はじめに
「同じ好きでも好きの程度は人それぞれだしね」
「恋する者同士でもその気持ちはイコールじゃないんだ」
「お互い片思いしてるようなもんなんだよ」
だから、少しずつ好きになってくれれば構わない―。
また、片想う…。
1巻を衝撃的な引きで終えた本作。
2巻が出ましたので、買ってきました。読みました。
読んでから日が経ちましたが、改めて本作を紹介します。
面白いです。
nuruta.hatenablog.com
六話目「違和感。」
司に告白され、自分の気持ちが分からないまま付き合いだした詩帆。
そんな折、唐突に司が交通事故で亡くなってしまい…。
漸く気付いた「好き」という気持ちを伝えられなかった詩帆は泣いて後悔します。
そこへ、不思議な雰囲気を纏った女性が現れ…。
6話目は、1巻第1話の「やり直し回」となっています。
これが凄く上手に作用している。
結果的に言えば、別の世界線(世界線って言葉本当に便利w)に来てしまった詩帆。
司が生きていて、しかし、2人が出会ってない世界。
そこでは、詩帆の代わりに秋津愛美ちゃんという子が、詩帆のポジションに収まっていた。
愛美は、司が好き。
前の世界では、司が詩帆を好きだったように、こちらでは、愛美が司を好きでいた。
1話使って、2人のドラマを見せられる訳です。
そうして、愛美に肩入れしてしまい、2人が付き合うまでを読まされて…。
感情移入してしまった所に5話の直接の続きが始まる。
つまり、詩帆が出てくる。
世界線が違うので、司は詩帆を知らないので、詩帆にとって辛い一言を吐きます。
「誰ですか?」と。
1巻で詩帆に感情移入して、可愛いなと感じ。
2巻の最初の1話である第6話で愛美に感情移入する。
男子にとって悩ましい三角関係。
物語に没入させるには破壊力抜群の第6話。
巧いなぁと感嘆。
タイトルが素晴らしい。
これはタイトルが素晴らしいですよね。
「また、片想う。」。
好きになった男の子。
彼は自分の事を好きでいてくれた。
しかし、彼は死に、彼は自分を知らない。
詩帆の感情だけが生きていて、しかし、”こちらの”司には通じない。
また、片思いが始まった…。
それだけじゃなく、司は愛美という恋人まで出来ていて…。
その事実を未だ知らない詩帆が、2人の関係を知った時、どうなってしまうのか。
どうやらその場は次巻で訪れるようですが…。
非常に気になります。
1巻だけでは分からなかったタイトルの意味が紐解かれ、非常に先の気になる恋愛劇が繰り広げられる。
詩帆、司、愛美…3人の関係はどう動いていくのか。
ゼロからのスタートで、どう詩帆は巻き返すのか。
はたまた、最初の世界のように、元明が詩帆を好きになって「四角関係」に発展するのか…。
わたし、気になります。(「氷菓」風に)
それでも僕は詩帆が可愛い。
赤面女子可愛い。
今まで築いてきた司との関係がゼロになって、戸惑いつつも、司に惹かれてしまう詩帆。
少しずつ新しい関係を築こうと戸惑いつつも前を向く詩帆が可愛い。
でも、愛美にも幸せになって欲しい。
良い子だから。
途轍もなく良質な恋愛模様を紡がれていて、続きが気になりますね。
わたし、気になります。(「氷菓」風に)
- 作者: タチバナロク
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/10/26
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