この記事は
「カッコウの許嫁」第2巻の感想です。
ネタバレあります。
メッチャ売れたっぽい
「マガジン」史上最多の増版だったとか。
「2巻発売までの間の」という限定条件付きではありますが、異例の反響と売れ行きなのは確かっぽいです。
「五等分の花嫁」効果なのか、「マガジン」にラブコメ旋風が吹き荒れてますね。
ということで、ポスト「五等分の花嫁」筆頭となった「カッコウの許嫁」第2巻の感想です。
ギスギスとは無縁
明るく楽しいラブコメディ。
「これってコメディ成分ある?」と疑いたくなるほど重たいラブコメが幅を利かせている感のある昨今。
原点回帰というと違うのかもしれないけれど、王道の正しいラブコメ姿勢が嬉しい。
今回は、幸が参戦。
最初こそぎこちなかった実の姉妹の関係も些細なことであっという間に構築され、失われた時間をいっきに埋めそうなほど良好なものとなりました。
ややブラコンっ気のある幸は、突然現れた女、しかも自分と血の繋がった姉に兄を取られたのだから、敵愾心を見せてもよさそうなものですが、そういった面は今のところ感じられず。
姉エリカとギスギスした関係を望んではいなさそうです。
姉妹として仲良くしつつ、凪を巡る恋のライバルになるのかもしれないですね。
そういう想像が出来るほどシリアスな空気とは縁遠い作風は、やっぱり掛け値なしに嬉しくなります。
もう1つのギスギス懸念案件と言えば、エリカとひろですね。
凪はひろが好きで、エリカと凪は許嫁で。
エリカが凪に恋愛感情を持ってなくても、同棲してたから多少は嫉妬心でも湧くんじゃなかろうかと思ったのですが、そうなる気配は皆無ですね。
むしろ積極的に応援に回ってくるとは。
凪も凪で、やっぱり面白い子。
まさかのエリカファンであり、しかも、根っからの負けず嫌い根性で「私の方がエリカのことを好き」と凪に対抗心を燃やす始末。
凪とエリカが許嫁であると知ったら、エリカに敵意を向けることはなく、その殺意は凪に向きそうですね(笑
ここら辺は凪の予想通りになりそうですから、「女同士の争い」はやっぱり想定できません。
この2人の間でもギスギスドラマは起こらない気がして、それまた嬉しい悲鳴。
まだ幸とひろが出会ってなくて、この2人の空気次第では印象は変わってきちゃいますが、今のところは「ラブコメディ」の本質を貫いてくれているので、大変面白く読めています。
雨の中のラブイベント
メインヒロインはエリカだし、タイトルからして凪とエリカを中心としたラブコメであることは容易に想像がつきます。
であるならば、当然2人が正式に付き合って、結婚してのエンディングというのが「true End」だと思うのです。
が、しかし、それには他のヒロインの幸福も描く必要があると考えます。
誰一人悲劇的な結末を迎えずのハッピーエンド。
これを成し遂げてこそのラブコメだと信じているし、そうした王道を歩んでくれる作品であると確信しています。
ならば、ひろにとってのハッピーエンドとは?
「運命の奴隷からの解放」というのが最低条件になりそうですよね。
許嫁とも凪とも別に好きな人が出来て、その人と結ばれる。
これはこれで条件を満たしたハッピーエンドだし、凪とエリカが結ばれるエンドにも繋げられます。
ただ、それには「ひろの恋人」が登場してこないといけません。
エピローグで「どこぞの馬の骨と恋愛結婚しました」という簡素なエピソードだけじゃ納得できないです。
作中でしっかりとひろがその男性に惹かれていく様子を描いて欲しいんですよね。
ま、そんな展開望んじゃいないんですが。
四角関係という今作のウリを放棄することになる「第5の人物」の介入は男女限らず避けて欲しいというのが、僕個人の本音。
ということで、もう本音トークしちゃいます。
凪とひろがくっ付いて欲しいと思ってしまいました。
核心に踏み込まずに、敢えてさらっと書かれてはいますが、実際ひろが言うように重すぎる楔です。
人生を一番楽しめる年頃の女の子が「運命の奴隷」なんて言葉で自分の人生を表現しちゃうなんて、哀しすぎますよ。
是が非でも凪には、彼女の運命を変えてもらいたいし、婿入りして宮司になってもらいたい。
エリカには幸がいるし、幸にはエリカがいる。
2人が姉妹である以上、凪とエリカが結婚しなくても両家が断絶することはありえないでしょう。
ちょっと失恋しちゃうヒロインが出るかもですが、それでも最高に近いハッピーエンドを迎えられる可能性が高いんです。
雨の中のイベントは、非常に強烈な印象を与えてくれました。
ひろを「悲劇のヒロイン」に決定づけるには十分すぎて、彼女が報われて欲しいと願う理由としては妥当なものでした。
終わりに
2巻にして応援するヒロインが確定しました。
ひろエンドを願ってます。