「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件」 感想

この記事は

ドラマ「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

過去シリーズを振り返る

ドラマ「金田一少年」。スタートしてから、もう17年以上も経つのですね。
いや〜、歳取る訳だw

さてさて。
僕と「金田一少年」の”出会い”は、ドラマSP「学園七不思議殺人事件」でした。
何故このドラマを見たのかは全く記憶していません。
妹が興味を持って見ていたから…だったかもしれません。
当時の僕は堂本さんというよりも、KinKi Kidsすら知らなかったのですが、妹は既にキンキのファンみたいな感じになっていて、その為番組をチェックしていたような気がします。

何にせよ、初めての出会いが堂本金田一だった訳で、だからか実は原作にすら最初は違和感を持っていました(笑
「なんで長髪なんだろう?」と。
原作漫画の金田一を見て「コレじゃ無い」という想いを抱いていた僕は、心から堂本金田一に魅了されていたのでしょう。

そんな僕が、松本金田一や亀梨金田一になびく訳も無く…。
全部しっかりと視聴こそしましたけれども、やはり初代は超えられなかった。

金田一少年のキャラクター性も、どんどん改変されていって、それが何より受け入れられなかったのも大きい。
オフィスクレッシェンドが一貫して制作していましたけれど、メインスタッフもシリーズ毎に刷新され、それに関しても僕の中で初代のスタッフ陣を超えられなかった。

ただ、脚本面(事件の描写)に関しては、特に全シリーズ一貫して問題無かったかもです。
原作改変具合では、初代も相当でしたし。

なので、演者と演出。
この両方で比較すると、どうしても初代が最高でありました。

そんな中、この度第5シリーズとなる山田金田一の登場となった訳です。

スタッフが凄い!!

先ずオリジナルスタッフ(堂本金田一版のスタッフ)の復帰。
これが大きかったかなと。
やっぱり「金田一」のプロデューサーは櫨山さんですよねと。
なんかこの方がいるだけで、妙に安心感を覚えてしまうw

で、見始めて気付いたのですけれど、BGMが超懐かしい。
聞くだけで当時の情景が思い起こされるような心躍るBGMが、冒頭から流れて来るじゃないですか。
当時の音源を拝借しているのかなと思ってたら、音楽担当が見岳さんご本人!!
知らなかったのでビックリしました。
これには感激。

これで、演出が堤監督だったら完璧でしたけれど、まあ、それは高望みしすぎと。
木村さんが関わって下さっていただけで御の字と思わないとですよね。
松本版「魔術列車」で「金田一」にも関わってましたし、多くの堤作品で助監督をされてきた方ですし。

そんな訳で、映像面では限りなく堂本版に近づいていたかなと思いました。
恐さとか緊迫感とかは正直感じませんでしたけれど、それは原作からして変わってきている部分なので、ここを求めるのは違うかなと。

脚本は…。

で、脚本担当は原作・原案の天樹先生自らが執筆。
シリーズでは初だったと思います。
過去に原作小説を書き下された事はありますけれど、直接脚本を担当されたのは初めて。
しかも初めて「ドラマ」⇒「原作漫画」という流れだった為、事件の細部では原作よりも丁寧な面が見られました。

特に第一の殺人時の毒殺トリック。
原作漫画では花柄の皿(原作ではワイングラスでは無く皿でした)が3枚となっていて、どうも「トリック成功の確率」が低くなっていました。
犯人とシンが3枚の内2枚を潰しても、残り1枚にチャンが座っていたら失敗していた訳で、それに関してのフォローも無かったんですね。
これがドラマでは、花柄のワイングラスが2客。
確実性がグッと高まっていました。
なんで、原作では変えてしまったんでしょうね。不思議です。

あとは、アイビーの扱い。
原作読んで不憫なというか、そんなに悪い人では無いんではと思っていたので、ハッキリとそういう人物として描かれていたのは良かったです。
それが犯人の反省にも繋がっていたので、こっちの方が作劇的には好みでしたね。

主に気付いたのはこの2点ですが、逆に「んん?」と思った点もちらほら。
中でも佐木の美雪への呼称についてが大きかったです。
原作では「七瀬先輩」で統一されている所、今回のドラマでは場面によって「美雪先輩」と呼んでいたり「七瀬先輩」だったり。
「名前の呼び方」が犯人特定の重要なキーになっていた話なのに、この点を統一出来なかったのはどうなんだろうと。
天樹先生が脚本を書かれていたにしては、なんでこうなったのかなと気になった部分でしたね。
些細な事と云えばそうですし、名前の呼び方に違和感を覚えさせるためにわざとしていた点だったのかもですが。

あとは、まあ。
第二殺人時の死体移動トリックは笑いました(笑
ホテルとシンの部屋をワイヤーで結ぶ方法についてです。
原作では地味ながらも、確実に結べるような方法でしたけれど、まさかのラジコン(笑
犯人は中日の山本昌投手かとツッコミそうになりました。
これはより面白い映像になる様にという考慮なのかもですね。
実際面白かったです。…相当練習したんだろうな〜w

色々書きましたけれど、ドラマ⇒原作という流れで天樹先生自らが作られたシナリオだった為、「原作改変」という点では歴代屈指のズレの無さ。
2時間で綺麗に纏まっていて、素晴らしく良かったです。

肝心の山田さんの「金田一」像

放送前にいくつかのインタビューを読んだのですが。
堂本さんを意識してと仰っていた通り、金田一はじめというキャラクター像は、原典(堂本金田一)回帰がされていた気がします。
僕はこれが何よりも嬉しかったですね。
やはりハジメの性格はこうでなくちゃですよ。

ただ、”通常時”のハジメは、少々女性っぽかったかなと。
元々山田さんの顔立ちって、女性っぽいというか。
年齢を重ねて、その分男っぽさが顔にも出てきましたけれど、それこそJr.時代(ドラマ「探偵学園Q」出演時の頃)は美少女かと思う様な感じでしたし。
声もなんだか高めで、頼りなさばかりを感じました。

これが、事件が展開するにつれ、ドンドン格好良く見えて行ったから不思議です。
声も次第に低くなって、表情も引き締まって行って。
推理シーンの頃には、「ああ、アリだな〜」と。
偉そうな感想を持つまでになりました。

仕草もどこか堂本金田一を彷彿とさせてましたしね。
ポケットに手を突っ込んだまま推理するというポーズは、なんだか懐かしさを覚えました。

やはり堂本金田一には及ばないものの、それでも滅茶苦茶好感度の高い金田一像を提供して下さいました。
是非に、山田版金田一で連ドラを見てみたいですね。

まとめ

素直に面白いと思えた久々のドラマ版でした。
面白かった〜。

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