「金田一37歳の事件簿」 第17巻感想 遂に文句なしの本格長編来た!!

この記事は

「金田一37歳の事件簿」第17巻の感想です。
ネタバレあります。

傑作だった「首なしスキーヤー殺人事件」編!!

16巻まで「37歳」のミステリとしての物足りなさを悲観していたのですけれど、久々というか、遂にというか。
「少年」時代に勝るとも劣らない出色の本格ミステリだったので、物凄く嬉しい気持ちになりました。

感想です。

本格ミステリとして大満足

やはりなんと言ってもアリバイトリック。
これよこれ。
まさに天樹先生らしいトリック。

2つの山荘に2つの首なし死体。
首なしスキーヤーの逸話をトリックに絡める手法は、目新しさに欠ける「王道」ではあるものの、そこに「実話」をトリックの肝に据えてきたのは意外と珍しい部類だったのでは。
「雪夜叉伝説」とか動機に絡めていた事件は思いつくんだけれど、こっちはパッと出てこないんですよね。

いやさ、体と頭が「別人」で、頭だけ移動させたのではというまでは思いつきで何とかなったのだけれど、1つの死体を流用したのでは位までしか推理出来ないのが凡人。
だから「3人目の死体」にハジメが触れて、あぁなるほどなぁと。
今回はドラマパートから非常に練り込みがあるように感じらて、今までにない満足感がありました。

トリックだけでは無くて、犯人追い込みの手段もきっちりと2重3重に用意されていたのも良かった。
特に失言は面白かった。
失言をした時点では「読者にとって問題の無い発言」だったので、実に巧い。

アリバイトリックも追い込み手順も今までになく練り込まれていて、これぞ「金田一」というのを久々に味わえました。
まぁ、目次で犯人のネタバレ食らわなければ、もっと良かったんですけれどねw
(各話サブタイトル考えてる人、おしおきされて欲しいw)

ケルベロス?

催眠とか変装して成りすましとか、まんまケルベロスなんですけれど。
組織って(汗
衛星使えるレベルだと、マジで「組織」だわ。
いくらなんでも高遠に力を与え過ぎでは…。

あと、「探偵学園Q」と世界観繋げるのだけはマジで勘弁ね。
あっちは「漫画だからこそのミステリ」を根差して作られていただけあって、やっぱり「金田一」の世界観とは相容れないんよ。

今回のシリーズ、目次ネタバレを除けば、唯一の懸念点だった。
無いと思いたいけれど、嬉々としてやりそうで不安でもある。

終わりに

「コミックDAYS」でこの次のシリーズ触りだけ読んでしまったのですが、久々に肌が粟立ちました。
ぞくっとしたね。

いや、まさかさ。
コミックスのこんなところに長々と伏線を張ってたなんて。

詳細は読まずにいるので、次巻が非常に楽しみ。

 

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