「五等分の花嫁」と「おそ松さん」の共通項と未来の花嫁の考察

売れてるのね

yahooニュースでオリコン発表の週間コミックス売上ランキングの記事が流れて来て、見出しに惹かれて思わず読んだのですが、ランキングの結果にちょっとビックリしました。
「五等分の花嫁」が1位取れるようになってたんですね。

5年以上前までは毎週欠かさずチェックしていたコミックスの売上ですが、ここ数年は全く興味を無くして見なくなりました。
なので、今の売れ線とかにも疎いというのもあるのですが、自分的には意外な結果に驚きを隠せませんでした。
アニメ化の影響なのか、はたまた既に定番の順位なのか。

なんにしても嬉しいものですね。
好きな作品が売れているというのは。
打ち切りにビクビクしなくなるのでw

そんな訳で、今回は「五等分の花嫁」の記事を。

凌ぎを削る風太郎争奪花嫁レース

どんどん可愛さに拍車がかかっている五つ子。
基本的には四葉推しなのですが、一花が猛追。
7巻の表紙の可愛さヤバくないっすか?
本編でも恋に本格参戦してくるし、お姉さんの本領を発揮して来てます。

そんな中、最後尾からいっきに先頭グループに躍り出て来たのが二乃。
一番ツンツンしていて、風太郎を邪険にしていた分反動が物凄い。
メッチャ積極的にアピールして来て、可愛さの暴力に屈してます。

序盤から飛ばしていた三玖も交えて、戦闘集団はデッドヒートの様相を呈してきました。

という訳で、僕の中で現在最後尾を走っているのが五月。
5人の中では一番最初に風太郎と出会い、どことなくメインヒロイン的な風格を持っている彼女は、しかし、一歩出遅れている感じです。
ただ、僕の「メインヒロインっぽい」という感覚が当たっているのであれば、ここからいっきにまくり上げて来る筈です。
そこに今は期待しています。

さて、この作品の肝はやはり「五つ子の誰が風太郎と結ばれるのか」ではないでしょうか。
結婚式当日の風太郎の回想という形で彼と花嫁の馴れ初めが語られていくという形式を取っているのですが、だとしたら、随分とオカシイ点が見えてきます。
この漫画、ラブコメであって、ミステリなんかじゃないということです。

「おそ松さん」最大の特徴(個人的解釈)

おかしな点について語る前に、「おそ松さん」の話に少しだけ入りますね。
僕は「おそ松さん」を未見なので、中身については一切語れないんですが、世間の評判についてかなりの驚きを覚えたのです。
それこそ「五等分の花嫁」が売上1位を記録したと知った時とは比較にならない驚きです。

腐女子からメッチャ人気を博したという点に…です。

瞬間頭の中を「why?」が埋め尽くしました。
何故何故何故…ですよ。

ご存知「おそ松くん」を題材とした「おそ松さん」ですが、女性オタクさんが好みそうなビジュアルでは決して無いですよね。
やたらと原作のビジュアルを変えて、等身すらスラッとした美少年風にしてるならまだしも、見た目は「おそ松くん」とほぼほぼ変わりありません。
服装や表情などでそれぞれ個性を出していますけれど、原作からの改変と言えば、その程度。
ビジュアルで「格好良い」と言えるものでは無いはずなのです。

だからこその何故。
女性たちはおそ松さんの何処に惹かれたのだろうか疑問だらけでした。

中身が笑えて・ぶっ飛んでいて面白いという評価だけならば納得なんですよ。
見てないけれど、そこは理解出来るんです。
だって、監督が藤田陽一さんだから。
アニメ「銀魂」を通ってきたオタクならば、間違いないって事は言い切れます。

勿論中身の評価も高かったようですが、のみならず、彼女らはキャラクターに萌えているという。

声優さんの力というのは間違いなくあるのでしょう。
女性にも男性にも人気の高い売れっ子男性声優を揃えているのですから、ここは大きな魅力であることは疑いようもありません。
ただ、それだけではなくて、キャラクターの中身。
性格がウケた要因になっているのかなと。

見た目はビジュアル系とは呼べずに、しかも、六つ子なので大きな差は無い。
それでも1人1人にファンが付いたというのですから、残る「個性」である性格がファンの琴線に触れたと考えるのが自然ですよね。
6つ子それぞれが、女性心をくすぐる性格を持ち合わせていたのでしょう。
「おそ松さん」の最大の魅力はどこなのか。
見たことの無い僕が語るのはちゃんちゃらおかしいですが、それはきっと6つ子を性格で描き分けたことだと思うのです。

「五等分の花嫁」の話に戻ります。
この作品、五つ子というアイディアはどこから出て来たのか。
真相は不明ですけれど、「おそ松さん」との共通項が目につくんです。

中野家の五つ子の描き分け方

原作のある「おそ松さん」とは異なって、完全オリジナルである本作は、ビジュアルにも自由が利きます。
アニメでは無く漫画だからというのもあるのでしょうけれど、シルエットで個性が出るようになっています。
ようは髪型が皆違うんです。
髪型が違うだけで見た目の印象ってガラッと変わるので、そこでキャラクターの個性・魅力を出しているというのは確かです。

とはいえ、最も違いを見せてるのは性格なんですよね。
顔が同じだから、性格でキャラクターを描き分けている訳です。
この辺りの論法が「おそ松さん」と共通していて、しかも、「おそ松さん」同様に完璧に”性格だけ”で(と敢えて強調してみる)描き分けられているんです。

次のカットをご覧ください。

f:id:nuruta:20190303010812j:plain
©春場ねぎ

とある事情から五つ子全員が五月の格好をしているところです。
彼女達を見分けられない風太郎に向かって、誰が誰なのか当ててみなさいと悔しさから挑発してるシーンなんですが…。
僕はこのカットを見た瞬間に、瞬時に誰が誰なのか分かったんですよ。
うぉぉ俺すげぇぇって感動で打ち震えましたね。
己の五つ子への愛の深さを噛みしめました。
流石俺だなと。

性格というのは、ふとした表情にも如実に表れるものです。
五つ子を性格で描き分けることをモットーとしているこの作品なら尚更です。
それを見抜く僕の愛。深い。
そんな「分かってる男」僕の完璧な答えがこちら。

f:id:nuruta:20190303011717j:plain
©春場ねぎ

自分の才能が怖い。

すみません。
冗談です。
クソ記事乙って出てかないで。(クソ記事なのは認める)

まぁ、実際の所はこんな感じでしょうか。↓

f:id:nuruta:20190303012946j:plain
©春場ねぎ

表情に性格出てますよね。

いつもニコニコしてるのが四葉。
気が強そうなのが二乃。
フータローを前にすると緊張からか素が出て、下を向きがちな一花。
大抵のハプニングは冷静に乗り切れる(すまし顔でいられる)三玖。

直前のページの台詞がヒント(というかほぼ答え)になっているので、このコマだけで見分けられているとは言い切れないですけれども、それぞれ普段の性格が表情に出ていて、そこから推測できるんですよ。
五つ子の可愛さをビジュアルに頼るのではなく、中身で勝負している。
それがこの漫画の最大の個性なのです。

ところが、未来の花嫁はそのウリを伏せているんです。

ラブコメである

顔が同じ一卵性の中野さん家の五つ子。
風太郎と結婚する相手は誰なのか。
第1話冒頭から登場する花嫁は、しかし、誰なのかが分からないのです。
何故ならば、個人を特定できるような台詞が無く、かつ、表情が「幸せそうな顔」しか描かれていないからです。
中身の性格が全く出て来てないんですよ。

故に読者の焦点はついつい「花嫁は誰なのか」に行ってしまいます。

けれど、待って欲しいのです。
この漫画はミステリじゃありません。
読者に「花嫁は誰か当ててね」という謎解きを問うている訳では無くて、ラブコメなのですよ。

再度書くようですが、この漫画は風太郎が花嫁との馴れ初めを振り返る様子を回想という形で表現しています。
であるならば、花嫁とだけの思い出を振り返ってないとおかしいのです。
花嫁以外の姉妹との思い出は、不要なんですよね。
場合によっては、回想とはいえ「不倫」(は言い過ぎとしても)に相当する行為です。

「ラブコメ漫画だから気にし過ぎ」と言われれば、まぁ、その通りなので、このツッコミに対する反論は持ち合わせていません。
然しながら、「答えは既に提示されている」のだと僕は信じています。

「前代未聞」の結婚式

結婚式。
神父の前で共にある未来を誓い合う風太郎と花嫁。
いよいよエンゲージリングの交換という時に、「それはこのタイミングでは出来ない」と言った風に協議に入る2人。
交換は「一旦」保留となり、誓いのキスに。

騒然となる会場の中、らいはは溜息を吐きます。
「こんなの前代未聞だよ」と。

f:id:nuruta:20190303205848j:plain
©春場ねぎ

ちょっと大げさな言い回しだと思いました。
指輪を買えなかった、忘れてしまった。
そういったハプニング系ではありません。
らいは自身がしっかりと「持ってきた」と述懐しているから。

それ以外の理由で「一旦」先送りにしただけです。
後ほど行うのですから、順番が前後した程度で「こんな結婚式前代未聞だよ」とまで言うでしょうか。

前代未聞と言うからには、相応の「普通じゃない結婚式」なのではないか。
つまり、らいはは、「指輪の交換が後回しにされた」という些末なことを指していたのではなく、「指輪の交換が後回しにされた理由」をして「前代未聞」と評してるのではないか。

その「理由」。

くどいようですが、この物語はミステリじゃないし、花嫁との馴れ初めを回想しているのです。
花嫁全員との馴れ初めを回想しているのです。

f:id:nuruta:20190303222045j:plain
藍染様

指輪交換を出来ないのは、花嫁5人全員が揃った時に行うから。
五つ子1人1人と「指輪交換以外の儀式」を先ず執り行ってから、最後に6人で指輪交換を行う。
五つ子全員との結婚式。
まさに前代未聞。

回想で、5人全員とのラブコメがあるのはその為。
なにも嘘では無いし、やましくも無い。
風太郎は五つ子全員を嫁に貰うのだから。

まとめ

五つ子全員とのラブコメを見せているのだから、作者としては別に読者に「花嫁は誰か当ててね」と言ってるつもりはないのだと思うのですよね。
花嫁の個性を出していないのは、5人の誰でも良いから。
今作中に出ている花嫁の正体が一花かもだし、二乃かもだし、三玖かもしれない。
四葉でも五月でもいい。
ビジュアルでは無くて、性格で描き分けしてる作品で、性格を描いていない以上は、誰として見てもらっても構わないということなのでしょう。

もしミステリ的な仕掛けがあるのだとしたら、最後のネタばらしがそうなるんじゃないかな。
実は花嫁は1人では無くて、全員でしたというどんでん返しを狙っているのかもしれない。
故にまるで「花嫁は誰なのか」に注目するような作りにしている。

と、こんなことを考えながら読んでいます。
ぶっちゃけ考察ではなくて、妄想レベルの与太話ですが。
五つ子みんな可愛く描いているのだから、そんな未来が待っていて欲しい。
結局はそういう僕のエゴを元にした記事ですね。

長文失礼いたしました。

最新情報をチェックしよう!