「怪獣8号」第2巻感想

この記事は

「怪獣8号」第2巻の感想です。
ネタバレあります。

死ぬ覚悟完了してる精神性凄いわ~

入社式(作中で言う入隊式)で「命の保証など微塵もない」とか言われたら、ビビり上げて卒倒しちゃうわ。
防衛隊と言うのはそもそもが「そういう仕事」だと納得してるのであろうけれど、それでも明け透けに「死と隣り合わせ」であることを強調されて、それでも顔色一つ変えない新人達の姿からは、住む世界が違うなと思わされます。

どういう世界で過ごせば、こんな覚悟が決まるのであろうか…。
バトル漫画のヒーロー達の凄まじいまでの精神力には、驚かされてばかりです。

どうでも良い話ですが、僕が新卒で入った会社の入社式では「去年社員が自殺してさぁ」から始まる社長挨拶で始まりました。
ブラック企業は、君の隣にもいる…!!

第2巻の感想です。

敢えて、筋を超絶単純化してるんじゃないか

カフカが怪獣8号だと保科副隊長にバレてからが本番と思っている。
2巻の感想を端的に纏めるとこうなります。

恐らく敢えてなのだと思いますが、エピソード1と今回のエピソード2では、物語の構成が同じなんですよね。
ep.1の本獣をep.2では、人型怪獣に差し替えれば、筋がそっくりそのまんま。
ピンチにヒーローが駆け付けるのは王道展開ですが、しかし、そこまでの過程がここまで似ているのは、最早敢えてそうしていると考えた方がしっくりきます。
そう。
敢えて、筋を超絶単純化してるんじゃないかなと。

2つのエピソードをざっくりと書けば、
怪獣登場⇒仲間戦う⇒仲間ピンチ⇒カフカ登場⇒カフカが怪獣倒す
というもの。
非常にオーソドックスな王道展開を「工夫」なく描いています。
それだけに余計なことを考えないで読むことが出来てるんですよね。
僕も単純に「燃える!!」って思ってるだけですもの。
なんなら2巻の感想も「燃える!!」だけ書き連ねて終わりたいまである。

滅茶苦茶に熱い展開で、構造も単純だから、「見せたい事」がストレートに伝わってきます。

「見せたい事」その1:同期が熱い!!

では、その「見せたい事」とは何か。
2つあると思っていまして、1つは防衛隊のメンバーのこと。
特にカフカの同期達の人となりでしょうかね。

2巻ではレノと伊春が、もうさ。
最高だよね。

レノの「成りたい隊員像」がカフカで、だからこそ、伊春を逃がそうとしたとこ。
熱すぎじゃない。
カフカに傾倒した全てが凝縮したシーンだし、それをすぐさま実行できる彼の本気度が素晴らしい。
彼が命(ちから)を貸しているのはカフカなんだと理解できるよね。

伊春は伊春で、カフカから下の名前呼びされてるのは何故⁉
レノは「市川」呼びなのに。
これは三角関係ですね!!熱い!!

違った。
伊春も「友を助けるため」に戦う姿が熱いよ!!
レノを助けるために戻ってくるシーンもそうだけれど、特筆すべきは、人型に止めを刺されそうになった瞬間。
この期に及んでも自分の命よりもレノを助けて欲しいと願っている。

こいつら最高かよ。

名シーンの連続で、語ろうと思えばこれだけで記事1つは余裕で書けちゃうのですが、一先ずここまでにして。
兎も角一瞬で伊春のこと好きになりましたよね。

こういう熱い男は、殺しちゃならねぇ。

「見せたい事」その2:カフカ、正規入隊までの物語

さて、2つ目。
2つ目は勿論、カフカのことですよ。

彼がスーツの性能を引き出せないのは、怪獣化が原因なのでしょう。
因果関係については今後作中で明言されるのでしょうけれど、恐らくカフカは解放戦力を正隊員の平均レベルまで上げることは出来ない。
スーツで怪獣倒せるのであれば、彼が怪獣である必要性が薄れちゃいますから。
ただ、そうなると正隊員にはなれないんですよ。
いつまでも仲間をサポートしたり、怪獣を解剖して弱点を探したりだけというわけにはいきません。
後衛に回るというのも方法としてはアリかもですが、カフカの目標が前線で幼馴染の横に並ぶことである以上、その道は無い。

ならば、怪獣8号であることを組織のトップに「理解」してもらう必要性があります。
一番良いのは組織全体への認知なのですが、キコルが否定しているのでそれは無理なのでしょう。
なら、直属の上司くらいには知っておいてもらわないといけません。

もしもの時に、怪獣化して戦うことを認めて、そして、内密にしてくれる。
そんな上司。

保科はこの条件にピッタリと当て嵌まります。

カフカを怪しんでいる。
面白いことが好き。

怪獣化しても自我を保っていることを理解してもらい、怪獣を倒すために力を尽くすことを認めさせる。
これが絶対条件だと思われますが、逆を言えば、これさえクリアしてしまえば、「面白い奴」として歓迎してくそうなキャラをしてます。

唯一気がかりなのが、「糸目で関西弁のキャラ、実は腹黒説」に該当しちゃいそうなこと。
仮に保科が隊を裏切ったら、カフカの立ち位置も偉いことになりそうですが…それはないと信じておこうw

という訳で、カフカが正隊員になるまでの過程に集中して魅せたいという思いがあるんじゃないかと感じたのです。

3巻からが本編なのでは?

ep.2までがプロローグなんじゃなかろうか。
敵側の謀略を描きつつ、しかし、最小限にすることで、物語を単純化してる節があるここまで。
カフカと同期達に僕ら読者がガッツリと惹かれた後に、彼らが本格的に活躍する本編へと繋がっていく。
そこで漸く物語も複雑化していくのかなと。

であれば、プロローグでここまで面白いってヤバくない。
もっともっと面白くなっていくと思うとワクワクが止まりません。

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