この記事は
「鬼滅の刃」感想です。
ネタバレあります。
はじめに
本誌のネタバレありますので、コミックス派の方は回れ右してください。
この度、コミックス第21巻から23巻の発売が告知されました。
全て通常版と特装版が同時発売となり、21巻は7月に発売し、以降随時発表ということ。
という訳で、ざっと計算してみたのですが、1巻あたり9話収録だと23巻は205話まで収録されることになります。
今回で第203話。
次回クライマックスということで、ほぼほぼ間違いなく最終回となりそうです。
コミックスの分量的にも綺麗に終わりそうです。
当記事では、201話から203話で描かれた「最後の戦い」について感想を書かせていただきます。
最後の戦いの感想
僕は今まで2度にわたって「もうちょびっとだけ続くんじゃ」説を唱えてきました。
日光に焼かれない、歳をとらない、最強最悪の鬼。
その存在が提示された以上は、そいつをラスボスとしない限り、少年漫画としては終わらないはずだというのを論拠としておりました。
そこで、最初は順当に無惨が進化すると考えたのです。
禰豆子を食らうなどして無敵状態になった無惨を倒すことがラストバトルになると踏んだのです。
やがてその目が無くなってきたので、すぐさま僕も方向転換。
性懲りもなく今度は禰豆子がラスボスになる説を展開しました。
無惨によって自我を奪われた禰豆子が、鬼が本来持つ本能に目覚めてしまうのではないかというシナリオです。
が、哀しいかな。
その記事を挙げた翌週のジャンプで、早々に禰豆子が人間に戻ってしまい、一瞬で説が瓦解しました(笑
こうなると「服着た恥さらし」の異名を欲しいままにする僕でも3度目は書けません。
卑怯にも大人しく本誌で成り行きを見守っておりました。
ではここで、200話以降の僕のつまらない雑感をお届けしましょう。
200話。
思ったよりあっさりと無惨が消滅。
炭治郎の死が確定され、「主人公死亡エンドかぁ。そういう可能性はあったよなぁ」と割とすんなりと受け入れてました。
201話。
唖然呆然。
前回はあっさりと逝ったなぁとどちらかといえば「もっと粘れよ」と思っていた無惨が、ねちっこく粘って炭治郎を鬼化したことに「ふざけんなお前ぇぇぇぇ」とぶち切れ。
なんて勝手な僕。
こんな卑怯な粘り方は望んでなかったのだw
202話。
健気な禰豆子、可愛いなぁと。
「お兄ちゃん」と必死に、身を挺して炭治郎を止めようとする姿に感動。
203話。
うわぁぁぁぁぁぁ炭治郎、よかったよぉぉぉぉぉぉぉぉ
こんな感じでした。
本当につまらない感想ですねw
些細な事にも一喜一憂して、単純に楽しんでました。
とまぁ、それで素直に最終話も楽しんで「あぁ良かったね」で終わっても良かったのですが、折角ブログをやっている以上「生の感情」も残しておこうかと思いまして。
感じたことを纏めておきます。
結局は、炭治郎が最強最悪の鬼になったわけですが、この「vs鬼炭治郎」戦。
普通に戦っていたのでは、バッドエンドまっしぐらだったなと。
もっと言えば、炭治郎以外の者が鬼にされていたら、無惨の悲願が達成されてしまっていたと考えます。
炭治郎だからこそ、無惨の想いを絶つことが出来たと。
優しさという名の刃
最後の戦いとなった「vs鬼炭治郎」。
実のところ、最終決戦に於ける炭治郎は何もしてません。
彼が主人公補正を発揮して、内側から無惨の呪いに打ち克ったという訳では無いんですよね。
そりゃ抵抗はしていたようですが、それが勝敗を分けたわけではありません。
大事なのは、伊之助に、カナヲに、義勇に。
「炭治郎を殺すんだ」という選択を採らせなかったこと。
これが最大の勝因になってました。
一度鬼になってしまったらば、二度と人間には戻らない。
そういう常識があるからこそ、鬼殺隊は仲間であろうと鬼になった者は容赦なく斬り捨ててきました。
殺すことが鬼とされた仲間の為というのも、そうした「非情」な方法を躊躇なく採らせてきた理由でもあったはずです。
実際今回も炭治郎の鬼化を知った直後の義勇は、炭治郎を殺すことを周りに命じていました。
炭治郎の為に彼が誰も殺す前に、斃してしまおう…と。
でもね、この時もしもそのまま躊躇なく炭治郎を殺そうとしてたら、どうなっていたでしょう。
ただでさえボロボロとなった鬼殺隊。
柱は殆どが死んでしまい、残った義勇と実弥も満身創痍。(義勇は片手を喪い、実弥は気絶)
善逸ら同期も同様にずたぼろ。
断言できます。
間違いなく全滅してました。
いや、例え万全の状態のフルメンバーで挑んだとしても、勝てなかった筈です。
それほどの脅威であった鬼化した炭治郎。
禰豆子だけはもしかしたら助かったかもですが、鬼殺隊は100%間違いなく全滅していたことでしょう。
そうならずに炭治郎を元に戻せて、戦いに勝てたのは、炭治郎を人間に戻したいと皆が願ったから。
最初は伊之助でした。
誰かが道を外したら、誰かが止めよう。
炭治郎、伊之助、善逸の3人の誓い。
それでも彼は、炭治郎を斬れなかった。
出会ったばかりの伊之助であれば、問答無用躊躇なく斬っていた場面です。
炭治郎の優しさが伊之助の孤独を癒したからこそ、伊之助は炭治郎を元に戻したいと願いました。
次に義勇でしたね。
禰豆子のことを噛んでも、禰豆子を殺さない。
渾身の攻撃(エネルギー波みたいな)もいくら禰豆子が防ごうとしたとはいえ、大きく逸れた。
この2点に疑問を抱いた義勇は、炭治郎の抵抗を見抜き、炭治郎の自我を取り戻すにはどうすればいいのか考えます。
出会ったばかりの義勇だったら、やはり躊躇なく炭治郎を殺そうとしてましたよね。
抵抗してることに気づいても、それがどうしたとばかりに殺意を収めることはしなかったはずです。
炭治郎によって変わったのは、義勇も同じでした。
3人目はカナヲ。
命を懸けてまで守りたいと願ったしのぶの敵討ちの為に使った「花の呼吸 終の型 彼岸朱眼」。
失明の危険がある大技ですが、なんら躊躇せずに使用したカナヲ。
しのぶへの気持ちの大きさがそこには現れてました。
そんな大技を、彼女は炭治郎と禰豆子の為に使ったのですよ。
「この為に片目を(失明せずに)残してくれた」のだと。
まるで2人を救うことが天命であるかの如く。
炭治郎の優しさが、眠っていたカナヲの感情を揺り動かしました。
感情を放棄していた嘗てのカナヲだったらば、救おうだなんて考えてなかったはずです。
無惨にとっては、炭治郎だからこそ、自分の宿願を達成する・受け継ぐに相応しい人物だったのでしょう。
けれど、炭治郎だからこそ、その邪悪な願いは断ち切られたのですよ。
炭治郎が優しく、出会ってきた人々と確かな絆を紡いできたからこそ、助かる道が生まれた。
この作品の長所は、なんといっても炭治郎の優しさです。
醜悪な鬼に対しても、彼は手を差し伸べ、涙を流してきた。
どこまでも優しい炭治郎だったからこそ、無惨に本当の意味でのトドメを刺せた。
炭治郎の優しさという最大の長所を最後の決め技に持ってくるあたり、「あぁ本当に最後の戦いだったんだな」と思わせてくれました。
非情に「らしい」終わり方ですね。
締めに相応しい最後でした。
終わりに
人気絶頂のままラストを迎える。
ファンの方にとっては寂しいかもですが、作品にとっては最高だと思うのです。
終わり方も綺麗で、有終の美を飾れそうですね。
最終回、楽しみに待ちます。