この記事は
キルミーの記事のつもりでしたが、ゴルゴ31さんに指摘されましたようにメインがおまけにしか見えません(笑
そんな論点がはっきりしない長すぎる記事です。
序論
この記事の大元は昨年コミケに寄稿した原稿を元にしています。
初稿を上げてから約1年経って全体的に直してありますが…まぁ、ヒドイ。
この辺はざっとナナメ読みして下さると助かりますw
記事のメインはずっと下にある「キルミーベイベー」に関してですので(笑)
4コマ漫画とアニメの相関
4コマ漫画。
最もシンプルであるが、物語の基本である「起承転結」を骨子とする漫画形式です。
その歴史も古く1920年代には既に連載されていた作品が存在していたそうです。
僕も幼い頃から4コマ漫画というものに触れて来ました。新聞に載っている4コマ漫画等は、まだ新聞のテレビ欄しか見ていなかった頃から親しみ、毎日欠かさず楽しんでいた記憶があります。
そんな4コマ漫画を原作とするテレビアニメ作品(以下便宜的に「4コマアニメ」と呼称)で、ここ日本で最も有名なのは何といっても御存知「サザエさん」でしょう。
故長谷川町子氏が生み出したこの作品は、1969年にスタートし、現在でも常時視聴率のトップ10に名を連ねる程の人気ご長寿番組となっています。
最早この作品を知らない・見た事が無いという日本人は少ないのではないでしょうか。
この「サザエさん」を筆頭に4コマアニメといえば、所謂「ファミリー向け」の作品が大勢を占めていました。
僕が視聴してきた作品で言いますと、「いじわるばあさん」、「コボちゃん」、「つるピカハゲ丸くん」、「少年アシベ」などです。
ハゲ丸くんは、小学校低学年や幼稚園生などのちびっ子向けの作品でしたが、それ以外はどれも親子で安心して観られる作品が多かったと記憶しております。
さて、これらの作品に共通している事があります。どれも短命に終わっている事です。1つ例をとって詳しく見ていきましょう。
長谷川町子氏のもう1つの代表作である「いじわるばあさん」。
この作品は1970年、1996年と2度のテレビアニメが製作されるも、どちらも1年あまりで終了しております。
特に96年版(僕が視聴していたのは当然こっち)では放送開始僅か3ヶ月でローカル枠に格下げされ、関東を除く殆どの地域で打ち切りという憂き目にあったようです。
「サザエさん」以外の作品が皆長続きしなかったのは何故なのか?
色々と事情もあるでしょうし、それについて追及する事には何の意味も無いように思われます。
しかし、「サザエさん」以降は大きなヒット作が生まれる事が無かったのも事実であります。
放送期間の長さ=ヒット作かどうかという考えを現在の価値基準で考えると一笑に付されてしまいますが…。
当時はセルVHSやレーザーディスクの市場は現在のDVD・BD市場に比べるとずっと小さかったような気がしますし、視聴率のみが番組コンテンツの人気の尺度であったと考えられます。
もちろん視聴率が良くても打ち切られる事もありますが、視聴率が芳しくなかった為(人気が維持出来なかった為)短命に終わったと解釈する事も可能であると考え、
従って、放送期間の長さ=ヒット作かどうかという判断基準を用いてみました。
また、僕が知らないだけでテレビアニメ化された4コマ漫画も沢山あるかと思います。
いずれにせよ記憶・記録に無いという事は大きなヒットを飛ばす事は出来なかったのでしょう。
では何故これ程までに4コマ漫画がテレビアニメ化される事がなかったのでしょうか?
脚本の作り難さというのも一因となっているのかもしれませんが、第一に、テレビアニメに相応しい作品が少なかった事が挙げられると思われます。
1990年代のテレビアニメの主軸は午後7時から10時代の所謂ゴールデンタイムと呼ばれる時間帯(特に午後7時代)や夕方6時代が大半を占めておりました。
丁度一家全員がテレビの前に集合するような時間帯です。
今でこそ趣味・娯楽の多様化(インターネットや携帯電話の普及)などでテレビを視聴するという時間自体が少なくなっておりますが、当時はまだまだテレビの価値は高い物でした。
そんな時間帯に放送する番組も、必然的に家族が皆で見られる作品にならざるを得ません。
だからこそ、「サザエさん」を筆頭としたファミリー向けのアニメが持て囃され、広く大衆に受け入れられたのだと考えられます。
一方、原作となる4コマ漫画界に目を移すと当時の4コマ漫画の主たるターゲットはサラリーマンなど大人の男性だったのではと思われます。
あくまで僕個人の推測ではあるものの、4コマ漫画の掲載先と言えば「まんがタイム」(芳文社刊)を筆頭とした中高年向け漫画雑誌であり、作品自体もサラリーマンを主人公としたものが多かったように思えます。
忙しいサラリーマンにとって、4コマ漫画程読みやすく、短時間で楽しめる娯楽も無かったのでしょう。
この他にも、前述した新聞紙連載の作品やゲームキャラを用いたゲームアンソロジーなどが存在したものの、数自体はそれ程多くは無かったものと考えます。
つまり、テレビ媒体が欲しがる「ファミリー向けの原作」が4コマ漫画界には少なく、結果としてアニメ化される作品も登場しなかったのでしょうね。
このようにして90年代までに於いては、4コマアニメというジャンルは冬の時代を迎えていました。
深夜アニメの繁栄
2000年代に入ると深夜アニメが台頭してきました。
全日帯アニメ(本稿では朝から午後10時頃までとします)とは異なり、主たるターゲットを深夜でも起きているアニメファン向けにしているのが特徴でしょう。
つまりは、ファミリー向けを意識しなくても良い、もっと自由な発想でアニメの企画が立てられ製作・放送されるようになった訳です。
時を同じくして、4コマ漫画界にエポックメイキング的作品が誕生しました。
「月刊コミック電撃大王」(アスキーメディアワークス刊)にて99年に連載が始まったあずまきよひこ氏の「あずまんが大王」ですね。
本稿をお読み下さっている諸兄にとっては、最早説明不要でしょう。
普通のどこにでもいそうな女子高生の日常を緩い空気で描いていくこの4コマ漫画が大ヒット。
当時の読売新聞の夕刊にまで特集を組まれていたのをおぼろげながらも記憶しております。
ここに来て、テレビアニメ界の流れとこの作品が見事に一致したのです。
「あずまんが大王」は2度の映像化(OVA、劇場短編アニメ)を経て、2002年4月には遂にブラウン管に登場します。
商業的にもヒットし(wikipediaによるとアニメDVD が各巻4万本以上を売り上げたとの事。)、当時はまだ原作を読んでいなかった僕も毎週テレビの前で笑い転げておりました。
久々の4コマ漫画界からのアニメ作品。
商業的にも大ヒットと呼べる結果を残し、さぁ、ここから大攻勢!…なぁんて上手い事も行く訳もなく。
次のアニメ化は、「あずまんが大王」から2年も後の2004年4月。
ももせたまみ氏原作の「せんせいのお時間」とコンノトヒロ氏の「ぷぎゅる」の僅か2作品だけでありました。
この理由も前述した「90年代までに4コマ漫画がテレビアニメ化されなかった理由の推測」の延長線上で説明が付くと考えます。
「テレビに求められている作品が4コマ漫画界に不足していた」というものです。
このうち、「テレビに求められている作品」というものの幅が大きく広がり、アニメ化されやすくなったという事も先にて述べさせて頂きました。
しかし、相も変わらず4コマ漫画界には駒が少なかったのです。この事については次章にて詳しく追ってみたいと思います。
芳文社の功績〜「あずまんが大王」の遺産
2002年5月。4コマ漫画界に1つの変革が起きます。芳文社が「まんがタイムきらら」を創刊させたのです。
この雑誌の意味合いについて語る前に、まずは簡単に芳文社について説明しておきます。
Wikipediaによると、「1946年に創業した尚文館を前身とし、1950年に株式会社に改組したのを機に現在の社名に変更した老舗の出版社であり、
日本で最初の4コマ漫画専門雑誌を立ち上げた事でも有名」とあります。
前述しました「まんがタイム」こそが、日本初の4コマ漫画専門雑誌という訳です。
この4コマ漫画界の雄が世に出したのが「まんがタイムきらら」なのです。
「ドキドキ☆ビジュアル4コマ誌」というキャッチコピーを掲げ、「萌え4コマ」という新風を初めて専門的に取り上げた雑誌という事で船出しました。
この雑誌の創刊に「あずまんが大王」が大きく影響していたのは疑いようの無い事実だと思われます。
(数が少なく認知度も低かった「萌え4コマ」を確立・ジャンル化させたのが、「あずまんが大王」のヒットだと言われている為)
ともあれ、これで漸く4コマ漫画界にもアニメ化を受け入れる土壌が形成されつつありました。
「萌え」というものが、必ずしも深夜アニメに必要という訳ではありませんが、ここ数年来の流行や作品傾向を見ると、これを取り入れている作品が多いのも事実です。
芳文社はその後も多くの同ジャンル中心の4コマ専門誌を発行。
他社も追随し、ここに来て「あずまんが大王」の撒いた種が本格的に萌芽しました。
豊作の2007年と開けた未来
「せんせいのお時間」から早くも3年の月日が流れた2007年。
この年は、4コマアニメ界にとって革新的な年となりました。
1月からの「ひだまりスケッチ」を皮切りに「らき☆すた」、「スケッチブック」など5作品もアニメ化されました。
ここで特筆すべきなのは、「ひだまりスケッチ」と「らき☆すた」でしょう。
上述させて頂いた通り、2002年に出版界に興った「萌え4コマ漫画雑誌」ムーブメント。
その潮流から生まれたのが「ドージンワーク」(芳文社「まんがタイムきららCarat」連載)であり、「ひだまりスケッチ」であります。
このうち「ひだまりスケッチ」は「女子高生4人組の日常を描く」という1つの萌え4コマ漫画に於けるテンプレートを踏襲しつつ、
アニメ制作を担当したシャフトの独特な演出も功を奏し「あずまんが大王」以来のヒット作となりました。
以降も2008年、2010年にテレビシリーズとそれに付随する形で特別編が製作・放送され、また、2011年にも新作の特別編製作が発表されるなど、芳文社を代表する作品となりました。
続いては「らき☆すた」。
当時「涼宮ハルヒの憂鬱」で勢いに乗っていた京都アニメーションが制作という事で、放送前から一部アニメファンの内で既に盛り上がっていた事を記憶しております。
その期待通り、4コマアニメ初の2クールという放送も無事に終え、各方面からの評判も高く、大ヒットしたと言って差し支えないと考えます。
特に、作品のメインキャラクターである柊姉妹の実家のモデルとされた鷲宮神社及び鷲宮町の町興しにも貢献するという、
テレビアニメという枠を超えた影響力まで見せたのはアニメの持つエネルギーを象徴する好例ではと考えます。
さて、深夜アニメの隆盛と4コマ漫画界の盛り上がりを見事に象徴した2007年が幕を閉じ、ここから更なる勢いを見せるかと思われた4コマアニメ界。
しかし、2008年は「ひだまりスケッチ×365」のみでした。
この年、純粋な意味での新作は作られなかったのです。
流石にこの事を考察する事は不可能であり、無駄な憶測は極力書かないようにします。
テレビアニメは企画が上がっても実際に放送されるまで漕ぎつける作品は一握りだと聞いたことがあります。
この年はたまたま企画が実現した作品が無かったのかもしれません。
勢い込んでそのまま突っ走りたかった矢先の失速。
これが90年代以前でしたら、そのまま再び暗黒の時代へと入っていきそうではありますが、この間もしっかりと「萌え4コマ」は力を温存していました。
2009年。奇跡が起きます。
2007年の作品として特筆した「ひだまりスケッチ」と「らき☆すた」。
これが融合したような作品が生まれました。
つまり、芳文社のコンテンツ力と京都アニメーションの融合です。
そう。「けいおん!」であります。
女子高生・4人組・日常という「基本」をしっかりと押さえつつ、そこに京都アニメーションの高いアニメーション力で描かれた「音楽」という要素が加味され、
「空前絶後」という言葉をつい使いたくなる程のムーブメントを巻き起こしました。
世間にどれほどの影響を及ぼしたのか、事細かに書きたいところですが、流石にそれは本稿の論旨と外れて来てしまいますので、心を鬼にして踏み止まります。
ちょい暴走気味になってきましたので、気を落ち着かせて…。
この「けいおん!」ですが、翌2010年に第2期が制作・放送されるや、2011年12月にはには映画界にまで進出するまでに。
17億円以上という驚異の興行成績を上げたのは記憶に新しい所です。
では、この「けいおん!」のヒットが次の世代に齎すものとは何なのか?
これが今後の4コマアニメ界にとって重要となってくるはずです。
「あずまんが大王」が萌え4コマというジャンルを固定させ、後の世代に大きな土産を残したように、「けいおん!」は何を残せるのか?
目先の成果としては、この作品のヒットによって、ますます4コマ漫画がテレビアニメ化しやすくなると考えます。
事実、2009年には3本に留まった4コマアニメも2010年には6本が製作・放送されました。
(内2本は「けいおん!!」と「ひだまりスケッチ×☆☆☆」という続編モノですので、実質は4本ですね)
2011年も6本が制作・放送されました。
と、全て「けいおん!」のヒットの恩恵の様な書き方をしましたが、必ずしもそうでは無いのではないかという事も付け加えておきます。
むしろ2010年と去年に関しては違うと思っております。
アニメというものは、企画立ち上げから放送に至るまで、数年かかるのが普通だと聞き及んでおります。
これが事実と仮定するならば、「けいおん!」の結果を見ての企画立案とするには時間が短すぎるからです。
多少は影響もあった作品も中には存在するかもしれませんが、殆どの作品が「けいおん!」の影響力は受けていないと考えるのが妥当なような気がしてなりません。
「けいおん!」の影響力を真に測るには、今年以降に目を向ける必要がありそうです。第1シリーズから3年。ちょうど良い頃合いではないでしょうか。
4コマアニメ界の将来
簡単ではありますが、ざっと4コマアニメについて振り返ってまいりました。
最後に今後の展望についての予測でも綴ってみようと思います。
まずは下表をご覧下さい。
2002年の「あずまんが大王」以降の4コマテレビアニメを抜粋してみました。
いくつか抜けている作品があるかもしれませんがご容赦下さい。
これを見ると殆どの作品が連載から3年以上開けた後アニメ化されているようです。
この事は、2003年〜2006年の間にアニメ化された作品が少なかった事にも納得できますね。
前述のとおり、「アニメ化しやすい4コマ漫画」が量産され出したのは2002年以降です。
それから3年以上というと2005年以降となります。
2007年になって作品数が急激に増えたように感じられますが、実は自然な流れだったとも見る事が出来そうです。
では何故、3年以上もの月日が必要なのか?
4コマ漫画は1話当たりのページ数が少なく、ストックも溜まりづらい傾向にあります。
その為、アニメにするにはそれくらいの年月がどうしても必要となってくるのでしょう。
とはいえ、4コマ漫画が3年以上連載し続けるケースはそう多くないようです。
また、深夜アニメに目を転じても全体の本数は2006年をピークに徐々に減少傾向にあるようです。
以上2点より爆発的に作品数が増すような事は無いと思われますが、前述の通り「けいおん!」のヒットによって4コマアニメの作品数自体は
横ばいか微増の傾向が今後1,2年は続くのではないかと予測します。
その後どうなるのか?
まさしくこれが「けいおん!」効果を測るのには適切なのではないかと考えます。
3年以上先も横ばい傾向が続いているのか?はたまたかつてのように市場が縮小しているのか?
いずれにせよコンスタントに大ヒット作品を作り出せるかどうかが、今後の4コマアニメ界にとっては重要となっていきそうです。
僕個人の希望といたしましては、「けいおん!」シリーズに追いつけ追い越せというような作品が出て来て欲しいと考えます。
僕にとって「けいおん!」は、今まで見て来た全てのアニメでも五指に入るほど大好きな作品となりました。
キャラ、ストーリー、音楽、演出、豊崎さん。
全てが本当に良い作品でした。
なので、この作品に迫れるものなど、今後出て来ない・出て来て欲しくないとも思っています。
でも、それはダメな考えですよね。
今後の4コマアニメ界、いや、アニメ業界全体にとっても、『けいおん!』は超えるべき壁であり、また、同じ4コマアニメからそんな作品が生まれて欲しいと強く希望いたしますね。
今後も僕は4コマアニメを応援し続けます!
アニメタイトル | 原作出版社 | 連載時期 | 放送時期 | 監督 | 脚本 | キャラデザ |
---|---|---|---|---|---|---|
あずまんが大王 | メディアワークス | 1999年〜2002年 | 2002年4月〜9月 | 錦織博 | 大河内一楼 | 加藤やすひさ |
せんせいのお時間 | 竹書房 | 1997年2月〜連載中 | 2004年4月〜6月 | 岩崎良明 | 白根秀樹 | 中原清隆 |
ぷぎゅる | 講談社 | 2001年〜2008年 | 2004年4月〜6月 | 栗原ハジメ | 中木啓幸 | |
ひだまりスケッチ | 芳文社 | 2004年〜連載中 | 2007年1月〜3月 | 新房昭之 | 長谷川菜穂子 | 伊藤良明 |
らき☆すた | 角川書店 | 2003年〜放送中 | 2007年4月〜9月 | 山本寛、武本康弘 | 待田堂子 | 堀口悠紀子 |
ぽてまよ | 双葉社 | 2004年〜2011年 | 2007年7月〜9月 | 池端隆史 | 池見友太 | 大木良一 |
ドージンワーク | 芳文社 | 2004年〜2008年 | 2007年7月〜9月 | 八谷賢一 | 國井玲 | きみしま幾智 |
スケッチブック | マッグガーデン | 2002年〜連載中 | 2007年10月〜12月 | 平池芳正 | 岡田麿里 | 杉本功 |
ひだまりスケッチ×365 | 芳文社 | 2004年〜連載中 | 2008年7月〜9月 | 新房昭之 | 長谷川菜穂子、与口奈津江 | 伊藤良明 |
けいおん! | 芳文社 | 2007年〜連載中 | 2009年4月〜6月 | 山田尚子 | 吉田玲子 | 堀口悠紀子 |
GA 芸術家アートデザインクラス | 芳文社 | 2004年〜連載中 | 2009年7月〜9月 | 桜井弘明 | 待田堂子 | 渡辺敦子 |
かなめも | 芳文社 | 2007年〜連載中 | 2009年7月〜9月 | 高柳滋仁 | 中瀬理香 | 立田眞一 |
ひだまりスケッチ×☆☆☆ | 芳文社 | 2004年〜連載中 | 2010年1月〜3月 | 新房昭之 | 長谷川菜穂子 | 伊藤良明 |
けいおん!! | 芳文社 | 2007年〜連載中 | 2010年4月〜9月 | 山田尚子 | 吉田玲子 | 堀口悠紀子 |
B型H系 | 集英社 | 2003年〜2011年 | 2010年4月〜6月 | 山本裕介 | 西園悟 | 八尋裕子 |
WORKING!! | スクウェア・エニックス | 2004年〜連載中 | 2010年4月〜6月 | 平池芳正 | 平池芳正 | 足立慎吾 |
生徒会役員共 | 講談社 | 2007年〜連載中 | 2010年7月〜9月 | 金澤洪充 | 中村誠 | 古田誠 |
殿といっしょ | メディアファクトリー | 開始年不明〜連載中 | 2010年7月〜9月 | まんきゅう | まんきゅう | |
Aチャンネル | 芳文社 | 2008年〜連載中 | 2011年4月〜6月 | 小野学 | 浦畑達彦 | 佐々木政勝 |
元気!!江古田ちゃん | 講談社 | 2005年〜連載中 | 2011年4月〜9月 | 直谷たかし | ||
プ〜ねこ | 講談社 | 2004年〜連載中 | 2011年4月〜9月 | 鈴木隆輔 | ||
殿といっしょ〜眼帯の野望〜 | 開始年不明〜連載中 | 2011年4月〜6月 | まんきゅう | 高田真理 | ||
森田さんは無口 | 竹書房 | 2007年8月〜連載中 | 2011年7月〜12月 | 林直孝 | 山下敏成 | |
WORKING’!! | スクウェア・エニックス | 2004年〜連載中 | 2011年10月〜12月 | 大槻敦史 | 吉岡たかを | 足立慎吾 |
「キルミーベイベー」は凄い意欲作
という事でここから本筋のお話。
昔っからある4コマ漫画って、起承転結のルールに則ったギャグというのが僕の認識です。
4コマ目に必ずオチを付けて笑いを誘う。だから”横の繋がり”というのが希薄で、ストーリー性は無いに等しい。
異を唱える方も居るかと思いますが、これが僕の考える「4コマ漫画」でした。
対して、上に長々・だらだらと書いてあるのは、最近の萌え4コマに関してです。
萌え4コマの特徴と言えば、起承転結に縛られない自由なストーリー性の導入と可愛らしいキャラクターですよね。
必ずしも4コマ目でオチを付ける訳では無いというか…。
そもそも笑いに固執していない作品まであって。
そんな作品が多いなと個人的に感じていた時に、この漫画がアニメとなって僕の前に現れて下さいました。
まさに衝撃でしたね。
何が衝撃かって、徹底的なまでに笑いに腐心していたからです。
まさに僕が思い描く4コマの基本そのものだったのです。
起承転結というルール通りになっているのか、原作を知らない僕には分からないものの、その笑いに徹する姿勢はかえって新鮮に写りましたもの。
何よりオリジナルキャラを投入していない点が凄い!(敢えて言えば釘宮さん声のボツキャラのみですよね。追加は。)
これってきっと原作の本質をスタッフが信じて、そのままでも行けると思ったからなのではないかなと。
僅か2名+αだけのコント劇で、十分に面白い作品が作れると判断したのではないでしょうかね。
昔っからの精神が溢れているなと感じました。
もう一つこれは!と思ったのが、4コマの原理を導入しつつも、萌えキャラを登場させている点ですね。
最初こそ可愛らしさを感じなかったものの、回を増すにつれどんどん可愛く見えてくるのは、しっかりと萌えアニメのエッセンスも取り入れられているなと。
やすなとかあぎりとか可愛くて仕方ないですね。個人的には。
で、萌えキャラ同士のくだらないやりとりの裏には、しっかりと物語っぽいものまで隠されている。
殺し屋のソーニャちゃんと彼女の仕事を快く思っていないやすなの物語が。
てなわけで、「キルミーベイベー」って昔の4コマと今の4コマの良いトコ取りの作品なんじゃないかと思う訳です。
これまでの萌え4コマアニメが笑えなかったという訳ではありません。
ですが、それらよりもずっとギャグ作品として作られているなというのが正直な感想です。
「日常」「青春」要素を全面に掲げた4コマアニメもそれはそれで好きなのですが、「キルミー」のようなギャグ全開の作品ももっともっと見たいものです。
「キルミーベイベー」が新しい4コマアニメのスタンダードとなれるようになれば良いなと願っています。