「妹さえいればいい。」 第10巻 ネタバレ感想

この記事は

「妹さえいればいい。」第10巻の感想記事です。
ネタバレあります。

はじめに

うぅ。やっと読めた。
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第10巻の感想です。

伊月の妹愛

おっと。
思わぬ展開。

妹が出来て、妹成分が満たされて、書けなくなる。
その流れで、伊月は千尋を好きになると思っておりました。
血が繋がってないので、倫理的に問題無いから的な感じで、最終的には千尋エンドなのかなと。
だって、両親はそれを危惧していた訳で。
少なくとも、伊月のデビュー作にはそういった近親相姦的な情念が読み取れるのでしょう。
千尋を弟にするという、ちょっとどうかしてる方法を採用したのは、それだけ啓輔が息子の処女作に追い詰められていたと解釈出来ます。
僕としても数々の奇行から先のように考えた訳ですが…。

違ったか。
伊月にとって近親相姦(血が繋がって無い関係も含める)なんて有り得ないのですね。
本物の妹として千尋を捉えてしまい、故に、「妹に恋愛感情を抱くことはオカシイ」という思考に変わったと。
「妹への恋愛」を全ての小説の骨子にしていた伊月は、だからこそ、自分の過去の考えに拒絶感を示し、小説が書けなくなってしまった…。
リアル妹のいる自分としては必然のプロセスなのですが、伊月も同じになるとは…。

でもでも、この伊月の変わり方は、既刊を読み返したら納得出来ちゃいました。

伊月が妹萌に目覚めた経緯を振りかえってみました。
ラノベに嵌り、ヒロインの中でも妹キャラばかり好きになった彼。
この流れは、まぁ、「普通」ですよね。
「妹キャラ」の部分を「幼馴染キャラ」とか「姉(姉御)キャラ」とか「メガネっ娘」とか「委員長キャラ」とか。
なんでもいいや。
自分の好きな属性に入れ替えれば、納得できますよね。
人によっては性癖が絡んでくるのでしょうけれど、伊月の場合は特にそういう感じは見受けられません。
ここが割と重要だったんですね。
完全に抜け落ちてました。

伊月が異常なまでの妹愛に目覚めたのは、これから。
三田洞彩音への失恋が切欠でしたね。そういえば。
姉のような存在であった彩音に失恋したから、「妹さえいればいい」と自棄になった訳で。

一種の当てつけですね。
「貴方のような年上なんて本当は興味が無かったんだ」的な。
この鬱屈した感情をずっと持ち続けたまま成長してしまった。
ラノベの影響で「年下」を「妹」と混同し、「年上嫌い」が「妹好き」になってしまった。
彩音への意趣返しとしての感情がいつしか「妹が好き」という間違った催眠を自身にかけてしまったのかもしれません。
感情に捻じれが発生したのかなと。

元々は「妹に恋愛感情を持たない」主義だった為、妹が出来た瞬間にこの捻じれが解消したのでしょう。
本来の想いを”思い出し”、妹に対する認識が彩音に失恋する前の状態に戻った。

勝手に納得して、なるほどな~って思いましたとさ。

千尋の初恋

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覚醒千尋の可愛さが異常。
この髪型は反則だわ。
似合いすぎてる。
この可愛さならば、春斗もイチコロでしょ。

という訳で、これまたまさかの展開。
伊月にとっては春斗は「ろくでもない男」なのか。
はたまた「ちゃんとした人」なのか。
これまでの関係性を見れば、後者ですよね。

ならば伊月は前言通り妹を任せるのか。
撤回して、交際に反対する立場を取るのか。
後者かな!!
猛反対するんだろうな~。
「娘は渡さん!!」って感じでw

兎に角、この恋模様は注目ですね。
千尋が恋を認識する切欠は何になるのか。
本人の本意とは別に今回、初との間の「身辺整理」を済ませた春斗。
まだまだ京のことが気になるであろうから、どうするのか。

2人が付き合うには、伊月を納得させなきゃだし。
なによりも春斗妹の許可が必要ですからね(笑

何気に春斗妹、大好きなんですよね。
これを機にがっつりと本編に絡んできて欲しいわ。

伊月のこれから

リアル妹のいるお兄ちゃんの大方が、リアルと二次元に自分なりの折り合いをつけてると思うのですよね。
妹に恋するのはありえないけれど、二次元妹ならば有りって考え方。
僕はこんな感じです。

妹キャラ好きだけれど、リアル妹との恋愛なんて考えられません。
ここを一緒にしないで、分けられています。

今の伊月は、この境界線がごっちゃになってる感じに思えます。
この辺りの境界線をしっかりと引き直せば、また小説を書けるようになる気がするんですよね。
果たしてどうなるのか。
やはり注目していきたい点です。

終わりに

最終カーブを周ったような雰囲気ですね。
あと数巻で店仕舞いなのかしらん。
だとしたら寂しいな。

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