この記事は
アニメに関する記事です。
精査している時間が無く、いつも以上に「何が言いたいんだコレ」状態(笑
はじめに
「ハリウッド化」と言っても良い意味ではありません。
どちらかというとネガティブな意味です。
えっと。
近年のハリウッド映画の状況をざっと見渡してみると、続編(シリーズもの)が大部分を占めている事に誰しもが気付くかと思われます。
何故、シリーズものが多いのか。
以前読んだ記事(数年前のニュース記事の為、ソースを示せません。探したんですが…)を鵜呑みにすると大きく分けて2つの理由があるそうです。
tent pole 映画
一つ目の理由は、手堅く収益を確保する為だそうです。
新作映画というと、当たるも八卦当たらぬも八卦というのが常識。
有名なプロデューサー、俳優、監督を確保しても、鳴かず飛ばずで終わる事もしばしばあるのが映画。
(どんな世界でも、ここら辺は同じでしょうけれど)
特に近年は製作費が高騰しているのが現状だそうで、莫大な製作費を回収するには目標となる興行収入も当然高めになってしまう。
2006年の記事ですが、こちらとか参考になります。
参考:ハリウッドの資金調達。スクリーンの裏で…
製作費をどうやって集めるかに焦点を絞った記事です。
兎も角。
製作費が高騰しているという現状から、当たるかどうか分からない新作よりも、比較的収入が見込める続編を作ろうと考えるのは当然なのかもしれません。
このような「安定した興行を見込める映画」をハリウッドでは“tent pole(テントの支柱)映画”と呼んでいるようです。
文字通り、映画制作スタジオを支える柱という事なのですね。
ただしこちらは、日本のアニメのそれとは殆ど関係のない理由です。
オリジナルの脚本が作れない!?
大事なのは2つ目の理由。
オリジナルのシナリオを書ける人材の不足。だそうです。
歴史が長く、星の数ほど作られてきたハリウッド映画。
オリジナリティを出す事が困難なのかもしれません。
でも、これ。
最近真逆の事を書いた記事が。
参考:日本とはまったく違う!? 米国映画のマンガ原作はわずか1%(後編)
ハリウッド映画はオリジナル脚本が主流であることが書かれております。
う〜〜む。どっちが本当なのか。
どっちも正しいのかもしれないですよね。
続編のシナリオを作るのと、完全なる新作のシナリオを作るのでは、僕としては後者の方が難しいと思っております。
大した違いも無いかもですし、場合によっては前者の方が多くの制限が付く事で困難になる事もあると思う。
全てがそうとは言いませんけれど、それでも基本的には完全新作のシナリオを書く方が難しいんじゃないでしょうかね。
原作を持たないシリーズものの脚本も、オリジナル脚本と呼べますしね。
なんにせよ、近年のハリウッド映画は新作よりも続編が多い事には違いない。
日本アニメの現状
ではでは、日本のアニメに話を移します。
日本のTVアニメが深夜に放送される事が主流になってきている最近。
いや〜本当に全日帯のアニメが減って来てますしね。
深夜アニメが主流になると、放送形態が1クール〜2クールが殆どになります。
そうすると自然に続編モノが多くなるのも必定。
例えば、漫画原作のアニメは、2クール以内では描き切れない事が多いですしね。
人気さえ出れば、2期、3期と作ることが(原作のストック的に)可能。
今年の深夜アニメを見てみると、分割を除くと実に20本もの「続編モノ」が放送されました。
約102本中20本(分割ものは1作品でカウント)。実に5分の1が続編・リメイク作品。
たった1年の結果ですけれど、数字として見るとその多さに納得して頂けるかと思います。
というか、自分で調べといてなんですが、思った以上に多くてビックリしましたもの。
(今年久々に100本の大台に乗っていた事実にも驚きましたが)
また、放送されるアニメが年間80本前後を維持している為、リソースがどんどん減っていくのも当たり前の話ですよね。
以前「2000年以降のオリジナル深夜アニメ」を纏めた記事を書きました。
この記事で、年毎のオリジナル作品の本数を調べたのですが、原作モノはこれの逆から見て取れます。
例えば、去年2011年では、全体で78本が放送され、その内オリジナルアニメが14本であった為、原作モノは64本という事になります。
年間で50本以上の「原作」が消費されているという事ですね。
原作の枯渇が齎す影響
このような事情から、「原作」が枯渇してしまうのもそう遠くないんではないかと思うのですね。
上で(後編)を紹介しました記事の前編を見てみました。
参考:映像作品の原作はどこから? 日本アニメの半数以上はマンガ(前編)
この記事内の調査結果を引用させて頂きます。
2011年公開劇場アニメの原作形態ジャンルシェア(日本映画製作者連盟、興業通信などの資料をもとにした筆者調査)
原作形態 作品数 割合 マンガ 21 51.2% オリジナル 7 17.1% ゲーム 5 12.2% 小説 5 12.2% 童話 3 7.3%
映画は特にオリジナルが難しく、少ないと言われています。
実際少ないです。
今年だと「ももへの手紙」とか「虹色ほたる」くらいかな。パッと思いつくのは。
TVアニメに比べても少ないので、やや極端な数字にはなっているかと思うのですが、それでも原作付きの割合の多さは顕著です。
後編の記事内では、以下のような記述も見られます。
日本では年間150作品ほどのマンガが映像化される
深夜アニメだけでは無く、全てのTVアニメ、OVA、映画等も含めての数字なのでしょうか。
真偽は分かりませんけれど、かなりの数です。
毎年本当に多くの原作が消化されている現状が見て取れます。
目ぼしい原作が少なくなってきてしまうのは、当然ですよね。
こうなってくると、続編が多くなるのも自然な流れに見えます。
「アニメにして、当たりそうな」原作がどんどんアニメ化され、次第にそのような目ぼしい作品が少なくなっていく。
当たるかどうか分からない原作をアニメ化するよりも、過去のヒット作品の続編を作るなり、リメイクするなりした方が危険が少ない。
原作のストック的に余裕がある事が多く、作りやすいというのもこれに輪を掛けます。
ハリウッドとは事情が異なるかもしれませんが、やはり日本のアニメも似たような感じになりつつある気がします。
このままだと、新作の割合よりも続編作品の割合の方が高くなる日もそう遠くないのかもしれません。
これって必ずしも喜ばしい状況とは思えないのですよね。
続編モノは、シリーズのファンにとっては嬉しい。
けれど、そうじゃない人からすると「途中から入りにくい」為、新規層の獲得が見込みにくくなり、ビジネスモデルとして先細りしてしまう。
新作の割合が高い方が健全なのだと思うのです。
ここらで、この状況を看破するナイスなアイディアを提供できると格好良いのですが。
いかんせん、僕はズブの素人。
アニメ業界に関する知識もなければ、打開策を講じる知恵もありません。
そういった事は一切書けないのですが、それでも一つだけ思っている事があります。
オリジナルアニメってやっぱり重要になってくるよなという事ですね。
オリジナルアニメに頑張って欲しい
今年のオリジナルアニメはどうだったか。
ざっと挙げてみます。
微妙なところの「不二子」は除きます。
- 「アクエリオンEVOL」
- 「戦国コレクション」(ソーシャルゲームが原作なので完全オリジナルでは無いですが)
- 「探検ドリランド」(ソーシャルゲームが原作なので以下略)
- 「イクシオン サーガ DT」(オンラインゲームが以下略)
- 「武装神姫」(オリジナル???)
- 「ブラック★ロックシューター」(これも微妙)
- 「つり球」
- 「PSYCHO-PASS」
- 「エウレカセブンAO」
- 「夏色キセキ」
- 「K」
- 「輪廻のラグランジェ」
- 「オズマ」
- 「戦姫絶唱シンフォギア」
- 「あの夏で待ってる」
- 「AKB0048」
- 「TARI TARI」
- 「ガールズ&パンツァー」
18本かな。
完全オリジナルだと13本。
去年が14本だったので、まあほぼ横ばい。
良い感じですね〜。
オリジナルアニメって作るのに労力が半端無いらしいですけれど、でも、ここが頑張ってくれるだけで良い事尽くめ。
オリジナルアニメって綺麗に完結する事が多い為、続編って然程多くありません。
従って、続編ばかりになるという危険性が少なくなるのも魅力。
また、個人的にも嬉しいし、「原作」も溜まりますし。
オリジナルアニメの量産なんてとっても大変そうですけれど、来るかもしれないヨロシクない未来の為にも頑張って欲しいです。