「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」第28巻感想 「かぐやはどういう人間となったのか?」に対する僕の答え

この記事は

「かぐや様は告らせたい」第28巻の感想です。
ネタバレあります。

神漫画だけれど…

どういった感想を書こうか、暫く迷っていました。
21日には読み終わって、すぐに感想を書こうとはしたのですけれども。
どうにもこうにも考えが纏まらない。

間違いなく自分の中では神レベルの作品となった。
ここまで笑わせてくれた漫画はそう無いし、シリアスなシリーズだって面白かった。
キャラクターも大好きになって、一生本棚に残しておくことを誓えるんです。

それでも感想が纏まらない。
あまりにも好きすぎて、感情が制御できないって感じでしょうかね。
そんなこんなで、今日にまでアップできなかったのですけれど。

そうですね。
ここは、巻末にあった「かぐやの物語」について自分の感想を書いてみます。

かぐやが「普通」を目指す物語

かぐやが「普通」を目指す物語。

滅茶苦茶納得しちゃいました。
これまで何度も何度も「最終回」を経てきたと思っていたのですが、見事な勘違いであったわけですな。

漫画に出てくるようなお金持ちって、大抵属性の1つでしかない訳ですよ。
お金の力で何でも解決したり、周りを振り回したり、はたまた別荘などを提供することで物語を回す狂言師となったり。
作者の便利使いされるような属性であって、あまりシリアスなバックグラウンドを持ち合わせていない。
ラブコメだったら尚更だよね。

けれど、そうじゃないのが、この作品。
既存のお金持ちキャラのような振る舞いはほぼしない。
その代わりに、異常なほどの柵がありました。

これがまた本当にえぐかった。
いちいち全てを取り上げませんけれど、一言でいうと「普通じゃない」。
今公開している「-ファーストキッスは終わらない-」でその一端が克明に描かれてましたけれど、そういうことよね。

好きな人が出来ました。
(濃厚な)キスをしました。
両思いでした。
普通のラブコメなら、ここで「完」でも問題無いけれど、「かぐやの物語」は何にも解決しちゃいないんよね。
「-ファーストキッスで終わった-」になってないのがその証左。

「彼女自身の他人との付き合い方」がやっと、やっと「普通」になっただけ。
かぐやにはまだまだ「普通じゃない」ところ、つまりは、「四宮家」に纏わる柵が沢山あって。

付き合い始めた後の物語は、その柵からかぐやを開放する物語だった訳で。
そうして26巻でやっと彼女は本当の意味で自由となり、本当の意味で御幸と恋人同士になれた。
「普通の女の子」になったのだと。

最終回レベルのドラマを何度も何度も繰り返して、ようやく普通の女の子になったということはですよ。
換言すれば、それだけかぐやが普通では無かったということです。

じゃあ、彼女はあまたの物語を経てどのような人間になったのか。
僕なりの答えを最後に書きます。

カメラマンとは…

「早坂愛の最終回」。
ここで、愛の口から出た言葉、そして、かぐやのカメラマンとしての腕前が、僕にとっての答えです。

愛にとってカメラマンと言う職業は、「人間を知ること」に等しいという認識なのでしょうね。

人間の事を信じられないとか
一人で生きていきたいって言ってた子が
まさか人を撮る仕事に就くとは

人間を信じて、人間に寄り添い、人と一緒に生きていく。
そうやって他者と寄り添うことで、良い写真が撮れる。
そんな感じでしょうか。

そんなカメラマンという職に就いたかぐやは、そういう女性になったということ。

更に言えば、優のセリフからアシスタントカメラマンを卒業し、独り立ちしてるというのですから「人間を知る」ことは最早一人前ってことでしょう。

ということで、僕の答え。
四宮かぐやはどういう人間になったのか。

人を拒絶し、氷の仮面をまとっていた少女は、人を知り・人を愛する女性になった。
どこにでもいる普通の人間になった。

そういうように解釈しています。

終わりに

28巻はメインキャラ1人1人にスポットを当てた非常に贅沢なエピローグでした。

赤坂先生。
最高の漫画を今までありがとうございました。

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