はじめに
既に公式ブログですらネタバレしてますが、ネタバレには一切触れずに見た方が絶対に良いです。
それだけの価値があります。
この記事では、ネタバレしまくりますので、その点ご了承下さい。
どれだけ凄いことなのか書いてみる
佐藤健さんが10年振りにライダーに帰ってきた。
興味の無い人などは、そんなに騒ぐことかと理解出来ずに首を傾げる方もいるかもしれません。
かつての出演作の”続編”に出たことで大袈裟なと思われるかもです。
そうかもしれません。
大袈裟かもしれない。
けど、やっぱりライダーファンにとっては騒がずにはいられないんですよね。
子供の頃って、ライダーが集結するだけで無邪気に喜んでいたんですよ。
素顔で出なかろうが、声が違かろうが、違和感を持たずに楽しんでいたんです。
けれど、段々と「違い」に気づく年齢になると、声が別人な事に気づき、素顔の俳優が出演しない事に不満を持ち始めます。
やがて、素顔の俳優陣が出演してくれる素晴らしさになんとはなしに気づく訳です。
それがどれほど特別なことなのかを漸く察する訳ですよ。
ライダーの歴史を紐解いていけば、殆どの客演ライダーが「別人」だという事実に行き当たります。
故に、オリジナルキャストが出演すると特別な感慨が湧くのです。
史上最も豪華だったのは、やはり「仮面ライダーストロンガー」でしょう。
本郷猛・藤岡弘さんから山本大介・岡崎徹さんまで、6人の先輩ライダーが城茂・荒木しげるさんの下へ一堂に会した伝説の最終回。
子供の頃はどんだけ豪華なことか理解してなかったけれど、今なら多少は分かります。
リアルタイム世代じゃない僕がクソ程感動するんですから、リアルタイム世代にとっては夢の競演だったに違いありません。
以降、「全員集合」することは現在まで一度も無いんです。
勿論増えすぎた現在に於いて、また、昭和と平成までが通しで集合する事は有り得ませんし、出来ません。
既に鬼籍に入られてしまった方もいらっしゃいますし。
スケジュールの都合、ギャラの問題。
特撮番組の場合は、キャストが出演を避けたり、事務所自体がNGを出す事例もあるようです。
兎も角、一旦主演作を終えた主役キャストが同じ役柄で出演してくれることは、難しいんですよね。
で、です。
今回の映画、何が凄いって言うと大きく2つあります。
1つ。徹底された情報規制。
情報化社会、1億総マスコミ時代に於いて、秘密を隠し通す事は大変に難しくなりました。
昔は数人にばれた程度では、情報の広がりなんてたかが知れてましたが、今やSNSで世界規模で拡散し得る時代ですからね。
難しいというより、殆ど不可能に近いレベルになってます。
それなのに、今回公開日初日まで佐藤健さん出演の情報を守りきったのです。
少なくとも、さらっと検索を掛けた程度では引っかからないくらいには守れた。
これは凄すぎます。
勿論それらしい情報はありました。
今回の映画、例年以上に情報が出て無くて、こりゃなんかあるなって思わせるには十分だったじゃないですか。
絶対にサプライズあるって思いましたもん。
(だからこそ、劇場に足を運んだのですが)
気になって気になって、何度か検索掛けたんですね。
僕の下手なサーチスキルじゃ、ネタバレのネの字にも辿り着けなかったんですけれど、いくつかのまとめサイトで「佐藤健さんが東映の映画に出るらしい」と書かれてました。
ただ、それも「(ライダーとは)別の映画」、「当時と事務所が違うので、出演できない」となっていて、結局は否定されてるんです。
大ネタのネタバレを守りきった所は、賛否あるでしょうけれど、個人的にはとっても良かった点でした。
2つ、やはり佐藤健さんが出てくれたこと。
僕は「電王」未視聴なのですが、7年前の「オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー」は劇場に見に行ったことがあります。
その頃も既に佐藤さんは売れっ子。
自身の主演作とはいえ、出てくれれば凄いことだよなと思いながら、期待して見に行ったんですよね。
それなのに、佐藤さんは一切出て来なかった。
代わりに彼の孫が出て来てて、TVシリーズ見てなかったものだから、「誰!?」ってなりました。
ガッカリ感が半端無かった事を覚えています。
そんなこともあり、また、佐藤さんは今や一流の俳優さんです。
「ライダーは若手俳優の登竜門」と言われて久しいですけれど、長く最前線で生き残れているのは一握りですよね。
平成2期で言えば、菅田将暉さん、福士蒼汰さん、吉沢亮さん(2号ライダー)、竹内涼真さんあたりが最前線で活躍中です。
彼らが近い将来に於ける「一流」の候補ですよね。
(菅田さんはブレイクしてかなり時間が経ってますので、一流と区分けするべきかも。どこで線を引くかは分からないですね)
んで、1期で言えばオダギリジョーさんと佐藤さんが挙げられます。
このお2人は別格かなと。
(瀬戸康史さん、2号ライダー含めれば要潤さんも「一流」の枠組みに入れて然るべきなのかも)
これはあくまでも僕基準。
レジェンドの中のレジェンドに数えられる佐藤さんが帰ってきた。
衝撃は計り知れません。
時間的には本当に本当に短かったです。
それでも、現役ライダーに向けて、本作のテーマである「誰かの記憶の中に留まることの大切さ」を説いた野上良太郎の尊さは格別でした。
近年は、主演俳優をキャスティングする事で頑張っている映画シリーズ。
昭和のオッサン世代をも虜にするほど素敵な映画もあります。
個人的には、
- 「仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」の南光太郎・倉田てつをさん(BLACK世代なので)
- 「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」の神敬介 ・速水亮さん
は特に感動しました。
平成ライダー勢でも、去年作は力入ってましたよね。
んで、今年です。
声の新録での復帰組も然ることながら、佐藤さんのビッグサプライズには思わず声を挙げそうになりました。
ここまで来たら、なんとかオダジョーを口説き落として、平成全員集合の映画を1本撮って欲しいです。
お話についても少しだけ
さて、お話についても触れておきますね。
綺麗に纏まっていたと思います。
流石に「ジオウ」も「ビルド」も見てない僕には分からないところもありましたけれど、それはそれとして、今作の映画を楽しむには問題の無い点。
特異点という「電王」の頃の設定を流用しつつ、「平成ライダーのいない世界」を創造して、良太郎の台詞に収斂するようなテーマで以て纏め上げているので、落としどころ含めてとても面白かったです。
バトルシーンも力入ってましたからね。
ただライダーを揃えて…ということはせずに、1人1人しっかりと必殺キックという見せ場を作ってくれている点は、やはり滾る物があります。
声も可能な限りオリジナルのものを流用しているので、「オールキャスト感」を存分に堪能出来た所も、細かいところながらベリーグッドでした。
欲を言えば、「W」組のオリジナルキャストの出演は果たして欲しかったかな。
Wも主演級の扱いでしたので、ね。
強いて不満点と言えるのは、これくらいですかね。
終わりに
良太郎が格好良すぎた。
貫録ありすぎる。
帰ってきた良太郎のシーンを見るだけでも価値ある1本。
いや~震えたわ。最高ですね。