はじめに
アニメ「ハナヤマタ」。
終わってしまいましたが、最後に1つだけ短い記事を。
「打ち切り感」
アニメ1話直前に原作コミックス既刊を買い、少しずつ読み進めていた訳なんですが、このアニメ最終第11、12話に相当する一連の「ハナ編」には当初「打ち切り感」を覚えたのです。
5巻に収録されているこの「ハナ編」とも言うべき展開。
それまでは丁寧にページを割いて、1人1人が部に入るまでが描かれていたから、余計にそう感じたんですね。
僕が「打ち切りかな?」と感じるのは、主に「展開を巻いている感」を覚えた時です。
シーンが端折られたり、今までと比べて展開スピードが急激に速くなったり。
今作の場合丁寧な描写から一転して、ハナが突然アメリカへ帰って、唐突に戻ってきたという印象が強く、どうも打ち切り漫画特有の駆け足展開を読んでいる気分でした。
何となく「アニメの最終話に合せて作った話なのかな?」とも感じたのですが、まあ、そこはどうなんでしょう。
結果としてはそうなりましたけれど、実際の所どうだったのかは定かではありませんので、ここら辺の考察はしないでおきます。
そんな原作での感想とは一転。
アニメでは、この「打ち切り感」を払拭してくれる展開にアレンジされていたかなと。
祭の場所変更で生まれた緊張感
展開に唐突感を失くしていた2つのイベントがあります。
1つ。
きちんとした別れを描いていた事。
原作では、ハナが皆とちゃんとしたサヨナラをしてなかったんです。
なるとはしたけれど、他の3人とは学校の屋上で「アメリカへ帰る」事を伝えたのみ。
それ故に残された4人の気持ちは宙ぶらりんとなり、ちょっとした諍いが起きちゃったりと荒れる展開も。
アニメではどうだったかというと、ハナが手紙を残した上で、全員が納得した上で空港までお見送り。(11話)
しっかりと気持ちに整理をつけた上でサヨナラをしたので、残った4人で言い争いとかも無く最後のお祭りへと繋がっていけました。
2つ。
ハナが帰ってくるまで(合流するまで)にたっぷりと時間を使ってくれたこと。
ここは特に好みの問題なんですけれど、ハナがなる達と合流するまでにしっかりと間を空けてくれたので、唐突感を覚えなかったんです。
原作でも、この辺しっかりとした描写だったと言えなくもないんです。
ただ、原作・アニメでは流れの細部が異なってました。
原作から簡単に粗筋を追います。
・ハナがなるの携帯に「自分の携帯」から電話しまくる。
・なるはその着信に気づくも出られず(折り返しても繋がらず)、結局電話の内容を知らずにステージへ
・なる達のよさこいが始まろうかという時にハナが到着。
アニメ最終回では、”ステージに上がる前にハナが戻ってくる事”をなる達は知った状態でした。
だから、視聴している僕としては「いつハナが合流できるんだろう」とハラハラしつつ見守る事に。
緊張感みたいなものが生まれていたんですよね。
んで、面白いのが「祭の会場を原作から変更していた点」。
厳密には変更されていなかったのかもですが、どうも変わっていたような気がします。
原作では祭の会場の背景に鳥居があったり、神社があったり。
どうも鶴岡八幡宮あたりをモデルにしてるっぽい感じなんです。
全然違う神社かもですが、少なくとも海岸では無い。
で、アニメ。
どう見ても海岸。(海水浴場?)
ただどの海岸かは分からず。
鎌倉と言ってもいくつかあって、そのどこかは分かりません。
が、七里ヶ浜あたりかなと推測。
背景に描かれていた江の島の位置からして、東浜海水浴場では無い。
かといって、シーン描写から由比ヶ浜海水浴場も不自然。
鎌倉から逗子方面では無いでしょうから、なら七里ヶ浜かなと。
ちょっと地元トークになりますが、鎌倉駅から江の島まで車で行こうとすると国道134号線を使うのが最もスマートというか簡単な方法になります。
江の島方面を向いて、相模湾を左手に見ながら海岸線を走る道路です。
片側一車線のこの道路は、しかし、物凄く混む道としても有名。
夕暮れ時の帰宅時間帯は本当に混みます。
歩いている人の方が速い位。
そんな道を車で行こうとするんです。
時間は午後7時前。
ああ、渋滞してる時間帯。
作中で描かれていたように、ハナパパの車は当然渋滞に巻き込まれちゃいますね。
ここからは推測の世界。
数字はyahoo地図のルート探索の結果を採用します。
鎌倉駅そばを通る県道21号線とこの国道134号線が交わる点から七里ヶ浜まで車で行こうとします。
約4キロの行程なので、通常であれば6分程。
ハナが遅刻しちゃうには、あまりにも無理があります。
しかし、時間帯を「渋滞しまくってる頃」にすると、まあ、30分で着くか着かないか位かもですね。
その時々によって変わってくるでしょうけれど、「30分で着かない」というのは、国道134号線を使った事のある僕としては納得してしまいます。
海が見える走っていて気持ちの良い道路なんですけれどね。
渋滞する時間帯には決して走りたくない道でもあるんです。
さて。
同じ道を今度は徒歩で行くとどうなるか。
yahooでは134号線を使わずに側を通る江ノ電に沿ったルートを指定していますが、これで大体50分。
走って、壁を飛び越えて…というハナのルートならばもう少し短縮出来たと考えても許容範囲でしょう。
ハナの足で30分強で会場に着いたというのにも無理は無く、また、ギリギリで着いた展開にも納得出来ます。
(先程由比ヶ浜では不自然としたのは、この探索に用いたスタート地点から近すぎるからです。この辺りはまだ渋滞のスタート地点にはなかなか成り得ない上に、渋滞してたとしても徒歩で数分で着けちゃう距離なので)
原作から祭の会場を町中の神社から(恐らく)国道134号線の砂浜に変更した。
これだけのことで、「ハナが合流するまで」の時間を上手い事捻出出来ていて、その結果唐突感を失くしていたのかなと。
終わりに
上で触れないとしておきながら、ちょっと触れますが、やはり原作執筆時には「アニメの最終回」を意識されていたのかなと。
5巻できっちりと収まるようページ調整(話数調整)もしつつだった故に、唐突な打ち切り感のする構成になっていたのかもな〜って。
6巻ではこれまでのペースに戻ってましたので、僕の中では勝手にそう結論付けておきます。
さてアニメ。
随所にアニメならではの改変があって、その1つ1つを考えてみる事でなんだかより原作とアニメを楽しめました。
メディアの違いというと大袈裟ですけれど、原作は原作の。アニメはアニメの解釈があって。
記事ではアニメの改変具合が良かったという視点で書いてしまったので、まるで原作は駄目だったと僕自身が感じてると思われてしまうかもですが、そんな事はありません。
どちらも楽しく読み・視聴させて頂きました。
原作はまだまだ続くようですので、こちらもアニメ同様最後まで付き合っていきたいものです。