この記事は
「僕のヒーローアカデミア」劇場版第3弾の感想です。
ネタバレあります。
安心安定の劇場版ヒロアカ
予想を超えて傑作だった第1弾。
さすがに前作超えは無理と思ってたら、あっさりと超えてきた第2弾。
こうなると俄然信頼感を得て、ワクワクで第3弾を待ちわびていました。
ワクチン副作用の影響で初日の予約をキャンセルする自体となりましたが、3日目にしてやっと見てこれました。
感想です。
世界規模にした意味合いを出せなかったが…
結論から言えば、前作には及ばない出来ではありました。
確かに舞台規模は、シリーズでも随一。
タイトル通り世界中を舞台にしていました。
けれど、その意味合いがかなり弱かった。
世界中に散ったヒーロー達それぞれに見せ場が用意されていた訳では無く、トリガーボムが設置されたというだけ。
その点前作は、1年A組全員に見せ場を用意することで、スケール感を出すことに成功していたし、クライマックスのバトルは圧巻の迫力だった。
ゲストのドラマの絡ませ方も秀逸だったし、言うことが無かった。
もう少し世界に出たヒーロー達に見せ場なり、意味合いを持たせていたら違ったのかもですけれど。
と、こう書くと今回は面白くなかったと取られそうだけれど、そうじゃありません。
世界中が舞台で、スケールが大きくて、それに見合った壮大な物語で…と期待していくと、そういう映画じゃないよねとなりますが、ヒーロー・デクの物語としてみると、今回が一番相応しかった。
ヒーロー・デクの成長譚
ゲストの視点で見せるヒーロー・デクの物語。
親に裏切られ、世間から見捨てられ、犯罪に手を染めながら幼い弟妹を養う少年ロディ。
絵に描いたような不幸な生い立ちで、彼自身に特別なキャラ立てはされてませんでした。
だからこそ、彼を通してデクを見れる。
ロディも言ってますが、この作品のヒーローって伊達や酔狂で人助けをしているわけではありません。
職業ヒーローであって、それが当たり前の世の中。
だからこそ、デクのようなヒーローは異質で、ロディにとっては衝撃だった。
裏切った自分を助けて負傷したにも関わらず、意にも介さず助けられて良かったと喜ぶ。
こんな姿見せられちゃうと、よほど捻くれてでも無い限り心を許すよね。
(ところで、今回集まったヒーローは皆その異質なヒーローであると、誰よりも先に爆豪が言うところが個人的にツボでした。)
ロディの描写で丁寧だったのは、いきなりデクに心を許したのではなく、その前から雪解けが始まっていたことを彼の個性で表現していた点。
僕は当初ロディの個性が、クライマックスで大いに役に立つものだと思っていたのです。
事実ピノが解除ディスクの挿入を行い、未曽有の危機が回避されたのですが、それ以上の活躍を思い描いていたのですよ。
あれだけ演出ではぐらかされれば、誰でもそう考えたはずです。
けれどそうではなかったところを見ると、ロディの裏切りの「真相」がなによりも見せたかったところだったのでしょう。
ロディがケースの引き渡しを警察に通報した時、ピノがロディを止めようとしていました。
彼が出ていった後も、ピノは出久を起こすなど「ロディの裏切り行為を止める」べく動いていました。
ピノがロディの本音だと分かって改めてこのシーンを振り返ることで、この時点でロディの心が出久に引かれつつあることが判明するという仕掛け。
この演出から窺えるのは、スタッフが出久とロディの物語をなによりも大切にしているんだということ。
出久のお陰で、1人の少年が立派に更生を果たしたことを観客に訴えたかったのだと分かります。
そうやって少年を変え、最後の決め手はラストバトルですよ。
デク1人で迎える「初めての」ラスボス戦。
1作目は、師匠であるオールマイトと力を合わせて。
2作目は、OFAを分け与えた爆豪と共闘して。
スーパーヴィラン相手に、デクはまだ1人で戦って勝ちを収めたことが無かった。
(あくまでも劇場版限定の話ですが)
OFAの超パワーでさえ反射させてしまうフレクト・ターンは、単純な個性ながらも強力。
決して今までのスーパーヴィランにも劣らない強さでした。
そんなヴィランを相手取って、誰の力も借りず、たった1人で倒すのだから、デクのバトル面での成長も分かりやすかった。
出会い、改心させ、そして期待に応え、ロディにとっての最高のヒーローとなったデク。
ロディを通して描かれたデクのヒーローとしての成長譚は、非常に分かりやすく、かつ、見応えがありました。
主人公の活躍という点で今作を評価すれば、間違いなくシリーズ最高だったと言えます。
アクションシーンが最高に痺れる(平常運転)
アクション映画としては、本当に頭1つ抜けてますね!!
ハリウッドの超大作にも引けを取らない映像。
実写とアニメと言う違いこそありますけれどね。
今回多用されていたのが、ワンカットでカメラをグルグル回しての長尺のアクション。
中でも圧巻だったのは、ベロスの襲撃から逃げるデクとロディのアクション。
黒鞭の個性を用いて、縦横無尽に街中を逃げ回るデクは、まるでスパイダーマンのようでした。
(というか、絶対スパイディを意識してたでしょw)
現代の街を舞台にしたアクションシーンを見せられると、やたらとテンションが上がるのは何故だろう。
見覚えのある建造物だから、想像しやすいのかな。
今回のアクションシーンの中では、一番印象に残りました。
終わりに
吉沢さんは、顔だけじゃなくて声までイケメンだね。
しかも上手い!!
これが下手な役者さん起用してたら、特に目も当てられなかっただろうなぁ。
物凄く重要なキャラだったので。
「仮面ライダーフォーゼ」の頃から推してたから、なんか嬉しい。
あと、オープニングがカッコ良すぎた。
世界を舞台にした意味が無かったと最初に書いたけれど、このOPのことを思えば、これだけで意味はあったのかもしれんw
とまぁ、色々書きましたが、結論としては今回も満足でした。
4作目も是非やって欲しいなぁ。