はじめに
漫画読んで嫌な事忘れよう月間。
その3は「じけんじゃけん!」です。
12月某日に店頭で3巻を見つけて、「なんか可愛らしい女の子が可愛いポーズ取ってるな」でお馴染みの「じけんじゃけん!」。
この度3巻まで買って読みました。
感想となります。
一発芸漫画
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花 誰もが羨む完璧JK」♪
さぁ、玄関潜ったら変身だ♪
じゃなかった。
白銀百合子。
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合子様」なんて称される完璧美人が百合子。
今作の主人公です。
だが、この高校3年生。
一見完璧に見えるが、超が付くほどのミステリマニア。
ミステリが絡むと豹変し、いっきにポンコツ先輩に早変わり。
時にミステリをバカにされたと怒り、時にミステリにまんまと騙されたことを認めず、時にミステリが絡むと奇行に走る。
ミステリ好きが高じて、ミステリを1から10まで分かったつもりでいるポンコツ先輩。
そんな彼女はミステリ研究同好会の部長。
後輩である戸入君とミステリ談議に花を咲かせたり、自分の考えたトリックを実行して推理ゲームをしたりして日々を過ごしています。
帯には「新感覚のミステリ×日常コメディ」と書かれてますが、「実際にミステリな漫画」ではありません。
コメディです。
ギャグというか、ラブコメというか。
コメディなんです。
ただ単に話の題材が「ミステリ」というだけです。
百合子のキャラが立ちまくっていて、彼女を中心に回したコメディ漫画なのです。
この手の作品は、最近多いです。
僕は「一発芸漫画」と名付けてますが、強烈なキャラクターの芸風だけで笑いを取るというタイプですね。
具体的な作品名を挙げれば良いのかもしれませんが、それすると、間接的にdisってることになるので止めにして。
そうですね。
分かる人は分かるかもしれませんが「SKET DANCE」の早乙女浪漫が主人公やってる漫画だと思って下さい。
そんな雰囲気です。
百合子は、そんな「一発芸漫画」の主人公達に比肩するほどキャラクターが濃く、作品も彼女の面白さに一存しているタイプです。
こういった「一発芸漫画」。
初めは面白いんですよ。
でも、すぐに飽きるんです。
なにせ「一発芸」だから。
廃れるのも早い。
やはり、芸人は一発ギャグだけでなくトークが面白くないとダメです。
漫画も一緒。
他の部分に面白さを見出せないとダメ。
では、今作はどうか。
結論から言うと、「一発芸だけでは無い”トークも面白い”漫画」でした。
何故そのように結論付けたのか。
簡単です。
1巻より2巻が。
2巻より3巻が面白いからです。
特に3巻が特筆もの。
3巻が超秀逸
3巻冒頭を飾るのは「第31話 あんらくいすたんていじゃけん!」。
個人的には関西で放送されていた「綾辻行人×有栖川有栖プレゼンツ 安楽椅子探偵」シリーズをパロってるだけで爆笑ものだったのですが、やはり戸入が面白い。
戸入少年は、百合子のことを変態的に好いています。
「変態的」なんて言ってますけれど、まぁ、健全な高校生男子の範疇かもしれない。
話すと残念なイケメンっていうのかな。
百合子本人にドン引かれるくらい百合子の事が好きな少年。
だから、百合子の奇行にも温かい目で見守ることが多い。
この話も、「謝罪する」と言っておきながら、「私の作った推理ドラマの謎が解けたら、その懸賞として謝る」という詫びる気が一切感じられない行為に走る百合子。
それを心の中でツッコみながらも最後まで健気に付き合うのが戸入君。
戸入が居るからこそ成立するギャグなんですよね。
強烈な百合子のキャラに付き合えるキャラクターである戸入。
彼が話を増すごとに存在感を強めていってるから、一発芸にならずにいる。
そんな戸入の存在感の強さがまざまざと発揮されているのが、3巻収蔵の「第41話 まじっくじゃけん!」。
ある日、百合子はマジックを披露すると言います。
ミステリもマジックもトリックを使っていて、よく似ている。
だから、マジックを覚えたのだという。
そう言って彼女が披露するのはカードマジック。
よくある「カードの山から1枚観客に引かせて、マークを覚えさせて、それを言い当てる」というマジックです。
指名された戸入君は、山から1枚カードを引きます。
引いたのはハートのキング。
よく覚えた戸入君は、百合子の指示通り、適当な場所にカードを戻します。
ここから百合子のマジックは読者の予想の斜め下を行きます。
そして最終ページ。
1ページ丸々使ってのオチがあるんですが…。
もうね、爆笑した。
文字通り5分ほど1人で大笑い。
「百合子に最後まで付き合っちゃう戸入君らしいオチ」。
この他の話も本当に面白い。
ひたすら笑えました。
尻上がりに面白さを増しているから、「一発芸」では無い。
この漫画、大好きです。
ラブコメも良いよ
ラブコメとしても面白いです。
先述のように、戸入は百合子を大好き。
しかし、百合子は恋愛オンチ。
戸入のストレートな思いを知ってから知らずか不明な態度。
進展しません。
また、戸入のことを好きな女の子も出てきます。
ネタバレになるので名前は伏せますが、この子もレギュラーになります。
可愛いです。
同じく3巻収録の「第39話 めんたりずむじゃけん!」がオススメです。
彼女の可愛さが溢れています。
ラブコメ好きにもオススメしたい一品ですね。
終わりに
兎に角3巻まで読んで貰いたいです。
抱腹絶倒のお話が詰まった第3巻。
すごーく面白かったです。
- 作者: 安田剛助
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2016/10/28
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