この記事は
「金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ」第3巻限定版の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
第3巻発売!!
今回と次巻にはOAD付属限定版が出ています。
僕はこちらを買ったので、それについての感想です。
そうそう。
本編とは関係無い事なので、ここに書きますが。
「香港九龍財宝殺人事件」って、先ずはドラマのシナリオが先行していたのですね。
そこから漫画用にシナリオを落とし込んでいたとは…。
これって何気に初めてのケースでしょうか。
似たようなケースはかつて二度ありましたけれど。
でも二度とも小説との絡みだったので、漫画では初めてかな。
「上海魚人伝説」は実写映画のノベライズ。あれ?これはどうだったか…。
多分小説の方が原作としてあって、そこから脚本が作られたんじゃなかったかな?
覚えてないw
2つ目は「殺戮のディープブルー」。
これは原作小説とアニメ映画で全然違ってましたね。
確か同時に作られていって、アニメの方がシナリオ会議を重ねるたびにドンドン原作から隔離していって、結果的にほぼ別物となったんでしたっけ?
ただ、両方見て初めて秘められたシナリオが浮かび上がる的な発言を天樹先生があとがきに書かれていたような…。
う〜〜ん。こっちも記憶が曖昧だ。
でも、シナリオが全然別物になったのは確か。
その為に、映画公開後にTVシリーズでも「殺戮のディープブルー」が放送されるという不思議な状況になってましたしw
TVは基本的に原作準拠でしたね。
長くなりました。
ではでは、次から感想です。
真犯人に関しての記述があります。
未読の方は、くれぐれもこの先を読まない様にして下さい。
第二の事件「香港九龍財宝殺人事件」
ちょっとミステリ的には、味気ないというか。
詰めの甘いシリーズだったかなというのが第一印象。(偉そうでゴメンナサイ。)
メイントリックも派手さを追求したような感じで、うん、確かにテレビ向けに寄せてあると感じるものでした。
まあ、結構無理があったかなと。
どんなトリックも…って書くと語弊有りますけれど、それでも殆どのノンフィクション上のトリックって現実には実行不可能だったりします。
今回で言えば、毒殺トリックも、いくらシンを買収してたにしても確度が低い。
誰よりも早く席に着いておけと指示していても、それより早く他の人間が毒の盛られた席に着いてしまったとしてもオカシクナイですし。
メイントリックに至っては、目撃者ゼロというのは、いくら夜間でも考えづらい。
重箱の隅を突いて、イチャモン吐けているみたいで良い気分では無いですけれど…。
でも、割と重要なんですよ、こういうのって。
これまでの「金田一」や、その他出来の良いミステリって、こういった「イチャモン」を封殺するように、色々とあの手この手で「封じ手」を講じている訳です。
トリックを出来るだけ「現実的に実行出来るようにように見せる」為の細かい補足ですね。
詰めが甘いというのが、この点で。
今回はこの補足が圧倒的に少なかったかなと。
蘭が真っ先に花の絵柄の席を取って選択肢を潰したと言っても、上に書いたように、他の人間がシンより先に残った花柄の席を取る可能性はやっぱり残っていますしね。
まあ、うん。
やっぱりこういうの書くのは気が引けるので、止めます。
僕も偉そうに言える程、ミステリを読み込んでいる訳では無いですので。
えと。
そうそう。ついでといってはなんですが、アイビーって殺されるまでの事はしてない気が…。
理由はどうあれ、蘭の母を自殺に追いつめてしまったのは事実なので、何とも言えないですが。
それでも彼女自身そこに負い目を抱いていたようですし。
動機も弱かったかな〜と思ってしまいました。
なんか文句ばっかり書いてますね。
でも、つまらなかった訳では無いです。
本当に。
…。「金田一」には、本格ミステリを望んでいるんですもの。
こうアクション中心にされると、「コレじゃない」感を覚えてしまうのは、許してください。
第三の事件「暗黒城殺人事件」
雑誌連載時は第二の事件だった短編〜。
1話しか収録されていなくて、しかも被害者も黒タイツマンだったから、誰が殺されたのかすら分からないというwww
いや、でも、これは面白そう。
音(声)や臭いすら封鎖された何も見えない真っ暗闇で、どうやってターゲットの位置を割り出したのか。
う〜〜ん、分からないですね。
分からないと言えば、オープニングのハジメと美雪の数合わせも論理が分からないw
どうやったんだ、あれ?(汗
上下逆さまにしても成り立つ数字を使って、確率を上げる事は出来ます。
ただ、これでもまだまだ絶対では無いですよね。
16(91)、18(81)、19(61)、68(89)、86(98)
この5種類もあるのだから。
20%に確率が上がるだけ。
100%には程遠い。
なんだろう。さっぱり分からないw
OAD「黒魔術殺人事件 前編」
音楽がTVシリーズと同じ和田薫さん。
という事でBGMがTVシリーズと一緒。
タイトルコールの演出やアイキャッチまでTVシリーズと合わせていたので、すんごく懐かしい気分で視聴出来ました。
剣持の部下のオリジナル刑事の声まで高木さんという具合に、メイン4人は勿論徹底的にTVと同じキャスティングにしてくださったのも大きかったですね。
やっぱり音からの印象はデカイ。
という事で、少々キャスティングに関して。
劇中最初に殺される(第二の犠牲者)九曜役に宮野真守さん。
普段美形キャラをされている事が多い為、贅沢な起用に感じました。
殆どセリフも無く殺されちゃう役ですし余計に。
長女・星子役には、なんと朴ロ美さん。
「ハガレン」のエド等、少年役が多いのに、28歳の作中では美人に類する女性の役。
珍しい!!
でも、結構腹黒い一物持ったキャラなので、少年役で鍛えた低い声が割と合っているのかもしれません。
金田一達と同い年で幼な妻でもある夏目役には彩夢さん。
うん。新人さんかなと思ったら、女優さんなのですね。
知らなかったです。
しかも実年齢も17歳。若い。
wikipediaで見たら、声優としては初めての仕事だったみたいです。
さて本編。
いくらなんでも長編を約1時間でアニメ化は、無理ではと思ってました。
実際TVSPの「オペラ座館・第三の殺人」とか泣けてきましたもの。
あまりの端折りっぷりに。
あれは、ホント、もう一度じっくりと作り直して欲しいと唯一思っている作品。
そんなこんなで心配していたのですが、杞憂だったのかもです。
前編だけで問題編全て消化しちゃったのは驚きでしたが。
原作が長編の中でも短い部類なのと、TV1話分よりかは5分程度長かったというのもあるのかもですが。
綺麗に纏まっていた印象。
欲を言えば、星子に関する諸々のシーンは削ってはいけなかったとは思ったのですが、まあそれくらいですかね。
久々のアニメ金田一。存分に楽しませて頂きました。
金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ(3) (講談社コミックス)
- 作者: さとうふみや,天樹征丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/17
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