「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE YOU’RE NEXT」感想

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「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE YOU’RE NEXT」の感想です。
ネタバレあります。

恐らくシリーズ最終作

いよいよ明日発売の「週刊少年ジャンプ」で最終回を迎える「ヒロアカ」。
テレビシリーズも最終決戦に入り、こちらも第8期でクライマックスを迎えることと思えます。
今シリーズは非常に珍しくパラレルワールドでも「時系列不明」でも無く、原作の時系列にしっかりと則ったもの。
第4弾となる今作は、デクが雄英高校に戻り、クラスメイトと協力してダツゴク退治に明け暮れていた際のエピソード。
作中でも描かれていたように、最終決戦直前の出来事となっています。

故に、今作で「劇場版ヒロアカ」シリーズは終わりとなるのでしょう。
そういう大事な節目となる作品だと思うのだけれど…。
個人的には、4作品の中で最もダメだったなぁ。

感想です。

あまりにも小物過ぎたダークマイト

過去3作品とも、それぞれにテーマのようなものが見えました。
第1作目「2人の英雄」は、デクとオールマイトが協力して敵を倒すことで、「英雄の継承」があった。
第2作目「ヒーローズ:ライジング」は、1A全員に大きな見せ場を用意して、「次世代ヒーローの台頭」を描いて見せた。
第3作目「WORLD HERO’S MISSION」では、デクの成長が語られた。

公式の見解では無くて、あくまでも僕個人の感想でしかありませんが、テーマに見合った物語があったために十分な満足感を得られていたのです。

しかし、今回はあまりにも不十分。
4作目のテーマは「YOUR NEXT」の副題通り、オールマイトの”次”。

そもそもタイミング的にも「遅すぎた」んですよね。
本来、神野決戦が描かれたテレビシリーズ第3期直後に取り上げるべきテーマだったんじゃないか。
オールマイトに指名され、OFAの真の継承者となったデクの前に「俺こそがオールマイトに選ばれた人間だ」と宣う敵が現れたところで今更感が強い。
時期に関しては、これ以上外野がどうこう言ったところで野暮でしかないのでここら辺にして。

残念だったのは、テーマの消化不良感最大の原因となったダークマイトの小物臭です。
ただただ雑魚すぎた。

単純な戦闘力という点に於いては、シリーズでも指折りだったと思う。
何でもありに見えた個性「錬金」は、非常に使い勝手が良く、バトル向き。
攻撃力、応用性、効果範囲と全キャラの中でも優秀で、ダークマイト自身個性を使いこなしていた。
けれど、これはアンナの個性によってブーストされていたことが大きいらしい。
ダークマイト本来の実力が如何ほどなのか不明だけれど、他人の個性に頼ってた感が強く、ラスボスとしてはなんとも情けない。

それ以上に残念だったのが、やってること。
自身の能力も他人依存の上に、やってることはせこせこと部下集め。
それもアンナの個性の適合者探し。
適合者を見つけたら、部下の個性で精神を操って、無理矢理配下に加える。

「1人で何もかもやることが正しくオールマイトの継承者である」と定義してしまうと、今のデクを否定することになる為それは出来ないけれど、「オールマイトの真似」をしたいなら、1人で頑張れよと言いたい。
というか、そこまでしてやっと「オールマイトの継承者」を名乗れるだけの「格」を得られたはず。

結局は外見だけ真似るだけで精いっぱいで、やってることは素のマフィアと変わらなかった。
テーマ的に見ても、劇場版のラスボスとして見ても見合わない、実に小物だった。

最終回次第では、劇場版最終作も?

デクはヒーローとして今後も活動を出来るのだろうか?
原作最終回で描かれるラスト次第では、「原作最終回後の物語」として、最後の劇場版も作られるかもしれません。
というか、そうなって欲しい。

今作がラストだとしたら、なんだか非常に残念だもの。
信念をしっかりと貫いた大物ヴィランを出しての最終作に期待したい。

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