はじめに
「金未来杯」はこの作品で決まりで良いんじゃないかな?
「除冷師煉太郎の約束」が面白かったです。
弱冠19歳の才能
漫画を描き慣れて無い作家さんによくあるのが、ペン入れが上手くない。
どこか野暮ったい線で描かれていて、見ると一発で慣れて無い事が分かります。
作者の眞藤先生は、その点こなれているのが分かります。
プロの連載作家と比べてもそん色ない線を引いています。
無駄な線が無く、非常にスッキリとした線で、好感度が高いです。
設定説明が最小限なのも良いですね。
バトル漫画で読切で、説明台詞が多いとそれだけで読み疲れちゃうのですが、最小限の台詞で世界観の全てを表現。
一見不要そうな第三者の除冷師を出して、彼を解説役に仕立てる手並みもお見事。
世界観を台詞では無く、漫画に落としこんで描いている点は、読み易さに繋がっていました。
動機のどんでん返し
煉太郎が郡に告白します。
昔、守れなかった人が居ると。
最初は、郡とは違う第三者を守れなかったのかと想像しました。
しかしお話が進むにつれて、それが郡のことだと分かるというのは、凄く良かった点です。
説明を分割する事で、煉太郎の想いの深さを描けているし、真相をクライマックスに持ってくる事でカタルシスも生んでいる。
タイトルの意味にも繋がっていて、ここら辺のドラマの描き方も僕好みでした。
読切として完結しちゃってる
唯一の欠点がこれでしょうか。
読切として完全に物語が完結しちゃってるんですよね。
唯その分読み応えとしては確かなものがあったし、まあ、プラスに考えましょう。
逸材
物語の構成力、画力、台詞回しとどれも19歳という年齢を考えても将来有望な気がしてなりません。
近未来のジャンプの確かな戦力になってくれるんじゃないかなと期待します。