無関係な出来事だ——去年までは
魔王とのボス戦後、こじらせゲーマーたちは新たな恐怖【バレンタイン】に頭を抱える……。
今更チョコ『ゼロ』に怯えるぼっち、勇気を振り絞るワカメ、ドン引きチョコを作る金髪。
それぞれの甘い(?)1日が始まる!
おや!?
もう1度見てみましょう。
魔王とのボス戦後、こじらせゲーマーたちは新たな恐怖【バレンタイン】に頭を抱える……。
なんかあっさりと事後扱いされてる~!!
え?え?
なに、この作品に於いて、結構大きなイベントだと思ってたのに、実は小さなイベントだった的な!?
あんだけ煽っておいて、引っ張って、あっさりと!?
うええええ???
「ゲーマーズ!」第10巻感想です。
ネタバレありますので、ご注意ください。
何故伏黒真音が登場するに至ったのか?
弱冠唐突に斜めの方向から現れたこのラスボス。
改めて立ち位置を考えると、まぁ、不思議な存在です。
物語のスタートとゴールを設定し、この線上のゴールの直前に配されるのがラスボスと定義すると、真音はこれに当てはまらないように見えます。
スタートが「景太が花憐と出会う」であるならば、ゴールは「景太がヒロインと結ばれる」です。
現状このヒロイン候補には、本命の花憐と対抗の千秋の何れかです。
心春も景太を巡るラブコメレースに参戦してますので、「第3の選択」としては心春だってありかもしれません。
しかしいずれのルートを経るにしても、そのラスボスとして真音が存在するには大きな疑問が残ります。
ラブコメだから、ラスボスと云っても勇者景太が魔王真音を文字通り倒す為に配置されている訳じゃないです。
主人公景太がヒロインと結ばれる最後の障害として立ちはだかる程度の役割です。
いうなれば、景太とヒロインの交際に反対する立場である必要があるんです。
だけれど、真音にしてみれば、「花憐」若しくは「千秋」若しくは「心春」が景太と付き合おうとどうでもいいんです。
10巻で真音は、景太に家族と同程度には親しみを持ちました。
なので、「景太」が「自分が認めないヒロイン」と付き合うことを快く思わないかもですが、その逆は「どうでもいい」筈です。
ヒロインに肩入れして、景太とのお付き合いに反対する理由がありません。
これがラスボスでは無く、中ボスならば展開によってはありえますけれどね。
物語のゴールが設定されて、既に最終カーブを曲がった今になって出て来た以上は、真音はラスボスなのでしょう。
真音を登場させる理由を突き詰めると、「答え」は1つな気がしてなりません。
真音の「建前」としての登場理由
真音を登場させた真の理由を「本音」と仮に称すれば、「建前」は、今回の錯綜展開を起こす為なのでしょうね。
これには千秋派の僕、大歓喜。
恐らくここまでを画策していた真音自身もほくそ笑む事でしょう。
色々と丁寧ですよね。
話の運び方とキャラ作りのリンクのさせ方とか特に。
真音の傍若無人な性格の背景に「そうならざるを得なかった」動機を持ってきて、それをそのまま景太と千秋の後押しにする。
この一連の流れを10巻の大筋と定めて、自然に溶け込むように肉付けされていて。
心春の決心が、花憐の行動が、美衣の悪戯が全てこの為にお膳立てされてるんだけれど、読者にそれを気付かせないように接合してる。
真音が敢えて千秋に話を聞かせて、彼女をけし掛けようとしたのは読めますけれど、他のヒロインズの行動まで関わってくるとは想像出来ませんでした。
それにしても見事に真音の心証を反転させられましたね。
好きになれないと思ってたのにな~。
感服の一言に尽きます。
さて。
神の如くなんでも見通す真音さん。
一体どこまで彼女の計算なのでしょうか。
「本当に欲しいものは、簡単に譲るな」という台詞の「本当に欲しいもの」とは何を指しているんでしょうか。
僕の先程の解釈では、千秋に向かって「本当に欲しいもの」=「景太」と繋ぎましたが、これで合っているのかなと。
景太に向かって「本当に欲しいもの」=「花憐」という意味?
この時点で真音は花憐に会ってもいないのに?
景太に肩入れする真音が、自分が知らないヒロインと結ばれろとアドバイスを送ったと?
本当に?
名前
景太自身「本当に欲しいもの」に気づいてないのではないか。
もしくは、気付いてるけれど、目を反らしてるのではないか。
真音は、景太の「本当に欲しいもの」を見抜き、故に、恋のアドバイスを送ったのではないか?
彼女にとっても景太の望む「本当に欲しいもの」は大切な存在だから。
アグリがダークホースと冗談ぽく9巻の感想で書いてましたが、マジになりそうだなと正直思いました。
アグリがゴールに控えてるんなら、真音はラスボス足り得ますからね。
そんで、その決闘は既に終わっています。
景太が真音に気に入られた時点で、障害としては突破してることになります。
バレンタインチョコの件だって、素直に解釈すれば「景太が最も大事に想ってる子はアグリ」となりますしね。
もう1つ、アグリエンドなんじゃないかなと思わせてくれたのが、アグリの名前です。
偏見かもですが、僕はフルネームが出ているキャラこそメインキャラという考えを持っています。
ほら。
モブであればあるほど、名前って無いじゃないですか。
男子生徒Aとか女子Aとか雨野景太とか。
役割がモブなので、目立たないように名前を設定してない。
これがメインに近づけば近づくほど名前がちゃんとしてきます。
もっともモブに近しい立ち位置だと、名前も割とぞんざいです。
それがメインキャラと近しい立ち位置(主人公の友達とか)になると、名だけだったり、苗字だけだったりする。
いくらでも例外はありますが、ざっと分類するとこんなイメージ。
今までのアグリって、メインキャラと近しい立ち位置の女の子だったんですよね。
まんま主人公の友達(ファミレス仲間)ですし。
ほら、「亜玖璃」という名しか分かってなかったですし。
クラスすら判明してなかったり。
それが今回、フルネームが判明しました。
「桜野亜玖璃」。
もしかしてお母さんは「くりむ」って名前かしら?
苗字が判明した事で、僕の中でいっきにメインキャラに昇格しました。
そして、そのままメインヒロイン候補の大本命になりました。
よき展開です!!
星ノ守姉妹丼エンド(ピンナップ最高でした!!)を望みたいのもやまやまですが、景太がそんな大それたエンドを受け入れる訳もなく。
となれば、アグリエンドは個人的にはベストエンドですね。
終わりに
もしアグリが景太とくっつくことになっても、祐は潔く引きさがりそう。
せめて景太を一発ぶん殴ることくらいはして欲しいけど。
と、景太視点で考えちゃいましたが…。
景太がもしアグリを好きだとなっても、当のアグリが景太を恋愛対象として見做してないので、カップルになんて成り得ないんですけれどね。
10巻ではこれでもかと祐ラブを訴えてたし、よほどのことが無い限りアグリゴールは無いのかな…。
ともかく、より錯綜してきたラブコメ具合。
面白くなってきました。
そして、控え目に言ってピンナップ最高でした。
ピンナップ最高でした。
ゲーマーズ!10 天道花憐と不意打ちアップデート (ファンタジア文庫)
- 作者: 葵せきな,仙人掌
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/05/19
- メディア: 文庫
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