この記事は
「極上生徒会」の考察(のつもり)記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
極上に楽しい作品
個人的に「極上生徒会」熱が出て来た最近。
僕が所属させて頂いているコミュニティのメンバーに薦めていたら、自分が見たくなってしまったというアホな理由ですが、連日DVDを見返していますw
いや〜面白い。
滅茶苦茶面白いですね。
ストーリーも設定も特に目新しさは無いのですが、でも、すんごく面白い。
この面白さは何処から来ているのか。
「豊富なキャラクター達がわいわいやる楽しさ」なのだという事に気付きました。
集団群像劇としての極上
このアニメ、実にメインキャラクターが多い。
まずは簡単に設定を説明しますと…。
日本有数の財閥である神宮寺財閥。
そこの直系のお嬢様である神宮寺奏が、とある理由から作った中高一貫の女子校「宮神学園」。
この宮神学園には、教職者よりも強い権限を持つ「宮神学園極大権限保有最上級生徒会」(略して「極上生徒会」)という組織がある。
そんな生徒会に所属する13人の女子生徒とその周りの人々が織りなすドラマを描いているのがこの作品なのですね。
という訳で、総勢13名+αものキャラ数が出て来ます。
これを僅か2クールで、問題なく描き切っているのです。
誰一人埋もれる事も無く、そしてモブ化せずに、きっちりとキャラが立っている。
個性豊かなキャラ達が泣いて・笑って・戦って・青春する。
つまらない訳が無い。
声優陣も凄い豪華なのですよ!
まぁ、これは今だから余計にそう思えるのかもですが…。
ざっとメインキャストだけを上げてみます。(敬称略)
田村ゆかり、生天目仁美、野田順子、清水香里、沢城みゆき、佐久間紅美、仙台エリ
植田佳奈、川澄綾子、松岡由貴、斉藤千和、川上とも子、辻あゆみ、こやまきみこ
佐藤利奈、平松晶子、久川綾 等々。
以上がメインキャラを演じている声優さんです(笑)
錚々たるメンツです。
これだけでも賑やかで楽しい雰囲気が感じて頂けるのではないでしょうか。
とはいえ、人数が多過ぎる。
下手すると居るだけで、キャラを持て余す事になりかねない。
しかし、前述の通りこのアニメは違いました。
実に設定が巧みだから、これが可能なのかなと思います。
役職の持つイメージをキャラに植え付ける手法
一般的に生徒会というと、会長・副会長に書記と会計くらいでしょうか。
庶務とかもいるかな。
でもまぁ、これくらいしか役職が無い。
生徒会を題材とした作品は数あれど、この基本を大きく逸脱した作品を僕は知りません。
ただ一つ、このアニメを除けば。
この極上生徒会という組織は、現実にあるような生徒会とは一線を画します。
執行部として、
・会長
・副会長(2名)
・書記
・会計
というのは、まぁ、一般的。
で、ここからが特殊なのです。
2人の副会長である金城奈々穂と銀河久遠。
この2人は、それぞれが統括する組織を持っています。
奈々穂率いる「遊撃部」と久遠率いる「諜報部」。
それぞれ3名ずつの構成員がいて、学園の治安を守る為に動いている。
特殊すぎますよねw
更には、車両部なんてものもあり、生徒会専用のドライバー(勿論女子高生w)までいたりする。
普通の生徒会には無い役職があり、これを利用して、その役職だけでキャラを立たせているのです。
例えば、副会長の一人である奈々穂。
遊撃部は学園の治安を武力で鎮圧する武闘派集団。
そこの統括をしている奈々穂は、当然のようにボーイッシュな外見で、男勝りの性格をしている。
(勿論これは「演じている」姿で、これとは別の性格も持たせてキャラに厚みを与えています)
このように役職に抱くイメージがそのままキャラの内面に反映されていて、分かりやすくキャラ付されています。
更にそこにキャラそれぞれにバックボーンを与えて、厚みを持たせるという作劇。
特殊な生徒会だからこそ、大勢のキャラクターを登場させることが出来て、更にはしっかりと1人1人目立たせている事にも成功している。
群像劇が大好きな僕には、非常に魅力的な設定でした。
まとめ
キャラを多くするのは、非常に大変なのかと思います。
描写に偏りが出てしまう事もありますし、何より一部のキャラが不要と思われてしまう事もある。
視聴者からしても多くの名前を覚えなければならないし、覚えさせるような工夫も必要。
色々とデメリットがありそうです。
その為なのかどうかは分かりませんが、近年でもキャラの多い作品というと、あまり思い浮かびません。
オリジナルアニメで言うと「DOG DAYS」とか「Angel Beats!」くらいでしょうか。
どの程度で「多い」と見做すかで、当て嵌まる作品も変わってくると思いますが、個人的にはこの2つは「多かった」と思える作品。
まぁ、これしか思い出せないのですね。
やはりキャラの多いアニメって少ないと思います。
そんな中でも、この「極上生徒会」は多くのキャラをきちんと立たせている稀有な作品の一つであると考えます。
分かりやすい役職を与えて、それに準じたキャラを配置。
それぞれのメイン回で、1人1人をより深く掘り下げていくという手法。
その陰できっちりと本筋となるストーリーも進行させているのが恐ろしい所ですが。
(第1話の伏線の数には舌を巻きます。)
身近な生徒会という題材をアレンジして、独自の個性を打ち出している点はとても分かりやすい。
更には、これを利用して多くのキャラを活かしている手法が極上!だと思うのです。
上にも書きましたが、僕は群像劇が好きです。
三谷さん脚本の大河ドラマ「新選組!」とか超好きでしたw
多くの個性豊かな登場人物たちがワイワイガヤガヤと楽しげに動き回る様は見ているだけで楽しくなります。
アニメに於いても、もっともっとこういった作品を見たいものです。
取り敢えず、もうすぐ「DOG DAYS」の2期が始まります。
1クール描き切ってメインキャラ達の紹介が終わっているので、2期ではそんなキャラ達の個性を出しまくった、楽しげで賑やかな様子を見たいですね。