この記事は
「鬼滅の刃」の考察です。
ネタバレあります。
コミックス買っちゃった。
この記事は、最終回までのネタバレを含みます。
ご留意の上、お読みください。
遂に流行に流されました。
「鬼滅の刃」の原作コミックスを一先ず5巻まで購入しました。
流石に欲しい人には行き渡ったのかなと思っていたコミックスですが、未だ多くの書店で在庫を切らしております。
かくいう僕の観測範囲内でもどこも品切れとなっていて、入手するのには骨が折れました。
少し足を延ばしたところにあるお気に入りの書店には、全巻50冊ほど店頭に出ていたので、そこで入手出来ましたが、そこでも買う人を多く目にしました。
小学生くらいの男の子とその子のお母さんが、全巻手に取ってる光景は、ブームの凄さを思い知りましたね。
あれ、間違いなくお母さんの方が嵌ってるわw
さて。
「ジャンプ」本誌での連載は既に終え、最終巻も来月の4日に発売となります。
これにて炭治郎達の死闘に終止符が打たれるわけですが、ずっと本誌で連載を追っていて不思議に感じてることがありました。
鬼殺隊に入隊して1年も経っていない炭治郎達は何故最後まで生き残れたのでしょうか。
上弦の鬼や鬼舞辻無惨との死闘に参加できるほどの強さを身につけられたのは何故か。
村田ら他の隊士達との違いとは…。
考えてみました。
3つの要素
炭治郎は、バトル漫画の主人公としては珍しく普通の少年なんですよね。
親が特別強いという訳でもなく、血筋も普通だし、異能を持っているわけでも無い。
人より鼻が利くだけで、身体能力も殊更情人離れしているという訳では無かったと思われます。
やっぱり珍しいよね。
特に「ジャンプ」では異色の主人公像と言えるかもです。
「DRAGON BALL」、「NARUTO」に「BLEACH」。
血筋や親が特別な主人公が多いですからね。
アニメ放送中の「ダイの大冒険」も同様ですね。
そんな炭治郎が、何故柱ですら斃される鬼達と渡り合えたのでしょうか。
主な理由は3つあると考えます。
3人の師匠
先ず1つ目は、師匠の存在。
元水柱である鱗滝に師事できたことは僥倖でした。
そもそも元柱の育手は希少であり、彼から直々に水の呼吸を教えられたことで、最終選別での生存率がグッと上がったと想像できます。
それでも、鱗滝の弟子達は手鬼に13人も殺されてしまっています。
その中でも最強の錆兎との違いは何だったのか。
皮肉なことですが、錆兎達の犠牲があったからこそ、炭治郎は生き残れたのですよね。
元々炭治郎を最終選別に行かすつもりの無かった鱗滝。
絶対に出来ない岩斬りという課題を出しました。
その課題の中で、霊となった錆兎と真菰に全集中の呼吸を始めとした基礎を教わり、身に着けていった。
彼ら3人との出会いが、手鬼撃破には大きく貢献していました。
もしも、鱗滝が岩斬りを命じなかったら。
もっと言えば、義勇に出会っていなかったら、鱗滝との縁も出来なかったわけで、多くの偶然と奇跡が重なった上でのことであったと言えそうです。
経験を糧に
炭治郎の戦いの軌跡は、本当に良く出来ているというか。
少しずつ敵のレベルが上がっていってるんですよ。
お堂の鬼。
正直何も出来なかったけれど、鬼の生命力の強さとか弱点とかを知った。
最終選別で初めに遭遇した鬼2体。
水の呼吸が通用することを知れました。
手鬼。
最初の強敵でしたが、隙の糸を付き見事に撃破。
人間を多く食ってきた鬼とも渡り合ったのは、大きな自信になったと思う。
沼鬼。
血鬼術を使う異能の鬼との闘いでも、呼吸を駆使して勝利。
ここまでは本当に綺麗に一段ずつ鬼が強くなっていってるんですよ。
イレギュラーなのは、この次に戦った矢琶羽。
無惨に強化されたとはいえ、下弦でも無い異能の鬼。
沼鬼よりかは強いんだろうけれど、なんとなく「無くても良い戦い」に見える。
けれど、違うのね。
通して読んだからこそ気づけたのが、次戦の響凱戦の伏線になっていたこと。
元下弦の陸だから、確実に「現時点最強の敵」。
部屋を移動したり、回転させる空間支配の血鬼術は、普通にヤバイ。
ここで死んでても可笑しくなかったほど強力な能力を有していた。
部屋移動の鼓が失われていたハンデを考慮しても、当時の炭治郎には「強すぎる」相手に違いなかった。
それでも勝てたのは、矢琶羽戦の経験を活かしていたからだと思ったのです。
矢琶羽を倒した際に受けた「紅潔の矢」。
今までよりも強い力で上下左右に振られる中で、炭治郎は助かるために次々と技を放って受け身を取ります。
単に技を繰り出すと言っても、振られる方向に対して常に態勢を作る必要があって、圧のかかる中でも必死にその態勢を保っていたのでしょう。
響凱の部屋の回転は、この時に比べれば遥かに楽だったでしょう。
矢の引っ張る力よりも重力の方が弱いでしょうから、体に掛かる圧は少ない。
事実受け身を取るまでもなく、着地の態勢を常に取れています。
問題は回転のスピードでしたが、これまた先の戦いの経験もあって「初めてではない」。
炭治郎は回転に翻弄されるというよりかは、斬撃に苦戦していました。
故にもし「紅潔の矢」を経験していなかったら勝てていたかどうか…。
経験を糧に出来る炭治郎だからこそ、死闘を勝ち抜けたのでしょう。
観察力の高さ
読み返していて、ようやく気付けたことがあって、それがこれでした。
炭治郎って、本当に良く見てるよね。
響凱戦もそう。
観察と分析を常に行っている。
どの鼓を打てば、どうなるのかをしっかりと見てたからというのも、この戦いに勝てた要因。
炭治郎の観察力の高さが勝敗を決した戦いと言えば、この次の累戦ですよ。
下弦の伍である累との彼我の差は圧倒的。
この時の炭治郎の水の呼吸の技は一切通用しませんでした。
いよいよヤバイって時に、それでも炭治郎が生き残れたのは、とある記憶のお陰でした。
幼少時に見た今は亡き父の舞。
誰に教わるでもなく、ただ昔見ただけの舞を戦いに取り入れ、窮地を脱しました。
勿論禰豆子の「爆血」のお陰で首を刎ねることができたし、義勇が駆け付けなければ死んでいた。
さりとて、ヒノカミ神楽を観察していたからこその、その後の展開があったことは揺るぎない事実。
そして、この「父の舞」の観察が、最終決戦で活かされていたことも事実でした。
観察力の高さが、炭治郎最大の能力と言えるんじゃないかな。
まとめ
誰よりも努力をしたというのも、炭治郎が短期間で強くなった理由だけれど、努力しても勝てる程甘くは無い。
柱達だって、誰よりも努力を重ね、その地位に着けたにも関らず、何人も命を落としました。
入隊して間もなく、一般隊士としても最下位の炭治郎が最後まで生き残れたのは、鼻の良さに加えて、多くの偶然と経験を糧にする学習能力の高さ、そして、観察力にあったと思うのです。
メタなこと言えば「主人公だから」で済ませることですが、普通の少年が生き残れた理由を探したら、このような答えに行きつきました。
考察というほどのことでは無いですが、以上で終わります。