拝啓市原編集長。「名探偵コナン」に連載終了の断を下してください。

この記事は

「週刊少年サンデー」の記事です。
僕は「名探偵コナン」を愛しています。

市原編集長のインタビューが面白い。

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MANTANWEBに掲載されています、「週刊少年サンデー」市原編集長のインタビューが面白いです。
mantan-web.jp

――市原編集長といえば「ゲッサン」創刊を企画したことでも有名です。「ゲッサン」創刊にはどのような意図があったのでしょうか?

「サンデー」というレーベルで究極の使命は「多くのマンガ家さんを世に出すこと」だと思うんですね。
それで28歳のとき、初めて「ゲッサン」創刊の企画を出しました。
「週刊」というサイクル以外でも「サンデー」のレーベルで世に出ていける新人作家さんを増やしたかったんです。

マンガ家さんには週刊連載ができない人っているんですよ。
才能があっても物理的にどうしても週刊連載できない。
それは持って生まれた執筆スピードの問題なので、本人のせいではないんです。
ところが、「月刊少年サンデー」ってずっとなかったんですよ。
「ジャンプ」や「マガジン」には月刊があるのに、「サンデー」には増刊しかない。
ずっと、それをおかしいと思っていました。
2009年に僕が35歳のとき、編集長代理になって創刊しました。

それから6年間「ゲッサン」をやりました。
振り返ってみて言えるのは、間違いなくやって良かったということ。
「ゲッサン」でやりたいことは全部やりました。
少なくとも、やり残したことはありません。

この辺りのやり取りからも、漫画を愛している、漫画家を大切にしているという事が伝わってきます。
極めつけは、編集長就任時の宣言の背景について話されている部分。

――就任直後の8月に「サンデー」に載せた所信表明(読者の皆様へ)は大反響を呼びましたね。
「今後、生え抜きの新人作家さんの育成を絶対的な使命とします」「少年サンデーの『マンガ』に関わるすべての意思決定は編集長である僕がただ1人で行います。
僕の独断と偏見と美意識がすべてです」と。
このような編集長の宣言は前例がないことだと思いますが。

あんなに反響が大きくなるとは全く予想してませんでした(笑い)。
あだち・高橋両巨匠は僕の真意を完璧に見抜いてましたけれど、あれは僕が「自分の退路を断った」だけなんです。
改革に失敗したら、僕がすべての責任を取りますという表明なので。

サンデーに帰ってきてから(1年半で)増刊やウェブなども含めると50本近い連載を終了させているんですよ。
読者の支持を 得られなかった連載作品をきちんと終了させるのは、編集長の義務であり、重要な仕事です。
ただマンガ家さんからすればその決定を誰がしたのかきちんとわかっていなければ、モヤモヤしたものが残ってしまいます。
編集長がきちんとその全責任を負うことでマンガ家さんと現場の担当編集者はもう一度、次回作に向けて前向きなスクラムを組めると思うんです。

それとマンガ編集者は会社員として身分を保証されているのに、マンガ家さんは日々徒手空拳で戦っていらっしゃるんです。
「サンデー」という同じチームで改革を進めていくのに、マンガ家さんにだけリスクを負わせて最終意思決定機関である僕が安全な場所に隠れているわけにはいかない、絶対に。
同じチームで同じ気持ちで僕も戦っているんです、ということを表明する必要がどうしてもあったんです。

特に感銘を受けたのが、太字にした部分ですね。

そうなんですよね。
編集者はサラリーマンなんです。
担当マンガが打ち切られても、最悪社内異動があるだけで、クビになる訳ではありません。
サラリーは保証されています。
けれど、マンガ家はマンガが打ち切られたらくいっぱぐれてしまう。

「ウケなかった漫画は早く終わらせて、新しい作品でチャレンジしてもらいたい」という姿勢が編集長にあったとしても、リスクを共有してないと人間同士なので伝わらない。
自分の決断が間違っていたら、編集長の座から潔く下りるという誠意なのですね。

これは凄いことだと思います。
なかなかできる事では無いです。
誰だって、手に入れた地位は守りたいですしね。
相当の覚悟を持って、編集長という任に当たっている事が分かりました。

バランスも良いですよね、今の誌面。
新人育成を掲げ、確かに新人も多い。
けれど、今まで誌面を支えていたベテランも重用してる。

「天野めぐみはスキだらけ!」、「古見さんは、コミュ症です。」、「双亡亭壊すべし」、「MAJOR 2nd」。
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新人からもベテランからもヒット作を輩出してるのは偶然では無いのでしょう。
市原編集長のマンガを見る目が市場に…サンデー読者にフィットしてるのでしょうね。
で、残念ながら人気が出なかったら、新人だろうとベテランだろうと自分の手で終わらせている。

ヒットしたら続ける。出なかったら終わらせる。
1人の人間が責任を持って、単純明快で分かり易い誌面を作っているので、一昔前に比べて活気が戻って来てる気がします。

個人的に凄い決断だなと感じるのが「MAJOR 2nd」ですね。
かつてはどんな人気作でも39巻までに終わらせる事を不文律にしていた「サンデー」で初めて(確か)40巻の大台に乗せたのが「MAJOR」。*1
78巻も続いた超長期連載作の更なる続編の連載というのは、「新人育成を標榜」してる中だったので、尚更簡単な決断には思えないんですよね。
それでも市原編集長の目で見て、単純に面白かったから連載を勝ち取り、今の人気が、その決断の正しさを証明してるのかなと。
かつて担当だったからとか、そういう私事が入り込んでない証左とでもいうのかな。
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訂正
ごめんなさい。「MAJOR 2nd」は市原編集長時代では無いみたいです。

さて、本題です。
編集長には、在任中に「名探偵コナン」に終了の決断をして欲しいんです。

ファンにとって最悪は何か

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知ってる人は知ってるように「名探偵コナン」は劇場版の人気が年々加速しています。
5年連続で自身の持つ興行記録を塗り替え続けており、今作「から紅の恋歌」は興行収入70億円に迫っています。

シリーズものでは異例の軌跡を描いているんです。
通常は、どんどん下がって行くのに、年々観客を増やしているのですから。
これだけの規模の作品になると、なかなか作者1人の決断では終わらせられないのかなと。
かつての「DRAGON BALL」がそうであったように。

だからこそ、編集長の権限で円満終了に導いて欲しいんですよね。

ファンにとっての最悪のケースは何かといえば、作品が未完のまま終了してしまう事です。
青山先生も人間です。
長期入院もされたばかり、いつ何時何があるか分かりません。
健在のうちに、作品が円満に完結してくれるのが一番なんです。

連載もあと4回で区切りの1000話に到達します。
今から畳み始めるにしても100巻は越えそうですが、区切りとしては、良い機会な気がします。
物語的にも組織のNo.2であるRUM編に入っており、これを終えれば自然と最終章に入ってもおかしくない展開ではあります。

映画が人気だからという理由で延々と日常編で引っ張ることなどして欲しくありません。
人気だからこそ、原作は閉じて欲しい。

「名探偵コナン」を愛する1ファンとしては、そう願ってやみません。

アニメはさくらももこ先生を見習えばいい。

欲を言えば、アニメ版もこれ以上キャストが変わる前に終わって欲しんですよね。
特に主要キャスト。
コナンの声が変わったら、目も当てられません。
高山さん以外に考えられないのです。

なので、メインキャストが健在の限りという条件付きで、さくらももこ先生方式を採れば解決出来るんじゃないかなと。
今の若い人はご存知ないかもですが、アニメの「ちびまる子ちゃん」は第1期、そして、第2期も1999年までさくら先生自らが脚本を書いていました。

同じように、連載終了後は、青山先生に脚本原案(や監修)という名目でTVアニメ版にも携わっていただけば、質を落とすことなく続けられるはずです。
劇場版は、1作目から「監修:青山剛昌」なのですから、今まで通り続けられますし。

原作が終わっても、アニメは続けられるので、みんなハッピー。
(青山先生はハッピーじゃないかも…)

終わりに

「名探偵コナン」は面白い。未だに面白い。
本音を言えば終わって欲しくない。
劇場版なんて、僕にとって毎年最大のお祭りです。

けれどね。
未完のまま終了というのだけは絶対に嫌なのです。
青山先生のマンガでしっかりとした最終回を読みたいのです。
それがファンとしての本当の願いです。

これだけ決断力のある編集長なのです。
やって欲しいなとそう思う次第です。

…完全に青山先生の意志を無視した勝手な言い分ですね。
自分でも酷いと思う。

*1:だった気がします。「コナン」の方が連載先だけれど、「MAJOR」が追い抜いたのがこの辺だったと記憶してるのですが…

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