この記事は
5代目「金田一少年の事件簿」第2話の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
1週空けて、第2話が放送されました。
今回は初の映像化エピソード「聖恋島殺人事件」。
前後編で描かれる怪人セイレーンによる連続殺人事件の謎。
前編の感想です。
印象に残ったBGM
1話の時には全く印象に残らなかった新規BGM。
僕のように初代で育った世代にとって「金田一少年」と言えば見岳章さんの音楽でした。
一部当時のパロディ(「めちゃいけ」等)の影響でギャグっぽい印象を後付けされてしまいましたが、「恐怖」「緊迫感」「切迫感」を喚起する名BGMの数々は、ドラマを大いに盛り立てていました。
だからなのか、前回は「新規BGMあっただろうか」と記憶にすら残らないほど印象の薄かったのですけれど、今回は良かった。
見岳さんのBGMを織り交ぜつつも、新規BGMがふんだんに使われていて、しかも雰囲気を盛り立てる使われ方をされていたなぁと。
音と言えば、セイレーンの鳴き声は特筆ものでした。
漫画では伝わりにくかったセイレーンの鳴き声による不安感、恐怖感。
ちゃんと音として聞くと、こりゃ不快ですね。
こんな音が生でしょっちゅう聞こえる環境に居たら、不安も感じるだろうなと。
その中で連続殺人事件が起きるんですから余計にね。
事件のキーワードでもある「セイレーンの鳴き声の変化」もしっかりと付いていましたし、かなり良かった点でした。
事件の順番を入れ替えた功罪
今回の事件は、3つの殺人が起きます。
公式サイトの次回予告を見れば、次に誰が殺されるのか分かりますし、それを見てなくとも概ね視聴者の予想通りの人物が殺されるのですけれど、ここでは一旦伏せます。
仮にAさんとでもしましょうか。
原作では、先ずAさんが殺され、次に潮、最後に寒野の順でした。
それをドラマでは逆にしてたのですが、何故なのでしょうか。
Aさんは殺されないんじゃないかと予告見るまでヒヤヒヤしてましたよ。
そんなに殺人シーンが見たいのかよと冷めた目で見ないでくださいねw
違いますから。
このエピソードのメイントリックがAさん殺害時に使われているからです。
小枝的な小さな殺人トリックが使われた2人とは異なり、メイントリックが無ければこのエピソードを映像化する意味が無い。
それが無いかもとなれば、そりゃ焦りもします。
ちゃんと後編で描かれるようなので一安心しましたが、大きな謎の提示が無いままなので、後編への引きが弱く感じたのも事実。
これはしっかりと前編で描いておくべきだったのではないでしょうか。
と思いつつも、後編に持ってきた意図も何となく分かるんですよね。
正直メイントリックは複雑です。
手順がややこしい。
だからこそ、1週間の間を明けることなく、視聴者にいっきに見せる構成にして理解を深めようとされたのかもなと。
こう考えると、事件の順番を入れ替えたのも意味が出てくるんです。
物理的に前編で誰も死なず、後編で3つの事件が起こすことなんて出来ないので、必然入れ替えざるを得ないですけれど、それでも「第1の殺人」を最後に持って行ったのは、複雑な手順を簡略化する為にありそうです。
原作では「早朝の釣りに出かける時」に殺人が起きました。
暗闇の中、全員で桟橋間をいったりきたりしてる中で殺人が実行され、同時にアリバイトリックが仕掛けられていくわけですが…。
どうやらドラマでは最初の手順の「いつAさんを殺したのか」は省かれるっぽい。
納得ですね。
まだ何も起きてないからこそ、釣りに出かける最中と言う呑気なイベントが実行され、その際に殺人が起きたのが原作。
ドラマでは、既に2件の殺人が起こり、当然Aさんも警戒してる中で釣りイベントなんて起こせないですからねw
見てる間は「どうやって釣りに出かけるようなシナリオにするんだろう」と不思議でしたけれど、これなら納得です。
原作より手順が簡略化される、つまりは、多少「簡単に」なる訳ですけれど、そこはご愛敬なのかもですね。
そうそう。
細かな点ですけれど、このメイントリック解明時に、ハジメはある手品を披露します。
予告でもちらっと映っていたので、恐らく原作通りになるのでしょう。
その手品の道具を美雪に持ってこさせていた(ハジメが持ってこさせていたという意味ではなく、作劇的に美雪に持たせたという意味)点は、芸が細かいです。
犯人は分かるようになっている。
ところで、真犯人セイレーンの正体は分かるようにちゃんとなっていましたね。
原作ではとある容疑者が撮ったビデオが犯人特定の証拠になってましたが、ドラマでは佐木にその役割を当てたのは自然でしたね。
ちゃんと佐木が撮影してましたし。
って、これ原作未読者に対するヒントになってますが、まぁ、大丈夫ですよねこの程度は。
1つの連続したシーンできっちりと「違い」を見せていた点は、原作より好きだなぁ。
原作では推理編でしか描かれてなかったですからね。
終わりに
メイントリックを後編に回したことがどう出るのか。
後編ではそこに注目して見ていきたいと思います。