「週刊少年ジャンプ」は終わったコンテンツに頼ってはいけない

出版不況

恐らくですが、出版不況が原因なのでしょう。
人気作のスピンオフ商法が近年盛んです。

角川系列の出版社が昔っから得意にしていたアンソロジーという一種のスピンオフ商法に、講談社や集英社なども本格的に参画してきました。
アンソロジーという形式ではなく、スピンオフや続編…1人の作家が特定の作品を原作とした漫画を発表していることが多いのですけれど、最近本当に多く見られるようになりました。
個人的に集英社がやり始めたのが凄く納得いかないんです。
特にジャンプブランドを冠した作品達ですね。

現在連載中の作品に絞ってちょっと纏めてみます。

週刊少年ジャンプ

「BORUTO」

ジャンプ+

「i-ショウジョ+」
「れっつ!ハイキュー!?」
「黒子のバスケ Replace PLUS」
「僕のヒーローアカデミア すまっしゅ!!」

ジャンプSQ.

「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」(完結)
「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 北海道編」(今夏より)

最強ジャンプ

「ドラゴンボールSD」
「うちはサスケの写輪眼伝」
「ワンピースパーティー」
「殺せんせーQ!」
「遊☆戯☆王ARC-V 最強デュエリスト遊矢!!」
「ドラゴンボールフュージョンズ the MANGA!!」
「スーパードラゴンボールヒーローズ暗黒魔界ミッション!」
「地獄先生ぬ~べ~NEO」

Vジャンプ

「ドラゴンボール超」
「遊☆戯☆王ARC-V」

少年ジャンプGIGA

「いちご100% EAST SIDE STORY」
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「To LOVEる」とかメッチャ楽しんでおいてなんですが、この状況は芳しくないなと。
特に原作が連載中のものは別として、終わった作品でまでやることは無いと思っています。
「DRAGON BALL」とか「暗殺教室」とか「NARUTO」などの話ですね。

多過ぎじゃないですか?
繰り返すようですが、僕はこの状況は、芳しくないと思っているのです。

「ジャンプ」は後ろを顧みない

「週刊少年ジャンプ」というのは、常に挑戦し続ける雑誌です。
「サンデー」や「マガジン」、「チャンピオン」という先陣に追いつけ追い越せの精神で始まった最後発の雑誌「ジャンプ」。
若手を主体にして、独自のアンケート方式を確立して、人気の無い作品はベテラン作家であれ切っていくというスタンスを貫いてきた。

成功者の影に、多くの若者が涙を拭って来た歴史があるんです。

例え人気作になっても、アンケートの結果が悪くなれば容赦なく打ち切る。
「シャーマンキング」等が良き例ですよね。

そのようなスタンスを取ってきた以上、一度終わったコンテンツに頼るようなことをしてはならないんじゃないでしょうか。
少し意味が異なりますが、「ライジングインパクト」が最初で最後の異例の措置だったはずです。

どんな理由であれ、一度終わった作品は二度と復活させない。
それが根底にあったはずなんですよ。
僕の知る「ジャンプ」では。
それなのに、「DRAGON BALL」に頼り、「いちご100%」まで引っ張り出してくる。
夏には「ジャンプSQ.」で「るろうに剣心」が”再開”します。

こうなると、打ち切られていった作品達が不憫です。
「全く新しい作品」の為に切られていったのに、後に入るのは過去の人気作のスピンオフでは、納得しにくいじゃないですか。

これ、本誌以外でも同じ話ですよ。
限られたパイ(ジャンプ+は無制限に増やせそうですので論外としても)の中で、新人がオリジナル作品を発表できる場が少なくなっている。
兄弟誌で経験を積んで、本誌でデビューという道がより狭くなってしまっているんじゃないかな。

スピンオフ作品のお陰で、飯を食べられている作家さんもいるので、スピンオフそのものを悪と断じるのは間違いかもしれない。
けれど、「ジャンプブランド」は後ろを振り返らないからこそ成り立っていた部分があったはずです。
打ち切られても、別のライバルの若手にチャンスが回り、オリジナル作品で勝負するから納得も出来る。

スピンオフはジャンプには似合わないし、やってはならないんじゃないかと思うのです。

終わりに

出版不況だからこそ、新しい作品をどんどん回していくのが得策なんじゃないかなとも思うのです。
流行り廃りのサイクルも早まって、読者はどんどん新しい作品に目が映ります。
だからこそ、人気作を引っ張るのはもう古いやり方なんじゃないかなと。

「ジャンプ」だからこそ、どんな人気作でも陰りが見えたら、店じまいを薦める。
40巻も50巻もやらせずに、新陳代謝を良くする。
血の入れ替えをどんどん断行する。

それが「ジャンプ」らしい姿であり、今後求められる姿勢なんじゃないかなと勝手に考えております。

最後になりますが、「るろ剣 北海道編」と「いちご100%」が滅茶苦茶楽しみで仕方ありません。

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