「かぐや様は告らせたい」の実写映画について前向きに考えてみる

もう止めて(本音)

衝撃的なニュースが日本中を駆け巡りました。
「かぐや様は告らせたい」の実写映画化です。

またか。

多くの漫画ファンが一様に口にしたであろう言葉ではないでしょうか。
実の所、僕がそうで。
流石に辟易してきました。

どうしてこう分かりきってる失敗を繰り返すのか…と。

人気漫画の実写化は手堅いのは事実なのでしょう。
一定の集客が見込めるから、スポンサーも付きやすく企画が通りやすいのでしょう。
完全オリジナルの脚本で製作されるよりかはリスクはうんと小さいのだと思う。
けれど、「当たり難い」のもまた事実です。

近年だと「ちはやふる」シリーズ、「orange‐オレンジ‐」、「暗殺教室」シリーズ、「信長協奏曲」、「銀魂」シリーズ、「帝一の國」くらいしか思いつきません。
って、列挙すると結構あるな…。
うん、僕が思ってる以上に手堅いのかもしれません。

ま、いいや。
兎に角ですね、嫌ではあるんですが、決まってしまったものは仕方ありません。
前向きに実写映画について予想してみます。

スタッフの印象

監督は河合勇人さん。
名前を拝見しただけで「ニセコイ」の悪夢が頭を過ります…。
同じラブコメだけに非常に危険な匂いがプンプンしますが、どんなに脚本が良くても、「ニセコイ」前半のノリで作られてしまうと間違いなくこけます。
酷いことになる未来しか視えないので、同じノリは持ち込んで欲しくないのですが…。
どうなるんでしょう。
個人的には「俺物語!!」は問題無く鑑賞出来ましたので、同じラブコメでも「俺物語!!」寄りの演出でお願いしたいところ。

脚本は徳永友一さん。
あまり存じ上げないので、wikipediaを見ましたが、サスペンスからコメディまで幅広く執筆されているようです。
漫画原作も「東京トイボックス」、「信長協奏曲」、「僕たちがやりました」と関わっている様なので、その点安心かな!?
日付変わって今日「翔んで埼玉」を見に行ってきます(笑

良くも悪くも監督の演技プランによって、大きく変わって来そうです。
そういった意味で、キャストがどうあれ、監督次第ではないでしょうか。

実写映画について前向きに考えてみる

さて、1話完結主体のコメディ漫画である本作を映画化するというのは、かなりの冒険なのです。
恐らく100分前後の上映時間の中、短編エピソードをただ単に並べただけでは、映画としては評価されないからですね。
なんらかのストーリーは必要なのですよ。

例えば「ニセコイ」でいえば、前半は楽と千棘の出会いに焦点を絞って、原作エピソードをつまみ食いしていました。
最初にキャラ紹介と関係性を見せて、然る後、中盤から後半にかけて文化祭の演劇編を中心にして、いっきに2人が付き合うまでを描き切っていました。
男女の出会いから好きになる過程を経て、交際に至るまでを1つの映画の中に纏める事で、軸となるストーリーを組み上げていたのです。

「かぐや様」も同様になんらかのストーリーが組み込まれるはずなのです。
そこで、どのようなストーリーになるのかを妄想します。

登場人物

アニメでも映画でもよくあるのが、人気キャラを前倒しで登場させることです。
これを踏まえ、実写版の登場人物を予想しましょう。

先ず当然ですが、かぐや、御行、千花は確定ですね。
主人公2人とメインヒロインが出ないとこの漫画である必要性が無くなりますから。

石上も裏主人公であるし、メインキャラ。
彼が居るかどうかで面白さが1枚も2枚も変わってきますので、まぁ、出る筈です。

ここまでは鉄板。
問題はミコですよね。
生徒会第5の人物にして、裏ヒロイン。
ミコを出せば、今twitterでバズってる「(会長の顔は好みじゃ無くて)〇野紫耀くんが好み」というギャグも使えますw
彼女を前倒しで登場させる事は簡単です。
けれど、本当にそれをしていいのでしょうか。

やはり彼女が初めて登場する生徒会長選挙編は、ミコというキャラを描くには不可欠だと思うのです。
1本の映画の中で生徒会長編を取り上げるには、時間が少なすぎます。
物語開始時の時系列をずっと後ろにずらすという方法も考えられはしますが、それすると、メインテーマがぼやけてしまう恐れがあります。
メインテーマはあくまでも「会長と副会長の恋愛頭脳戦」であって、「会長の選挙戦」ではありません。
とはいえ、会長選挙を無視して、ミコを登場させると、今度は彼女の存在意義がぼやけてしまう。
無理をしてまで出すくらいなら、出さない方が良いです。(願望)
従って、ミコが出てくる可能性は低いと思われます。

あと、早坂も出て欲しくないです。
好きなキャラだからこそ。
だって、出てきたら絶対に鶫(「ニセコイ」)同等の扱いになりますよ、きっと。

僕の結論としては、キャラは絞って欲しいです。
それだけ。

構成を考えてみる

続いて、脚本の構成を考えてみます。
妄想するにもあまりにも材料が無さすぎるので、ここは基本に忠実に来るだろうという前提で妄想します。

ならば、序盤はキャラを描くことに腐心されるはずです。
原作の1~2巻からいくつかエピソードを拾って、かぐやと御行が千花に翻弄される日常を印象付ける。(メインテーマが行方不明)
場が温まったところで石上を投入して、火薬庫に火をつける。
少しずつ季節を春から夏へと移しつつ、上映時間の半分は、頭脳戦にたっぷりと使って欲しいですね。
後半への伏線として、「氷のかぐや姫」時代のかぐやも登場させておいて欲しいかな。
会長に出会い、少しずつ変わっていったのだという事実を観客にしっかりと印象付けてくれると、僕的には100点。

肝心の後半は、夏休みをメインに持ってきて欲しいのです。
原作では5巻あたり。

前半で高めに高められたかぐやの恋心。
すっかりアホになってしまった彼女は、夏休みという離れ離れの時間を胸を痛めながら過ごす。
逢いたくても結局逢えないでいる日々。
想いは募り、不安が高まり…。

前半とは一転してシリアスに転調させて、かぐやの内面を深く深く掘り下げて行って欲しいんですよね。
彼女の家の境遇。
具体的に言えば、父親との確執をオリジナルを交えてでも濃く抽出して、「会長に逢いたい」というかぐやの気持ちを高めて欲しい。

早い話が「花火の音は聞こえない」を後半のメインエピソードに据えて、これを以て「かぐやの恋物語」というストーリーを軸にするように構成して欲しいなということです。

「花火の音は聞こえない」は原作序盤の神エピソードです。
ここまで笑い転げるエピソードばかりで、だからこそ買い続けていたのですが、このエピソードでより作品を・キャラを好きになったんですよね。
映画の「芯」にするにもシリアスな分、相応しいですし、大きくストーリー性を打ち出す事も出来ます。
アニメ版もここを最終回にしてくれても良い位、「ラスト」に持ってくるにも適しています。

前半笑わせて、後半から終盤にかけてしっとりとさせる。
構成としては鉄板では無いでしょうか。
オリジナルを組み込まれる可能性も勿論あるのですが、原作エピソードだけで映画のシナリオを妄想すると、例えばこんな感じになりました。

前向きで行こう

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©赤坂アカ

これが大量にSNSに溢れないような出来に期待。

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